断水絶望日記
西暦2024年......
かつては水の都とまで呼ばれたこの街は、いまや一滴の水すら手に入らない不毛の地と化していた......
断水のお知らせが来ていたことを日記にまで書いていたというのに、すっかり失念してデカ盛りパフェを貪っていた。本当に愚か者だ。パフェは最高だった。
23:00から断水だということに気づいたのは22:40。家まであと10分はかかるというタイミングだ。駆け出す。韋駄天の如く。
家に着くやいなや、浴室へ直行。頭を洗ってるのか顔を洗ってるのかわからない勢いで全身の汚れを落とした。文字通り丸洗い。身体もひとしきり洗い終え、あとは泡を流すだけ──ここでタイムアップ。本当に23:00ぴったりに水が止まった。シャワーがゆっくりと止まっていく様はさながら走馬灯のようで。行かないで......(?)
「こういうのって案外時間ズレるから」そうやってたかを括っていたのが要因となり、妖怪モコモコ泡男が浴室に取り残されてしまった。小さな声で呟いた「助けて」が排水溝に吸い込まれていく。僕が一体何をしたっていうんだ。
わずかだが浴槽にお湯を溜められたものの、風呂桶のような気の利いたアイテムもないので、タオルにお湯を含ませて絞るという手間しかない方法で泡を流した。修行僧みたいだ。お湯もぬるまってきて寒い、裸だし。
お風呂は完了したが、歯磨きをするための水がない! 絶望。自販機までわざわざ水を買いに行った。図らずとも「ミネラルウォーターでうがいをする」の実績を解除した。トイレもいけないので今日はもう寝る。
今日の良かったこと
このままだと絶望日記すぎるため、今日の良かったものを記録することで中和する。