社労士のお仕事⑧ 執筆
鹿児島で社労士をしています原田です。
社労士のお仕事いろいろの第8弾です。
第1段はこちら↓
社労士の執筆活動についてです。
社労士は労働法や社会保険法の専門家だけでなく、人事労務コンサルタント的なポジションにいる方も非常に多いため、執筆活動についても幅広く展開されている方がたくさんいらっしゃいます。
執筆内容も、
・社労士受験対策関係
・法改正や新法に関するもの
・法令のひとつを取り出して詳細に解説するもの
・助成金に関するもの
・採用に関するもの
・賃金制度に関するもの
・労働問題に関するもの
・手続きに関するもの
が代表的でしょう。それぞれにも濃い内容が満載なので、ネタに困るようなことにはなりませんが、書籍や解説で発表する場合は、非常にシビアな目にさらされるので、思ったよりも神経をすり減らす場合もあります。
Webで執筆
このNoteもそうですが、ブログやツイートも同じです。書き続けていると書籍や別のWeb記事等の執筆依頼が来たりします。
ということで、書き続けることになるのですが、Webの執筆と書籍の執筆は書き方が異なるので、注意が必要です。
また、Webに書くということは、時にバズったりする可能性もあります。いい意味でバズるのはいいですが、単なる炎上になると目もあてられません。数年前にあまりにも不謹慎なことを書いて大炎上。結果倫理規定違反で資格停止処分になった先生がいました。(他県に事務所を移設して再開されたようです)
不謹慎でなくても、Webでは「些細な間違い」に非常に敏感です。特に社労士の記事は社労士がチェックしていることが多く、「イメージはだいたいこんな感じです」と書いても、「例外がある」「正しくはそうではない」「間違ったことを書くべきではない」と指摘を受けたりします。
例えば法改正に関する記事であれば、かなりの高いレベルで正しく記載しているのは、厚労省HPのパンフレットだったりします。正しく書くから意味が分からないケースもあるので、ざっくり簡略化すると、社労士のネット民は、あまり許してくれません。
過激な発言をするなら、クローズの場で行うことをお勧めします。
Kindleで執筆
「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング」というサービスがあり、無料で出版が可能なサービスがあります。
こうしたサービスを使うことで、初期費用無料で出版が可能になります。
一昔前には、自費出版のお誘いが来て、数十万~数百万の費用を取られる話があったので、要注意の出版の世界でしたが、これなら費用をかけずに出版の道に進めます。
いわゆる商業出版と異なり、この形式は基本的に本が本屋に並ぶことはありませんし、商業出版のような構成やデザイナーもいないので、やはりレベルは多少低くなります。
商業出版で執筆
売り込んだり、出版社からの依頼で本を執筆するパターンです。
当たり前に文字を書くことが常態化していないような方にお話しは来ないのですが、ブログやNoteをせっせと書いていても、そう簡単に話は来ません。
商業出版は売れることが重要なので、タイトル設定やイラストや構成等の助言がもらえますし、内容のチェックもあるていどもらえます。その分手元に入る金額は減りますが、一般的には商業出版して初めて「本を出している人」として認識されるでしょう。
出版社と仲介してくれる業者さんもいます。但し、ちゃんとしたネタが無ければ、仲介業者さんも暇では無いので、相手にしてもらえません。きちんとした原稿を作成して持ち込むという当たり前の手段です。
執筆ネタを探そう
「社労士」と銘打って何かを執筆したいなら、人事労務や年金、社会保険関係の話の方がやはり効果はあります。「社労士が書いたお薦めアプリゲーム100選」とか書いても、業界内では面白いかもしれませんが、この社労士は仕事をしていないイメージがつくだけで本を売るインセンティブは働きません。
逆に人事労務や社会保険なら何でもありなので、本やさん(ブックオフでもいい)に並んでるタイトルや厚労省の発表していることが全てネタの宝庫です(但し中身やタイトルをパクってはいけません)。
と解説しながら、寄稿やプチ炎上は経験済みですが、本は出していないので、出版に関する部分は聞いた話です。社労士的にネタを無限に探すことは可能ですが、ネタがあることと記事を書けることは違います。
自分の得意な範囲で執筆できればいいのですが、どうしても執筆がしたい気持ちが強すぎると、不得意分野まで依頼を受けてしまい、大変な思いをすることもあります。魅力な仕事ですが、楽な仕事ではないことをしっかりと把握して取り組むものだと思います。