3.試合当日に頭痛。あなたは鎮痛薬を服用しますか?
ハイ、どうも😊
SPヤマトの中高生にもわかりやすいアンチ・ドーピング講座にようこそ!
1年間かけて準備してきた全国大会予選当日。気圧の関係か、緊張のための睡眠不足か・・・
こんな日に限って体調が悪い。あなたならどうやって対応しますか?
気合いで治す!という猛者もいるでしょうが、薬に頼りたくなるのが人情というもの。
そういえば、昨年先輩も同じ症状で試合当日「バファリン」を服用した後、痛みがとれて大活躍していたことを思い出したあなた。
あなたも、「バファリン」を服用して今日の試合に出場しますか?
ここ重要↓
今回は「バファリン」を例にお話ししますが、「イブ」でも「ノーシン」でも「セデス」でも「リングル」でも、もちろんその他の鎮痛薬でも、どれも同じことが言えますので、「バファリン」だけが特別ではありませんのでお間違えの無いようにお願いします。
さて、話をもどして上の設問ですが、解答を出す前に「SPヤマト」には2点気にかかる箇所があります。
まず、先輩が薬を服用したのが昨年だということ。
あなたは気が付きましたか。
「アンチ・ドーピング」のルールは毎年改定されていましたね。昨年は禁止されていなかったとしても、今年の禁止物質には該当しているかもしれません。
あなたが薬を服用するかしないかを判断するときは、最新の情報で安全を確かめた後にしてください。
次に、「バファリン」という名前ですが・・・
実は世の中に単純に「バファリン」という名前の商品は存在しません。「バファリン○○」や「バファリン××」とか「△△バファリン・・・」みたいに必ず「バファリン」という単語の前後どちらかか、前後両方に他の言葉や記号が付いています。
例えば「バファリンA」という解熱鎮痛薬は、主成分が「アスピリン」という成分の15歳以上の人が使える薬で、この「A」というのは一説によると大人:adultの「A」だといわれています。
次に「小児用バファリンチュアブル」という解熱鎮痛薬ですが、こちらは主成分が「アセトアミノフェン」という成分で、15歳未満の人が水なしでも飲める薬ということになります。
3番目に紹介するのは「バファリンジュニアかぜ薬a」という子ども用の風邪薬で「アセトアミノフェン」という解熱鎮痛成分以外に合計6種類の有効成分が含まれています。
5歳から15歳未満の人が服用することができますが、なんとその有効成分の一つである「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」という成分が禁止薬物に指定されているのです。
このように「バファリン」という名前が付く薬は、市販薬だけでも10種類以上存在しています。また、実は病院や調剤薬局でもらう処方薬にも「バファリン」という名前が付く薬があるので、設問の中にある、先輩が飲んだ「バファリン」という名前の薬という情報だけでは、その薬を飲んでも大丈夫かどうかを判断できないということになります。
また、太字にあるように「バファリンA」の主成分は「アスピリン」、「小児用バファリンチュアブル」と「バファリンジュニアかぜ薬a」の主成分が「アセトアミノフェン」というように、おなじ「バファリン」という名前の薬でも、商品名が異なれば含まれている成分まで違っていることになります。
このほかにも「バファリン」という名前がつく商品がたくさん存在しています。
代表的なものだけですが、「バファリンA」「バファリンプレミアム」「バファリンEX」「バファリンルナi」「バファリンルナJ」「小児用バファリンCⅡ」「小児用バファリンチュアブル」など、ここに挙げたものは「アンチ・ドーピング」のルール違反にならずに競技会当日でも服薬可能なものです。
しかし生後3か月から服用できるシロップ「キッズバファリンかぜシロップS・P」や5歳以上の子ども用風邪薬「バファリンジュニアかぜ薬a」などは競技会当日に服用すると「ドーピング違反」になる成分が含まれていますので注意が必要です。
大人用の「バファリンA」が「ドーピング違反」にならず競技会当日も服用可能なのに、反対にキッズ用やジュニア用に禁止成分が含まれていて競技会当日に服用できないなんて意外ではありませんか。
このように「アンチ・ドーピング」のルールはとても複雑です。
おそらく大丈夫だろうだとか、以前は大丈夫だったので今回も大丈夫だろうというのは大変危険です。
薬を使用する前に必ず禁止物質が含まれているかどうかを確認しましょう。
万一、自分で判断できない場合はお近くのスポーツファーマシストにご相談ください。
※本欄で紹介しているデータは令和4年6月現在の内容です。
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