18.アンチ・ドーピング:簡単に薬の使用可否を調べられる Global-DROを使いこなす
「頭が痛い」、「おなかが痛~い」、
でも、「どんな薬を飲んだらいいのかわからなからな~い」
なんて中高生の悲鳴が「SPヤマト」に聞こえてくるような気がしています。
これが「SPヤマト」の加齢による幻聴だったらいいのですが、実際のアスリートの悩みだとしたら、解決しないわけにはいきません。
「アンチ・ドーピング」のルールで、使えない薬があるのはわかっているけど、安心して使える薬を調べるのに苦労しているという声は、アスリートや指導者の方から大変多く頂戴しています。
そんな時、役に立つのが、以前にも紹介した
JSPO(公益財団法人日本スポーツ協会)が毎年発行している
『アンチ・ドーピング使用可能薬リスト』です。
アンチ・ドーピング志納可能薬リスト2022年版はこちらから⇒
https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/supoken/doc/anti_doping/anti-doping-med-list_2022.pdf
しかし、この表もある程度、薬に関する知識がないと調べるのに苦労したり、わかりにくかったりと決して万能という訳ではありません。
そこで今回は、いつでも、どこでも、365日・24時間・世界中から使用可能で、気軽に薬の商品や成分に禁止物質が含まれているかどうかを判断できるツールである
Global DRO:正式にはGlobal Drug Reference Online というサイトをご紹介します。
グローバルDRO(日本版) https://globaldro.com/JP/search
このサイトは、日本をはじめ、アメリカ、カナダ、イギリス、スイス、オーストラリア、そしてニュージーランドの7カ国の協力により、運営されています。
日本版である、Global DRO JAPANサイトは、もちろん世界アンチ・ドーピング規程禁止表国際基準に対応しています。
成分名や商品名での検索が可能であり、禁止物質・禁止方法か否かおよび投与経路について検索結果が表示され、結果をメール送信やPDFで保存することなどが可能です。
PC、スマートフォン等のモバイル端末の両方に対応しています。
ただ、Global DRO JAPANサイトでは、すべての商品や成分が掲載されているわけではありません。掲載数については、今後順次増加されることが予定されています。
Global DRO JAPANサイトで検索した結果「禁止されていない」と表示された場合は、問題なく服用することができます。
しかし、「禁止」、「条件付き」や「警告」が表示された場合は、必ずその指示を確認して「ドーピング違反」とならないように回避行動する必要があります。
また、「検索したい成分や商品が見つかりません」などと表示され、検索結果が見つからないことがあります。これは、検索した成分が禁止されていないということではありませんので注意が必要です。
このように商品名を検索した際に、結果が表示されない場合は、添付文書に記載されている成分名を入力の上、再度検索を行ってください。
ただ、残念なことに同じ物質でも表現方法の違いで検索出来たりできなかったりすることがあります。
例えばグローバルDROで、解熱鎮痛剤のアスピリンという成分を検索すると検索可能ですが、アスピリンの別名でアセチルサリチル酸という名前を入力すると検索できないといった不具合があります。
さらに、Global DROには、栄養補助食品・サプリメントに関する情報又は栄養補助食品に適用される情報は含まれていません。
最後に、海外でも活躍するアスリートに注意してほしいことがあります。
市場において販売されている商品は、各国によって販売のための法律や基準および規制があります。
同じ商品名でも販売されている国によっては、含有されている成分が同じとは限りません。また、一カ国で掲載されている薬品が、他の国において購入可能だとは限りません。
Global DRO内で購入国を選択し検索した結果は、選択した国において利用可能な薬品を反映していますので、ご注意ください。
『アンチ・ドーピング使用可能薬リスト』でも『Global DRO』でもわからない、薬に関するお問い合わせは下記をご利用ください。
公認スポーツファーマシスト
http://www3.playtruejapan.org/sports-pharmacist/search.php
都道府県薬剤師会ホットライン
http://www.playtruejapan.org/medicine/hotline/
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