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そんな“専用”必要!?でもやっぱり気になって買ってしまった白湯専用マグカップ

最近ではコンビニにもペットボトルの「白湯」が並んでいます。それだけ白湯を愛飲している人がいるということでしょう。白湯は、水を沸騰させた後、60℃程度に冷まして飲みやすくしたものです。

サーモスの『冬の水分補給に関する調査』の結果によると、特に若年層で白湯が愛飲されていて、20代男性の50%、女性の43%が週に1回以上は白湯を飲んでいるそうです。

そんな中、Sprocketのデザイナー・古谷さん(30代女性)が出会ったのが「白湯専用マグカップ」。見つけたときは「白湯専用って!w」とツッコミながらも、結局は自分用に購入していました。

古谷さんの買い物エピソード「かいものがたり」から、ニッチなアイテムがどのように市場に受け入れられているかを探ります。

※この記事は、特定の商品・サービス・店舗を推薦あるいは批判する主旨のものではありません。


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技術の無駄遣いに惹かれて

我が家は夫と子ども2人の4人家族です。1年ほど前に白湯はダイエットに良いということをInstagramで見かけて、それから飲むようになりました。家族で白湯を飲んでいるのは私だけです。

特別飲み方にこだわりがあるわけじゃありませんが、水道水を一度沸騰させて、そのままだと熱いのでミネラルウォーターを加えて適温にしていました。

残念ながらダイエットは成功していないんですが、白湯を飲むこと自体は習慣化しています。リモートワークで日中も自宅で仕事をしているため、普段の飲み物として定着しています。

そんな時に見つけたのが「白湯専用マグカップ」。見つけたというか、前に利用したことのある楽天のインテリアショップから送られてきたメルマガで紹介されていました。

メルマガで見た瞬間に「白湯専用ってなんやねんw」と気になって、商品ページに飛びました。オンドゾーン(ON°CZONE)というところの白湯専科マグカップという商品で、沸騰したお湯が飲みやすい温度まで素早く冷めて、その後は適温で長く保温されるというものでした。その一点突破の技術の無駄遣い感に惹かれましたね。

白湯専用(白湯専科)マグカップの構造
白湯専用(白湯専科)マグカップの構造(画像:ON°CZONE|ドウシシャ

とはいえ、その時は買わず、とりあえずお気に入りに追加しておきました。衝動買いするのもなんですし、楽天はいろんなキャンペーンをやっているので、その時期まで待ってもう一度考えようと思ってのことでした。

顧客体験の改善ポイント:
一旦立ち止まって考えたい顧客に向けて、お気に入りに登録にスムーズに誘導する。

他のショップとは比較せずに安心感を重視

白湯は普通の陶器のマグカップで飲んでいました。毎年、スタバで干支のマグカップを買っているので、それを愛用しています。

私が飲んでいると、2歳になる下の子が真似をしたがります。なので、陶器のカップだといつか割れちゃうんじゃないかとハラハラしていました。

楽天でお買い物マラソンが始まったので、他の買い物がてら白湯専用マグカップのことも思い出しました。

割れないカップが欲しいと思っていたこともあり、買ってみることにしました。値段も3,000円程度とそれほど高いわけでもないので、他のショップと見比べずにお気に入り登録していたショップでそのまま購入しました。

前に使ったことがあるショップだったので安心感があるということもあります。楽天に出店しているショップのなかにはちょっと怪しいなと感じるところもあるためです。

顧客体験の改善ポイント:
初めて使うショップでは安心・信頼感が重要。気がかかりになりそうな点を先回りして不安を解消することがポイント。

さすが専用と言ってるだけのことはあった

白湯専用マグカップの機能には偽りなく、実際に熱湯がすぐに飲める温度になって適温がキープされています。

ミネラルウォーターで割っていたときは、入れすぎてぬるくなっちゃうこともありましたが、それもなくなりました。ミネラルウォーターを使う量も減ったので、予想以上にお得な買い物ができました。

商品ページには白湯以外での活用法も紹介されていましたが、そういうのは試していません。白湯だったら1日中おかわりを注いで使っちゃいますが、味のついたものを入れると毎回洗わなければならないので…。まさに白湯専用です(笑)。

白湯専用(白湯専科)マグカップ

商品には満足していますが、人に勧めることはないですね。なんたって白湯専用なので、普段から白湯を飲んでいるってわかればおすすめですが、そうでない人にいきなり「これ良いよ」というものではないので(笑)。

顧客体験の改善ポイント:
せっかく製品に満足してもらえたなら、その良さをシェアしてもらうことはできないか?レビューの促進やSNS投稿を呼びかける仕組みを考える。


必要な人に必要な情報をどう届けるか

白湯専用マグカップを出している株式会社ドウシシャのオンドゾーン(ON°CZONE)というブランドは、その名の通り温度にこだわったカップやタンブラーを展開しています。

例えば氷点下ビールを実現する商品や、ユニークなところだと「猫舌専用」と銘打った商品もあります。

機能がターゲットに直結し、何を実現できるものか明確なシリーズ展開です。ターゲット層が狭いため、いかにそれを必要とする人に商品を知ってもらうかは工夫が必要でしょう。

白湯専用マグカップの公式サイトでは、「#白湯専科マグカップ」のついたInstagram投稿をまとめて埋め込み、コンテンツ化しています。

白湯専用マグカップの公式サイトのインスタ投稿埋め込み
公式サイトではインスタ投稿を埋め込んでコンテンツ化(画像:ON°CZONE|ドウシシャ

冒頭で紹介した調査も、実施したのは魔法瓶で有名なサーモス。白湯のニーズが高まっていることを調査結果という数字で表すことで市場を盛り上げ、間接的にサーモスの製品に関心を寄せてもらうことができるかもしれません。

商品を必要とする人が、どういったところから情報をキャッチしているかを考えることで、新たな打ち手のアイデアが生まれてきそうです。

執筆:スプ論編集部


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