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シャイニングとローズマリーの赤ちゃんと髪の毛の絨毯

今日はいつもの散歩道で、雪柳の芽が少し膨らみかけているのを見つけました。

静かに、着々と、
春が来る準備をしているのだな…

誰が見たり世話するわけでもなく
誰かが褒めてくれるわけでもないのに
冬にはじっと葉を落とし枝だけになり
春には息吹はじめる。

自分自身でいることが喜びなのかな?
自然はすごいなと思います。

そんなことを考えながら歩いていました。

そして、一昨日キューブリック監督の
『ロリータ』を観て、今ナボコフの『ロリータ』を読んでいることもあり、

キューブリック監督の作品のことを
歩きながら考えていました。

❄️❄️❄️

『シャイニング』はホロコーストのことを描いている。そして、虐殺され(インディアン)虐げられた人々の苦しみを描いている。
なにより子どものことを描いている。

それから、『シャイニング』より怖いと聞いてたまたま観たロマン・ポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』
これは一見、悪魔崇拝する結社の話ですが、ホロコーストの話でもあったのです。

ポランスキー監督のお母さんは、お腹に赤ちゃんがいたのに、強制収容所で命を落としてしまいます。

この事実は重いです。

『ローズマリーの赤ちゃん』ほんとに、
すみずみまで怖いです。
家族や隣人や、医者が信じられない。
注射や薬で反抗できないようにされ監禁される。。
(このことがホロコーストの歴史の暗示)


ローズマリーが赤ちゃんの命を守ろうと必死で逃げる話です。

シャイニングのお母さんの感じた恐怖
ローズ・マリーの感じた恐怖は、
追われ、子どもを奪われ、虐げられた人々の恐怖なんだと思います。

どれだけ怖かっただろう
どれだけ無念だったろう…

もう、もの言えぬ人々の声
過去からの声…

そういう想いの込められた作品だと思いました。

❄️❄️❄️

『過去の声か聞こえる』という特殊能力を
持っていたのが、シャイニングのダニー坊やと助けに来てくれた黒人です。

過去からの声が聞こえたことにより、ダニー
は助かりました。

過去にその場で
何があったか(ホテルでの殺人)を知ったことにより、危機を予知できて助かった。

これが
映画のタイトルにもなってますが
輝き=シャイニング
という知性なんです。


過去を知り、未来を予知するという知性です。

過去を深く知れば、同じ過ちを回避できる。
どれ程悲惨だったか直視すれば、人間は過去とは違う選択をしていけるはずなのだと。

これがキューブリック監督のメッセージではないかなと、私は感じています。

憲法学者の樋口陽一先生の書斎に、
『温故知新』と書が掛けられていたのを
見たんです✨

素敵だし凄いなと蔵書をみて思いました。

やはり過去を知ることは大事なんだなと。

❄️❄️❄️

シャイニングで、過去は覆い隠されています。

過去は、時々チラチラと現れる過去の亡霊だけです。


そんな亡霊に気がつくひとは実は稀です。

シャイニングのお母さんは、危機に眠りこけてしまいます。これが象徴的なシーンです。


❄️❄️❄️

シャイニング、ローズマリーの赤ちゃんからホロコーストを考えていて、三島由紀夫の『美しい星』を読み、皮のランプシェードを知りました。そこからアウシュビッツの髪の毛の絨毯の存在にたどり着きました。


悪は繰り返し、たち現れる。


(これもシャイニングの最後のシーンから
キューブリック監督のメッセージだと感じたことです。)


ガザ侵攻が起きてしまいました。
ヒューマンアニマル という
にわかには信じがたい差別的な言葉が
聞こえてきました。

絶望したければいくらでも絶望できる世の中だけれど…

中には、危機に気がついて、命をがけで深い愛を持って教えてくれる人がいる。支えてくれる人がいる。

そういう人の遺してくれた作品や言葉を
大事に受けとるしかないな…と

スピリットを受けとる
スピリットを受け継ぐ

ということかなと。

自分なりに…

歩きながら考えていました。

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