②HSPの人が学校で働いて苦労してしまう理由。
今日元同僚の先生とメッセージをやり取りしていてHSP(HSC)のことを話してみたら、「確かに生徒にそういう子いるなあ〜」とのことでした。良い子でうまくやってるっぽいのなぜか不登校。そういう特性があるんだ、なるほどね!と。教育現場ではまだまだHSC知られていないです。今日はどうしてHSP教員は苦労してしまうのか、ということについてざっと書きます。1つ1つの項目について詳しく書く時間がないので、また追記します。
1.相手しなくてはいけない職員・生徒・保護者の層が幅広い
コミュニケーションで疲弊するというのはHSPあるあるだと思いますが、学校におけるコミュニケーションはHSPにとってより過酷です。ざっくり言うと、教員は相手を選べません。どんな生徒でも、どんな保護者でも、誠意を持って接するのが教員の仕事における要です。生徒は未熟な子供ですから口を開けば理不尽を振りかざしてきます。それが子供というもの。でも理不尽に対し、HSPは真っ向から受け止めてしまうために思いっきりダメージを食らってしまいます。私は1年目に、いじめられていた子の味方になったと思われて、いじめっ子集団から無視されたことがあります。いじめを受けている子ってこんなにつらいんだ・・!と勉強になりましたが、やはり受け流せなかったです。(でも真っ向から対応したことで後々事態は好転しました)
そして、けっこう大変なのが「いろんな職員」とのコミュニケーションです。職員室は教室に負けず劣らずいろんな人がいて、仕事だから関わらないといけない。いつもイライラしていて怖いな、威圧的で嫌だな、嫌味っぽくてきらいだーと思っても避けられないのがつらかったです。HSPは似たもの同士で集まるのがいちばんほっとするようです。職員室はHSPにとってはちょっと雑然としすぎているのですね。
2.集団をいっぺんに相手しないといけない
外界からの刺激を非HSPの10〜100倍受けていると言われているHSP。相手の意図を汲み取ったり、マンツーマンのコミュニケーションは得意な人が多いです。ただ、日本の学校は変わってきたとはいえ、まだ一斉授業が主で、集団(クラス)に対して話をしたり授業をしないといけません。しゃべっている子やつまらなそうにしている子がいたらもちろんキャッチするし、ぼそっと「つまんねー」なんて言われた日にはもう授業の進行に集中できません。そういう子がいたら「自分の授業が下手なのではないか」など自分を責める材料にしてしまうのです。集団の中にはいろんな子がいて、授業に集中しづらい子がいても当然。(子供ですから!)でもそれを受け流せない・・。いろんな子がいる、授業を楽しみにしてくれてる子もいる、とわかっていてもその「ちょっと反抗的な子」に気をとられがちになります。集団をいっぺんに相手する、というのは慣れるまではHSPには難しいように思います。
3.マルチタスクが苦手
クラス、授業、部活、それに加えて給食担当、教科書担当、はたまた学年主任など、校務分掌がついてくるのが日本の教員の現状です。さらに行事の担当なんて任されたら、もう両手でも足りないくらいの仕事を同時進行させていくことになります。先程も書きましたが「深い処理」をしたり、細かいことに気づいて完璧に仕事をしたいと思ってしまったりするのがHSPです。複数のタスクはすぐにキャパオーバーになってしまいます。「適当でいいんだよ!」と私も何度言われたことでしょう。任されたことをきちんとやろう、期待に応えようとしてオーバーワークになってしまいます。
4.競争を煽るような指導が苦手
小学校や高校はそうでもないのかな、と思いますが、私が勤めた中学校はやたらクラス間で競わせる雰囲気がありました。体育祭や合唱コンクールはもちろん、小テストの点数、遅刻者の数・・なんと募金のクラスごとの金額なんかも張り出されていたことがありました。学校を一つの方向にまとめるための策だったのだろうとは思うのですが、私はまったく興味が持てませんでした。それでも生徒には指導しないといけません。(学年主任からの圧があります)興味のないことを指導するのは、常に教育の本質を追求したいと思っていた私にとっては苦痛でしかありませんでした。(HSPによくある本質追求思考というそうです)
5.長い勤務時間・体力的な問題
公立中学校ではだいたい7時半くらいに出勤していました。朝練のある部活の顧問になると7時です。退勤時間は18時だとかなり早い、20時でもまだ学年会議ができるくらい人がいる、22時もざら、年に何度かは日付をまたぐ・・・そんな雰囲気でした。育休明けはさすがに保育園の迎えにいける時間に退勤していましたが。授業は1時間目から6時間目までほぼ詰まっています。授業後も清掃指導、部活、下校指導、と続き、今日座ったのは給食食べてた5分だけ、のような毎日です。書いていてちょっと具合が悪くなるくらいの忙しさです。しかも家に帰ったら授業準備もあります。完全に仕事のための人生でした。この生活は1年でギブしました。息子3歳のとき。夫も忙しかったのでワンオペ育児でした。正直、記憶がありません(笑)。HSPは常に全方向にアンテナを張り巡らし、また仕事を失敗できないという思いも強いのでとても疲れやすいです。知り合いのHSPさんはみんな8時間睡眠+お昼寝必須と口を揃えて言います(笑)。公立中の長い勤務時間は、とてもではないけど無理でした。
他にもまだまだ「HSPが学校で働くと特に過酷になる理由」は挙げられると思います。ただ、校種や働き方によってはかなり「過酷要因」が少なかったりしますので、そのへんを次次回あたりに書きたいなと思います。では。
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