せっかくの休みという過ごし方を辞め、いつものミートソースを愛でたあの日
休日の過ごし方 って聞かれると
どんな過ごし方を 想像するだろうか
ハレとケ と 言われるように
休日は ハレの日の イメージだった
平日 時間に追われ
できないことを やる
それが 頭にある
理想の 休日の過ごし方だった
*
先日 休みがあった
貴重な 時間
どのように 過ごせばいいのか
夜な夜な 考えていた
食べるのが 好きだから
普段は いけない
お店に 行ってみよう
ハンバーグなら
銀座の 数寄屋バーグ
新宿三丁目の ハンバーグウィル
駒込の グリルK
いや ここはパンケーキだろう
大山の ピノキオ
戸越銀座の ペドラブランカ
湯島の ミジンコ
どこにしようか 迷いながら
その日を 迎えた
*
しかしながら 酷暑
とにかく 暑い
移動するのも 困難だ
行き帰りは 時間もかかる
そこまで 足を伸ばして
満たされるの だろうが
気持ちが 揺らぐ
せっかくの 休みだから と
頭が 叫んでいる
今日行かないと 行けないよ
なるほど 確かにその通りだ
頭の言うことは 正しい
正しい のだけれど
ほんとうに それでいいのだろうか
気持ちが 乗っていないことに
気がついていた 僕は
地元の店に 行くことにした
*
自転車に乗って 10分くらい
迷っていた店と 比較すると
はるかに 短い時間
ドアを開けて 店内に入る
はい 一名です
テーブルに 案内された
メニューは 多いが
頼むものは 決まっている
ナスのミートソース と
グリーンサラダ
お店の 混み具合は そこそこ
オーダーが通り
ゆっくりと 料理が 届くのを待つ
冷たい水を 飲みながら
穏やかな 時間が流れる
ドキドキすることは ない
知っている店 知っている味
ただ 満たされることに 対して
十分な 期待がある
あぁ そうだな
欲しいのは こういう時間だったな
マスタードソースが かかった
サラダを 食べる
美味しい
派手さは 必要ない
そこにあるものを 愛でればいい
運ばれてきた ミートソースは
なんだか いつもより 美味しい気がした
*
ふりかえれば
休みらしいこと を したい
と 思った時の 休みらしさ は
派手なものだった
しかし それが欲しいものだったか
派手なものは 刺激がある
刺激があると言うことは 負荷がある
確かに それを楽しむこともできるだろう
体験したい時も ある
ただ そうでない
時間の使い方も ある
そうでない
満たし方も ある
自分が 欲しいのは
どの時間なのか
この 日常の愛でかたを
もうすこし 深めたいと思った