デザイナーの逸品-06.スケッチブック
Moleskine 「Sketchbook A5」
スケッチブック/イタリア
デザイナーのつぼたです。この「デザイナーの逸品」で紹介するものは、デザイナーの日用品のような手軽ではないものばかりかもしれません。だけど、その価格に見合った価値がある!これは素晴らしい製品だ!一生使いたい!と感じた商品を紹介していきたいと思います。ちなみに、私が欲しくなるものは以下の5つの条件をクリアしていることが多いです。
1、シンプルであること
2、美しいと感じること
3、機能がしっかりしていること
4、持っている人があまり多くないこと
5、流行に左右されず、時代に対する耐久性が高いこと
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こんにちは。みなさんは最近手で文字や絵を描いていますでしょうか。スマホやパソコンで書く/描くのと、手で書く/描くのでは脳の働きが異なるそうです。細かい話はnote「パソコンでの思考 vs 手書きでの思考」に書いておりますので興味のある方は読んでみてください。ざっくり説明すると、手描きの方が脳が働くということが分かった、という内容です。
私は手描きを習慣化するため、ずっとスケッチブックを探していました。最初は「気軽に気負わずに描ける」という理由で裏紙を使用していました。ですが外で描いたりするには不恰好だ、と感じて使用感と外観の両方を満たすスケッチブックを探すことにしました。
A4用紙に書いたり、「Campus(キャンパス)」や「RHODIA(ロディア)」、「Mnemosyne(ニーモシネ)」を使ったり色々試してきました。そんな私が行き着いたのがMoleskine(モレスキン)の「Sketchbook A5」です。決め手は以下の4つでした。
・バッグの中でページが広がらないこと
・ハードカバーであること(膝の上でも描ける/角が折れない)
・外観がシンプルであること
・罫線がないこと
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モレスキンの歴史
オリジナルのモレスキンは19世紀後半、フランス・トゥールの製本業者によって手工業で作られました。パリの文房具屋で販売され、ゴッホ、ピカソといった多くの有名人が使用していました。イギリスの紀行作家ブルース・チャトウィンはモレスキンユーザーの一人であり、彼の作品にもよく登場します。チャトウィンは、パリで買った小さな黒いオイルスキンカバーのノートを「モレスキン」と呼び、著書『ソングライン』にも書いています。
オリジナルの生産は1986年に終了し、長らく入手不可能でしたが、1998年に復刻され、現在はモレスキン社によって販売されています。オリジナルの『モレスキン』と、モレスキン社のものは同一ではありませんが、現在でも人気は根強く、幅広く使用されています。
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デザイン
売られている状態ではパッケージのラベルの色で何の商品かが分かります。スケッチブックのラベルは薄紫色です。
モレスキンは外観は非常にシンプルながら、ゴムバンドによってモレスキンであることがひと目で分かります。シンプルかつサイズ感も丁度良いので持ち歩きやすいです。
ハードカバーであるため、屋内でも屋外でも、場所を選ばずドローイングやスケッチができます。私はカフェのスツールに座り、膝の上にモレスキンを置いて描くことも多々あります。また、180°フラットに開くので、非常に描きやすいです。
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使い方
私のデザインの基礎になる考え方を学んだと言っても過言ではない書籍『FILING:混沌のマネージメント』にこんなことが書いてあります。
このノイズがクリエイティブに影響を与えるということを考え方により、私はすべてのアイデアをページを分けることなく描いています。ロゴのアイデアの横にプロダクトを。そのまた横にポスターのアイデアを描くと言った具合です。見てみるとそれはまさに混沌とした状態です。(自分にとって)分かりやすく描こうとはしますが、上手く描こうとはせずに気楽に描くようにしています。
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使用感
モレスキンのスケッチブックには、高品質のスケッチ用上質紙が使用されているため、消しゴムの摩擦にも強く、さまざまな画材を使うことができます。更には紙の厚みも165 g/m²あるらしく、裏に透けることもありません。
モレスキンはサイズがいくつかありますが、私は「A5」を使用しています。持ち歩きやすく、スケッチも1ページにいくつも描くことができますし、A5サイズは開くとA4サイズになるため、ちょうど良いなと感じます。少々値がはるもののこれを超えるスケッチブックは出会えないんじゃないかと感じるため、私のオフィスにはこのスケッチブックの背表紙がどんどん増えていくでしょう。
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まとめ
ブランド:Moleskine
製品名 :ART COLLECTION「Sketchbook A5」
デザイン:???
発売発表:???
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SPOT DESIGN 坪田将知
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