今週のリフレクション【チームレジリエンス(池田めぐみ氏・安斎勇樹氏)】
今週は、池田めぐみさん・安斎勇樹さん共著「チームレジリエンス」を振り返ります。ざっくり3点で要約すると・・
1.困難とは、個人やチームの存在価値・信念・目標達成を脅かすストレス要因。チームが乗り越えるべき困難は、急性的・慢性的×外的要因・内的要因のマトリクスで整理できる。VUCAの不確実性にリソース不足が拍車をかけ、自分の意思と感情に向き合えなくなったチームは、互いの関係性を悪化させ、内的な困難を増幅させる。これが悪循環のメカニズム。レジリエンスの土台となるチーム基礎力は、①チームの一体感、②心理的安全性、③適度な自信、④状況に適応する力、⑤ポジティブな風土。
2.レジリエンスは回復だけでなく、困難を契機とした成長も含む概念。チームレジリエンスとは、チームが困難から回復したり、成長したりするための能力やプロセス。①課題を定めて対処する。解決可能な課題に落とし込み、問題でなく課題を定義し、目標をビジョン・成果目標・プロセス目標で整理し、専門性・チームの変化のどちらが必要か吟味し、緩和課題・根治課題に分解する。レジリエンス戦略は、すばやく・ゆっくり×機会を活かす・あしらうのマトリクスで決める。
3.②困難から学ぶ。チーム全員で困難を振り返り、教訓を得る。目的を提示し、良かった点を振り返り、別のアプローチができなかったか考え、前提を疑い、振り返りを習慣化する。③被害を最小化する。早期発見のため、流行り病(リサーチ)から学び、困難サインを察知(パルスサーベイ)する。事前対策として、持病の避難訓練を行い、通常業務の手順化し、外部専門家リストを作成しておくことが大切。攻めのチームは①が優先で、守りのチームは③が優先。
日々の業務をしていると、たくさんの課題にぶつかります。よく、起こっている問題の中から、対応すべき優先順位をつけ、解決すべき課題を洗い出す、という話を聞きます。これはその通りなのですが、実務ではそれでも解決すべき課題が山積みになってしまうという状況があるのがリアルだと思います。
そこで、この書籍にあるフレーム「すばやく・ゆっくり×機会を活かす・あしらうのマトリクス」の出番です。根本解決まで必要なのか?どの程度の時間をかけるべきなのか?そこを見極めながら、課題を振り分けていく感覚は個人的にはしっくりきます。
ただ、そこで難しいのが、専門性で解決できる課題(技術的課題)なのか、チームの変化が必要な課題(適応課題)なのか、の見極めです。個人的には、思ったよりもチームの変化が必要な課題(適応課題)が多い印象です。
チームの変化が必要な適応課題は解決に時間がかかり、根本解決を目指すアプローチになります。自分のチームでの適応課題をどう定義し、そこから派生する技術的課題を減らすがリーダーの腕の見せ所になるのかな?と感じました。