穴に落ちたい
三浦しおん著『好きになってしまいました。』読了
軽いエッセイと侮るなかれ(自分への戒めで言う)
著者のひらめき。
「私はだいたい、一度なにかを好きになったら、いつまでもいつまでも好きだ。ある瞬間、ストンと穴に落ちるように。中略手探りで内部を探索し、一人で喜んでいる。飽きるという感覚があまりないのだと思うp.194」
と同時に穴に落ちないよう足もとに気をつけている、と。落ちたら、永遠だから。
それが経験上、愛するという事だと思っている、と。ココで全ては紹介しないが、読書について少し次のように述べている。
「好悪含め読書で、自らの感受したものを考え続けると、いつか何かに辿りつけるのかもと。」
私はそこに瞠目する。穴に落ちていいんや、と。落ちる=私的にもぐる感覚。
手探りで、穴の深さやそこに生えてる変なものを発見して、ひっくり返し、喜ぶことこそひそかな喜びだと。
2024年師走にグッときた本でした。