『ほんとうの味方のつくりかた』~私が手元に残したい本 2~
松浦弥太郎著.『ほんとうの味方のつくりかた』筑摩書房.2014.
著者は,雑誌「暮らしの手帖」編集長。淡々と飾りない文章はシンプルで,静かな語り口調。ハウツー本と対極にあると私は思う。
うまくいってる人は,困ったことが起きてもよくない方向に行かない流れを
まとっている。それは助けてくれる味方を持っていて守られているから。
1.味方とは
仲間や友達ばかりではない。人が生きていくうえで,是非とも必要なもの。
本書では外側の味方と,内側の味方に分けて詳しく解いている。
1) 外側の味方
に「敵」が入ってること。批判は,厳しい目でチェックしてくれていること。そこへの対応は,「認める」。詳しくは本書を読まれることをおすすめします。
2)内側の味方の選別
ここが興味深い。
内側の味方は何かを考え続けなさいと。答えが出てもずっと考え続ける。
自分なりのユニークさとは何か,を。
味方が9人いるとしたら,自分なりの「ユニークとかユーモラスなもの」。
「ヘン」なもの。「愛嬌」「△」の領域を大事にあたためて表現する。
それが個性であり,ほかの人と違う色合いだから,というくだりに首肯しました。
正しくなくていいんだ,と。ヘンでいいんだと。
あなたの味方に,何をしたら嬉しくおもってもらえるかを考えて行動しなさい,と。
ちょっと脱線:私が考えるユニークさとは
・人や本との関係で,独特の着想・思考を面白いと思えるか。
・いつの間にか知的な遊びになってるか(本と本をテーマで紐づけ,呼応する箇所を見つけるなど)
・知らない領域の思考や本について,なぜ推しなのかを話すうちに相手の語彙や個性や背景が垣間見える瞬間
・何か起きても,よくなかった点だけでなくよい点も,コインの裏表のようにある。捨てる神あれば拾う神あり
2.人は人を探している
いつも探している。
この人と一緒に働きたいか。
探しているということは常にみられているということでもある。
幸運が通り過ぎる瞬間を逃さないためにも,あなたのほんとうの味方をつくり,大切に扱うのがポイント。
3.運と不運
あなたの行動があって,それを見つけてくれるだれかがいて,初めてあなたにチャンスが訪れる。
運不運も同じように均等に現れるから,不運が来てもじっと運が来るのを待ち,運が巡ってきたらつかむ。また,運のいいことが続けば意図的に小さな
失敗やミスをしてでも大きな不運を避けるように,と。
ノウハウでなく,生き方や考えの軸を見直すのにいい本でした。
4. 読書メモを更新
振り返りに残してきたメモの中から,再読したい本・忘れたくない本を少しずつピックアップしていこうと思います。
ちなみに手元に残したい本1は,須賀敦子さんの全集です。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309621104/
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