雑誌中毒者
私の事だ。
英語だとMagazineholic。だいぶかっこいい。
最初は小学館の「てれびくん」から始まって、「コロコロコミック」「コミックボンボン」、小学生になったら「ジャンプ」「マガジン」「サンデー」、中学生になったら「ヤンマガ」「ヤンジャン」と普通の男子が通るコミック雑誌を一通り読んできた。
中学生頃になるとそれにプラスして「HOT DOG PRESS(ホットドッグプレス)」「BOON(ブーン)」「Men’s NONNO(メンズノンノ)」などのティーン向けファッション誌も読むように。
それに飽き足らず「Cutie(キューティー)」「Zipper(ジッパー)」「NONNO(ノンノ)」の10代女子向けの雑誌もこっそり読んでいた。コンビニで周りの目を気にしながら。
アルバイトも今まで一番多いのは本屋。毎日雑誌に囲まれる幸せ。
でも本屋の中で雑誌担当は花形で、毎日入荷される雑誌を担いで腰痛に悩まされる事もあった。
20代になるとコミック雑誌は落ち着き、ある特定の雑誌を好むようになる。
「BRUTUS(ブルータス)」「POPEYE(ポパイ)」のマガジンハウスから出版されているもの。
中でも「Relax(リラックス)」と言う雑誌にハマってしまった。
残念ながら2006年で休刊になってしまったが、毎回一つの特集でカルチャーやブランドなどを紹介しており、特に私が読み始めた1998年頃からは私が住んでいた田舎には届く予定もないような”東京”の文化が細かく紹介されていて当時の田舎者丸出しの私は目をキラキラさせて読んでいた。
「吉田カバン」「NIGO」「SILAS」「Supreme」「KAWS」「メディコムトイ」などの言葉はRelaxで知った文化で、雑誌の中の東京カルチャーはまるでこの世の中に存在しないファンタジーであるかのように当時の私を憧れさせた。
他にも「藤子F不二雄」や「モスバーガー」「フレッシュネスバーガー」「コロコロコミック」「アディダス」のように誰もが知っているような事も特集されていて、そんなところも当時の私にはグッとくるものがあった。
ただし、一般的には購買意欲はそそられなかったようで売り上げは伸びず、休刊・リニューアルを繰り返し2006年で休刊した後は定期出版は中止となっている。
ここでやっと本題に入る。
Relaxのどの号だったかは忘れたが、「ZINE」が数ページ特集された号があった。
その当時はまだニューヨークの一部で流行し始めたぐらいのカルチャーで、知人から譲ってもらったVAIOで友人のイベントのフライヤーをデザインしていた私はZINEの特集を見て「うへぇぇぇぇかっこいぃぃぃぃ」と痺れていた。
もちろんインターネットも発達しておらず、VAIOの使用用途も日中にぽちぽちデザインするか夜中のテレホーダイタイムにオンラインRPGをやるぐらいしかなかった為、情報収集はRelaxの中だけしかなく見よう見まねで訳の分からないZINEを作っていた。しかもバイト先の本屋の複合機を使って。
※以前に「ZINEを作ってみたい」とあたかも今まで作った事がないように書いていたが思い出してみたらこの時点で作っていた。ごめんなさい。
月日は流れて、ZINEの文化は割と定着して、iPhoneのアプリとかでもZINEを作れる時代になった。誰の購買意欲をそそらなくても自分を満足させるような雑誌を作りたいなと思い始めていたのだ。
小さな頃から好き好きで私を虜にさせた雑誌と、日本一になる為に上京までして働いた映画館の組み合わせ。
早く形にしたい。