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#04 - LEICA IIIf
今回は LEICA IIIf を紹介させていただきます。
ライカM3が出る前の「バルナックライカ」です。
インプレッション
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祖父から譲り受けたカメラの中でもひときわオーラを放っていたのがこの LEICA IIIf です。「小さく緻密な機械」という感じ。このカメラでスナップ写真というのは恐れ多すぎて今だ使ったことがないのです。それゆえ上っ面な紹介になり申し訳ありません!
![](https://assets.st-note.com/img/1655387840161-gSVME8byfH.jpg?width=1200)
工業製品なのか工業作品なのか?
現代的な「図面に基づく量産品」ではなく、マイスターによる「作品」なんじゃないかと思えます。初代 IIIf が登場したのは1950年ですが、わたしの IIIf はセルフタイマー付きなので 1954年製、ライカM3が登場した年。この頃は戦後の混乱もひと段落して、材料や表面処理の品質も安定した頃なのかもしれません。
上質な機械感と剛性感、とにかく美しい!
簡単な IIIf の紹介
![](https://assets.st-note.com/img/1655874981546-vAniEaRZXe.jpg?width=1200)
向かって右側の窓が、画角を決めるファインダー。見ての通り小さなのぞき窓なので視認性はあまり良くはありません。(写真では、アクセサリーシューに別売りのビューファインダーを付けています。)
向かって左側の窓が、焦点距離を合わせるときに使うファインダーです。これも小さな窓なので視認性は良いとは言えないのですが、望遠になっているのでかなり正確な距離合わせが可能です。
![](https://assets.st-note.com/img/1655874437977-EMhaQQuasG.jpg?width=1200)
フィルム交換は底の蓋を外して、フィルムの先端を専用の巻き取り軸に差し込んだものを本体に差し込みます。この作業は慣れていないと難しく感じる部分です。裏蓋を開けてフィルム交換するタイプに対して劣る点ではありますが、肉厚の円筒を曲げて本体が作られているおり、開閉式の裏蓋がないので、本体の強度や剛性の面では大きなメリットがあると思います。
歴史を少し紹介
1920年代初頭、インフレに喘ぐ戦敗国ドイツ。それまで顕微鏡や測距器などを作っていたライツ社もその打開策としてスチルカメラ分野への参入を検討。ある技師が個人用に作っていたカメラを製品化し、1925年ライプチヒでの見本市で発表し、用意していた500台がすぐに完売。これが今に至る「ライカ」誕生の物語り。
このときのカメラを設計した技師がオスカー・バルナック。よって、このタイプのライカは「バルナック・ライカ」と呼ばれています。
当時のカメラは、撮った画像を印画紙に直接焼き付けることができる大陸手札判(90X210mm)や大名刺判(90X120mm)などが主流でした。このため、カメラは大型で、気軽に持ち運べるモノとは程遠いものでした。対してバルナック・ライカは、引き伸ばし器の使用を前提に当時映画用として流通していた35mmフィルムの2画面分(24X36mm)を使用。ライカは35mmフィルムを用いた小型精密カメラの先駆として各国に輸出され好評を博します。これに伴い各国のカメラメーカーも、ライカに追いつけ追い越せと同様なカメラの開発を行います。
バルナック・ライカも、レンズ交換可能な『ライカC型』(1930)、連動距離計を搭載した『ライカII型』(1932)などと進化を続けます。
今回紹介するのは『ライカ IIIf』で、1950年に発売開始された、いわばバルナックライカの完成型。
とはいえ、このバルナックライカは、交換に時間のかかるねじ込み式マウントや小さくて見にくい2眼式のファインダーといった弱点もありました。これらを一気に解決したのが1954年に映像総合見本市の『フォトキナ』に登場した『ライカM3』。あまりの完成度の高さ(および、そこから見えてきたレンジファインダーの限界)に日本のカメラメーカーは「追いつけ追い越せ」を諦めて、当時産声を上げたばかりの一眼レフカメラに開発の軸足を移していくことになります。
ライカの歴史はいろんな書籍やWEBでも紹介されていますのでいまさら感はありますが、これも祖父からいただいた「アサヒカメラ1992 12月増刊号」を参考にわたしの理解を少々紹介させていただきました。
M型ライカと比べると
バルナックライカに対し、M型ライカでは多くの改良が加えられ、ずいぶん使いやすくなっているようです。正当な進化なのだと思います。
ところが、今の目で見ると便利なカメラはいくらでもあるわけで、便利さを追求するのであればフィルムカメラの出番はないです。なので「便利さ」という基準をいったんカッコに入れるべきで、そうするとバルナックライカの評価も変わってくるのではないでしょうか?
バルナックライカもいいですよ!
もちろんM型なら、スクリューLマウントもMマウントも使えるのでレンズの選択肢は増えますが…
おわりに
ううーん、ライカの紹介文は難しい…
(実戦で使ってもいないし…)
わたしの IIIf とともにある Summicron 5cm f2 については fp を使っての作例を別記事にしています。