体育は嫌いですか?
保健体育科教師やらせてもらってます。22年目です。ちなみに、保健体育科って中学校にしかないんですよね。高校も小学校も体育。高校は保健は保健科?の先生が担当されていたような。小学校も年間で数時間を保健に充てると聞いたことがある。
逆にいうと、中学校には体育という授業はないんです。便宜上「体育」といってますけどね。大学院で教えているような先生方でも意外と知らない。なぜそんなことになっているのかは知りません。
中学校の体育というと数年前に話題になった「体育嫌い」という言葉。アンケートで「運動(体育)を嫌いになったのはいつからですか?」の答えが「中学校」がほとんどを占めるという結果が出たと言われています。
でも私の経験上、中学校に入学をしてきた時点で体育を嫌っている生徒はけっこうな人数になると思う。明らかにだるそうな顔で授業を受けている。1年間、そんな生徒たちの表情を変えてやろうと思い取り組んだ時期もあるが、やり方が悪かったのかもしれないけどまったく変化がなかった。
こっちのテンションも下がるでー。
現在私が担任している特別支援学級の男子生徒1年Kくんは、1学期の途中から体育の授業をリタイヤした。もう無理って。理由を聞くと、集団行動やラジオ体操の指導が厳しいというのもあるが、一番は「なんでそんなことしないといけないの?」ということだった。
保健体育科の教師は、1学期は特に集団行動とラジオ体操に力を入れる。なんでなんでしょう?22年やってる(厳密には特支担任をしている4年は授業をしていないので18年)けど、理由は変わらないまま。
そもそも、集団行動は文科省からの学習指導要領に記載されていない。だから本当はしないといけないものではないのです。隠すことでもないので書くけど。
私個人的には集団行動もラジオ体操も補強運動も嫌いなので、ほぼしなかった。やっても、知ってるやったことあるくらいの程度。補強運動なんかやっても意味がないと考え、あるときからまったくしなくなった。そしたら私が担当した学年を次年度引き継いだ先輩教師から怒鳴り散らされた。「お前補強やってなかったやろ!」って。当時は自分の頭の中には補強という言葉は存在していなかったので、「はい?」くらいの反応だったことを覚えている。
体育という授業でいまだに軍隊のようなことをしているのは、おそらく戦時中のなごりだろう。世界大戦中は、体育は兵隊を養成する時間だったそうだ。従順な兵隊を作り出すための時間に充てられたらしい。
令和の時代に何を言ってるんだかとお思いだろうが、現実なんです。それをなんの疑いもなく続けている我々もどうなんだという話。そんな授業で誰が体育を好きになるのか。
変わっていかなければならない学校の中でも、一番変わるべきであり、一番変わらなさそうな存在である。