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回し蹴りに失敗するマッツ・ミケルセン/プッシャー〈あらすじ・ネタバレあり〉

2024/11/04鑑賞。71点。
ニコラス・ウィンディング・レフンの監督デビュー作、マッツ・ミケルセンの長編デビュー作として有名な本作は、トリロジーとして製作されるほど人気を博した。
元々は、 レフン自身が主役を演じる短編映画として製作予定だったのは、意外と知られていない。
この作品の残念なところは、2つしか考えられるオチがないことだ。1つ目は、元締めに殺されるオチ。もう1つは恋人に裏切られる or 殺されるオチ。オチの弱さは明らかだが、そこに至るまでの泥臭さは見応えあり。そもそも主人公・フランクは、自分が考えるほど賢くない。彼は凄腕の麻薬密売人(=プッシャー)だと自負しているが、金を回収せずに麻薬を売るなんてあまりにもリスクがある。ジャンキーがオーバードーズで死ねば、金は回収できなくなる。
フランクがジャンキーから舐められているのは明白で、彼が凄んでもほとんどの相手はビビってるだけで金を返す素振りを見せない。フランクは、決してミロにはなれない小物だった。

主人公フランクとその相棒・トニー
トニーを演じるのは、今や世界的スターのマッツ・ミケルセン

〈あらすじ・ネタバレあり〉
デンマーク、コペンハーゲンが舞台。
プッシャーのフランクは、スウェーデン人から「1グラム700クローネ払うから、200グラム分のヘロインを買いたい」と取引を持ちかけられる。

普段は料理好きで穏やかな男だが、誰もが恐れる裏社会の顔役・ミロ

元締め・ミロにヘロインを調達してもらうが、麻薬取引の場に警察が踏み込み、フランクはヘロインを池に捨てる。
1度は逮捕されたものの、フランクは証拠不十分で釈放される。しかし、利子含めて23万クローネの借金をしているフランクからすれば、今回の失敗の埋め合わせをするためにも早急に金の用意をしないといけない。金が用意できなければ、消されるのは確実だ。

支払いの滞っているジャンキーから金を回収するためフランクは、走り回るが期日までに満額用意はできず・・・。

恋人に絶望するヴィクの目が印象的

フランクは、恋人・ヴィクとスペインに高跳びする準備を進めるが、ミロから妥協案を持ちかけられたため、受け入れることに。
だが、ミロはフランクを許すつもりなどなく、彼を殺すつもりだった。

ヴィクは、フランクと一緒に麻薬とは無縁の生活を送れることを喜ぶが、彼の裏切りに絶望し、フランクの持つ僅かな金を奪って逃げる。

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