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「選択できる」という方が人生楽しい!/久保彬子さん(株式会社タニタ 日本活性化プロジェクトメンバー)

久保彬子さん プロフィール

株式会社タニタ 日本活性化プロジェクトメンバー

2007年タニタ入社。国内営業戦略本部に配属され、ネット通販や家電量販店の営業を担当。
2017年より個人事業主としてタニタと業務委託契約を行う「日本活性化プロジェクトメンバー」に。新事業企画推進部を立ち上げ、「健康」の間口を広げる新たな商品やサービスの開発に取り組む。
2021年4月より広報業務にも従事。企画からPR活動まで、タニタのファンづくりに幅広く携わっている。

(豊田)
こんにちは!スパイスアップ・ジャパン代表の豊田圭一です。

「人事」のHRと「トランスフォーメーション」のXを掛け合わせて「HR-X」と名付けた当チャンネルは、「トランスフォーメーション人材で組織を変革する」をスローガンに、「人事」と「トランスフォーメーション」、つまり「変革」というキーワードで様々な取り組みをしているゲストをお迎えしてお話を伺っていきたいと思います。

「働き方改革」という言葉を聞くようになってからだいぶ経つような気がします。
そして、さまざまな企業が社員が働きやすい環境を整えたり、いろんな選択肢を持てるようになったりと試行錯誤をしていますが、今回のゲスト、Ms. Xには「日本活性化プロジェクト」という名称で、個人事業主として働ける制度を始めた株式会社タニタで、実際に個人事業主になり、そして今はタニタ以外にも複数の仕事や活動をしている、久保彬子さんをお迎えしました。

久保さん、こんにちは!今日はよろしくお願いします。

(久保さん)
こんにちは!よろしくお願いします。

(豊田)
まずは自己紹介をお願いできますか?

(久保さん)
皆さん、こんにちは。久保彬子と申します。
ご紹介いただいたように、株式会社タニタで「日本活性化プロジェクト」という個人事業主制度があるのですが、そちらを利用して仕事をしています。
業務としては新事業企画という企画部門と広報の2つの仕事を社内ではやっております。

(豊田)
タニタさん以外はどうですか?

(久保さん)
タニタ以外はですね、保育関係のサービスを展開している株式会社キポットという会社にジョインしています。
あとは短期的なプロジェクトにご一緒させていただいています。
2、3個くらい色々掛け持ちしながら、やっているような感じです。

個人事業主制度に真っ先に手を挙げました!

(豊田)
日本活性化プロジェクトってすごい名前じゃないですか。
おぉ!って思ったんですけど、タニタさんがこの制度を始めたのはいつからなんですか?

(久保さん)
これは2017年ですね。

(豊田)
今から4年前?

(久保さん)
4年前かな。2017年からスタートをしていて、私がちょうど第1期なんですよね。

(豊田)
第1号ということですよね?

(久保さん)
そうなんです。
新卒からタニタなので、普通に社員として仕事をしてきたのですが、たまたま2017年に個人事業主になれるという制度ができたので、一回会社を辞めて新たに会社と業務委託契約を結んで仕事をするというようになりました。
そんな話があったので手を挙げて、第1号になりました。

タニタはなぜこの制度を始めたのか?

(豊田)
タニタさんはなんでこの制度を始めたんですか?

(久保さん)
理由は大きく2つあるんですけど、当時働き方改革というキーワードから残業削減が進んできて、9時〜5時の中でやれ!と時間ばかりに着目されていたところがある中で、タニタの代表の谷田の方で短い時間で効率よくやるというのももちろん大事だけど、人によっては頑張りたい時にガツンと寝る間も惜しんで仕事をする時期があってもいいし、単に時間を削減するだけが働き方改革と言っていいのか?ということを疑問に思っていたというのが1つあります。
なので時間のメリハリをつけて仕事をできるように、頑張りたい時は頑張って、休む時は休んでというような働き方が本当はできた方がいいんじゃないかというのがありました。
もう1つは、会社は業績が良い時ばかりじゃないので、業績が悪い時ほど優秀な人が抜けてしまうのではないか?と。
そういう時に優秀な人が先に抜けていってしまったら、会社としては余計に苦しくなるんではないかっていうのも1つ考えたところであったみたいで、優秀な人たちと長く緩く繋がって仕事をしていくためには社員として抱えているだけではなく、新しい関係構築がこれからもっと大事になってくるのではないか、というのを思ったみたいですね。

(豊田)
最初に制度を聞いた時、第1号として手を挙げてるじゃないですか。
どんな風に思ったんですか?
そしてなんで手を挙げたんですか?

(久保さん)
両親が自営業とかではなかったですし、最初聞いた時はピンとこなかったんですよ。
個人事業主ってどういう働き方なんだろう、と本当にピンとこなかったんですが、振り返った時に周りでフリーで仕事をされている方とか独立した方もいらっしゃいましたし、仕事するっていうのは会社員として仕事をするってことだけじゃないんだ、と考え出した時期でもあったんですよね。
だからやってみたり新しくチャレンジしてみたら面白いんじゃないかな、と当時聞いてすごく思って手を挙げました。

(豊田)
働き方改革の文脈の中で色々な企業が試行錯誤して様々な制度を持ったり、もちろん人によっては転職や独立、副業と色々なことをやり始めた人が周りにいる中で、この制度がタニタさんの中にもできて、手を挙げてみよう!っていう気持ちだったんですね。

(久保さん)
そうなんですよね。
元々独立心があったとか、絶対起業してやるんだ!というタイプではないです。

タニタの個人事業主制度を活用してみて

(豊田)
実際手を挙げてみたら、いよいよもって一旦退職して新たに契約するってやるわけじゃないですか。
実際に個人事業主になってみてどうでした?
始めてもう3、4年くらいになるんですか?

(久保さん)
4年くらい経ちますね。
実際なってみて、良かったですよ。
働く選択肢を持てるようになったってさっきもありましたけど、働き方は色々なパターンがあってもいいと思うし、働き方はあくまで手段だと思うんですけど、どうしても個人事業主やフリーランスっていうと専門職のイメージだったり、ベテランで優秀な人しかできないというイメージがあったんですけど、会社として完全なるフリーランスというよりは、契約が3年タームになっていたりとか、社員としての要素も残しながら働けるということがあったので、気持ち的に安心できました。

(豊田)
ある程度安定はありつつ、自由度もあるような感じですか?

(久保さん)
そうです。
1本柱がありつつ、片足は色々なところの仕事をしたりとか、社内外問わず活動ができるというのは魅力的だなって思いましたし、やってみて良かったな、と思うことが多いですね。

久保は久保です!

(豊田)
実際始めてみて、最初にどんなアクションを起こしたんですか?

(久保さん)
こういう制度ができて、「こういう働き方にチャレンジするんです」って周りに言ってたんですよ。
「働ける機会とかご一緒できる機会があったら是非やらしてください!」って話をしていたら、「今度新しくベンチャー作るからちょっと手伝ってよ!」とか。

(豊田)
へー!何かの専門家とかではなく?

(久保さん)
そうそうそうそう!
その経験が大きかったなと思うんですけど、「何の専門家」なんて言うの難しくない?って思っていて、例えばこのプロジェクトでは営業をやったり、別のプロジェクトでは企画で入るし、また別のプロジェクトではPRの仕事で入るし、とか人数を何人も雇えない中小企業だったら私のような人が1人いたらうまく回ったり、ちょっとお願いねってこともすごい何かに特化しているわけではないけど、ある程度できる範囲が広いと意外と便利な人だったりするから、そういう働き方って良いなって思いました。

(豊田)
何でも屋さんみたいなね。

(久保さん)
そうそうそう!
こういう選択肢もあったのかなって最近思ったりもします。

(豊田)
実際そうですよね。
僕だって何かの専門家として独立したわけじゃなくて、ワァーって飛び出して独立して色々なことをやっているうちに、今でこそいくつかのキーワードで専門家っぽいことはやっているんだけど、でもある意味何でも屋として色々なことをやってきたのが今に繋がっているから、どの資格を取らないと独立できない、こういうことをするには何の資格を取ったらいいんですか?ってそういうことじゃなくても今の久保さんのように、あれやってこれやってどんどん幅が広がったりもありますよね。

(久保さん)
そうですね。自分のできることはいっぱいあるんですよね。
それを柔軟にその時の組織やメンバーによって変えられるっていうのは逆に強みなのかなって思ったりもするので、何でも屋というか、久保は久保です!って感じです。

個人事業主制度の課題は?

(豊田)
でも今までフルタイムでタニタさんでやっていた仕事があるわけじゃないですか。
それはそれでありつつ、自由にやっていいよということは、そこはそこである程度時間は取られるだろうし、それ以外の時間を使ってやるってなったら、そのやり繰りはどうやってやってるんですか?

(久保さん)
それやっぱり課題でして、仕事が結局際限ないわけですよ。

(豊田)
そうですよね。

(久保さん)
基本的にフルタイムで平日はタニタの仕事をしていて、平日の夜とか土日とかに別の仕事をしたりしているので、なかなか時間管理は難しいですよね。

(豊田)
前よりももっと仕事人間になってきてね。

(久保さん)
楽しいんですけどね、それは。
逆に働き方改革って何だろうってところに戻ってくるんですけど、いかに限られた時間で成果を出すかということがやっぱり大事だなという風に最近は感じています。
残業云々じゃなくて、色々なことをやる中で大事だなっていうのは思っています。

(豊田)
今タニタさんの中で、日本活性化プロジェクトを活用されている方は何十人かいらっしゃると思うんですけど、みんなそれぞれ違うと思うんですよ。
うまく活用している人もいるし、他の仕事はあまりやってなく、ただタニタさんと個人事業主契約になったってだけの人ももしかしたらいるかもしれないけど、周りにこの制度をうまく活用できている人はいらっしゃいますか?

(久保さん)
そうですね、いますね。
今、豊田さんが仰ったように色々なパターンがあるんですよね。
私みたいに色々な会社と一緒に仕事をしたいって思ってなった人もいますし、タニタ社内の色々な部署の仕事をやりたいっていう風に思ってやった人もいます。
どうしても組織だと上司が労働時間とか業務量を管理していますけど、この案件は受けられないとか受けていいとか会社の判断になっちゃうことがあったんですが、今のようなフリーだと自分に裁量があるので色々な仕事を社内でできるっていう風に捉えてやっている人もいます。
あとは収入を増やしたいってことでやっている人もいますし、介護などの問題で働き方が自由になって良かったって人もいるので、目的がそれぞれあるかと思うんですけど、この制度を個人個人がうまく利用しているのかなっていう風には思います。

(豊田)
会社は制度を作った時に、ある程度想定しながら作ったと思うんですけど、その後実施に4年運用してみてちょっとずつ変わったりしているんですか?

(久保さん)
制度の中身はそこまで変わっていないですね。

(豊田)
じゃあバッチリ考えてGOしたのかな?

(久保さん)
1期生が実験台にされてて(笑)

(豊田)
そうですよね、実験台、実験台!(笑)

(久保さん)
実験台にされて、色々やっているところはあります。
だからやりながら考えながらやりながら、制度を作っていってる感じなので、固定化しているわけではないけど、大きく何かが変わったということもないですね。

これから活用したい人へ、先輩からのアドバイス

(豊田)
ある意味、これからの働き方の1つの先端でもあるとは思うんですけど、これから同じような立場になりたいとか、同じような制度が会社にできたのでやってみたいという人たちに対する先輩としてアドバイスはありますか?

(久保さん)
先輩として?(笑)
やってみたら良いんですよね。
さっきもお話しした通り、元々独立心があったり、起業家マインドがあったわけではないんですけど、何となく面白そうだなって思って手を挙げてみたら世界がすごく広がったということがあるから、やってみたら良いんだと思います。
「選択できる」という方が人生楽しいんじゃないかなって思います。

(豊田)
あと充実感も上がったりしましたか?
自分事になるっていうか。

(久保さん)
そうですね、やっぱり当事者意識を持つとか主体的にってよく言われるけど、考え方は変わった気はしますよね。
自分で世の中や社会を良くしていきたいなって思って仕事をしているから、それがより自分が動いているなって手応えが社員の時よりも増えた気がします。

(豊田)
1期生で最初は分かんなくて、ちょっと面白いかなって思って手を挙げてみたけど、でもやってみたら良かったってことですよね。

(久保さん)
そうですね。
でも働き過ぎてしんどい時もあるんですけどね(笑)
これ際限なく仕事してるな、、みたいになったり。

(豊田)
でもそれも言われてやるんじゃなくて、自分で選んでるといえば自分で選んでやってるともいえるから。

(久保さん)
そうですね。

(豊田)
でも際限なく増えちゃってるんじゃないかっていう。

(久保さん)
逆に豊田さんにその辺のメリハリの付け方を教えて欲しいですよ。

(豊田)
あるのかなー、ちょっと分かりませんけど。
今日はタニタさんの日本活性化プロジェクトの第1号として久保さんにお聞きしたかったことは全部お聞きできたと思います。
楽しい話でした!

さて、HR-Xではこれからも「人事」と「トランスフォーメーション」というキーワードで、様々なゲストをお呼びしてお届けしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

久保さん、今日はありがとうございました!

(久保さん)
ありがとうございました!

豊田圭一(株式会社スパイスアップ・ジャパン 代表取締役)
上智大学を卒業後、清水建設に入社。約3年の勤務後、海外留学コンサルティング事業で起業。以来、25年以上、グローバル教育事業に従事している。
現在、国内外で「グローバルマインドセット」や「変革マインドセット」を鍛える研修を実施する他、7ヶ国(インド、シンガポール、ベトナム、カンボジア、スリランカ、タイ、スペイン)にグループ会社があり、様々な事業を運営している。
2018年、スペインの大学院(IE)で世界最先端のリーダーシップ修士号を取得。
2020年に神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部の客員教授に就任。
著書は『とにかくすぐやる人の考え方・仕事のやり方』『ニューノーマル時代の適者生存』など全19冊。
早稲田大学トランスナショナルHRM研究所の招聘研究員、内閣府認証NPO留学協会の副理事長、レインボータウンFMのラジオ・パーソナリティも務めている。

豊田が2020年6月に出した著書『ニューノーマル時代の適者生存』

株式会社スパイスアップ・ジャパン
 公式ウェブサイト  https://spiceup.jp/
 公式フェイスブック https://www.facebook.com/SpiceUpJP/

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