自分の看板で生きていける人を増やしたい/大西剣之介さん(バリュエンスホールディングス株式会社 人事部長)
大西剣之介さん プロフィール
(豊田)
こんにちは!スパイスアップ・ジャパン代表の豊田圭一です。
「人事」のHRと「トランスフォーメーション」のXを掛け合わせて「HR-X」と名付けた当チャンネルは、「トランスフォーメーション人材で組織を変革する」をスローガンに、「人事」と「トランスフォーメーション」、つまり「変革」というキーワードで様々な取り組みをしているゲストをお迎えしてお話を伺っていきたいと思います。
今回のゲスト、Mr. Xにはバリュエンスホールディングス株式会社の人事部長でいらっしゃる大西 剣之介さんをお迎えしました。
大西さん、こんにちは!
(大西さん)
こんにちは、よろしくお願いいたします。
(豊田)
今日はよろしくお願いいたします。
まずは自己紹介をお願いできますか?
(大西さん)
大西です、よろしくお願いいたします。
今はバリュエンスに入って1年半ぐらい経ちましたけれども、人事部の責任者として色々やっております。
今日はよろしくお願いいたします。
転職した時に感じた課題感
(豊田)
この番組は人事と変革がキーワードなので、大西さんが会社の中でやってきた数々の変革に繋がる施策について色々お聞きしたいのですが、中でも「フレックスプレイス」や「週4日勤務」についてなんですが、その前に大西さん前の会社から転職していらっしゃるじゃないですか。
実はこのHR-Xに前の会社で出ていただいたことがあるんですけど、転職した時に最初に思った御社の課題感ってどこら辺にあるんですか。
(大西さん)
今の会社が創業してまだ11年ぐらいなんですよ。
前職は経歴も長い大企業だったので、やっぱり仕組みが整ってる、整ってないの差はやっぱりすごく大きいなと思ったし、中にいる人材っていう面でも、平均年齢が当社は今30歳ぐらいなので、本当に若いメンバーが多くてですね、勢いとかスピード感はすごいあるなと思っています。
一方で整っている、整ってないみたいなところでいくと、まだまだ課題が多そうだなみたいな、そんな印象で入社したという経緯がありましたね。
(豊田)
そんな中で爆速でね、私この間聞いた時に何個なんですか、あれもこれもあれもこれもってめちゃくちゃ色々な取り組みしたじゃないですか。
具体的にどんなことをされました?
(大西さん)
採用から退社に至るところまで全プロセスをもう一回イチから見直していこうっていうのを実はやってまして、一言で言うとやっぱり働きがいと働きやすさの両方が満たせる組織を作りたいなっていうのは、前職の時からずっと思ってたんですよ。
ただ当然、歴史があるとしがらみも多かったりする中で、自分がやりたいようにとか、僕個人のためだけというよりは、やっぱり会社全体として中にいる人がみんなそう思えるような組織ってどうやったら作れるんだろうっていうのはずっと考えてることがあって、そこに繋がるものは全部やりたいと思って転職して今やってるみたい感じです。
転職した時に手がけた最初の取り組み
(豊田)
一番最初の最初って何をしたんですか?
(大西さん)
実は人事部改革からスタートしてるんですけど、オペレーションを回すので精一杯になっていた人事に、より新しいことをやっていくとか、今やってることをやめるとか、どこに目線を向けて仕事をしていけばいいのかみたいなところを意識付けするところからがスタートでしたね。
(豊田)
1年半経って雰囲気って変わってきました?
(大西さん)
だいぶ変わったと思っています。
元々会社としても、ビジネス面では新しいことをやっていこうとか、そのトライアンドエラーをどんどん繰り返していきましょう!っていうのはすごく強い会社だったんですけど、間接部門やバックオフィスに関して言うと、守り中心にどうしてもなっていた部分があったんですけど、人事の仕組みでどう変えていくんだとかビジネスとどう連動していくんだとかっていうところの施策に関しては人事制度もそうなんですけど、どんどん変わってるなっていう風には今思ってますね。
フレックスプレイスについて
(豊田)
その中で今日聞きたいって先ほど申し上げたフレックスプレイスって僕は全然知らない言葉だったんですよ。
僕は大西さんから聞いたんですけど、これは何なんですか?
(大西さん)
巷ではワーケーションと呼ばれてたりはします。
(豊田)
ワーケーションは知ってます!
(大西さん)
そうだと思います。
僕たちはワークケーションという言葉を使っていなくて、フレックスプレイスという形にしていて、その仕組み自体はそのスカラさんの仕組みを使ってやらせてもらってはいるんですけど、フレックスタイムってどの会社でも検討されてたりするじゃないですか。
僕たちにとっての働くその環境の制約ってどこまで設けるべきかっていう観点で色々考えていた時に、時間はフレックスタイムのように流動的にいきましょう!となるんですけど、場所ってなんで家か会社じゃなきゃいけないんですか?みたいな話をしていて、生産性が一番上がるんだったら別にどこで仕事してもいいじゃんっていう話を社長含めて役員でずっと議論していて、よくある話ではカフェはダメとか漫画喫茶はダメとかあるけど、何でダメなのみたいな話って意外と議論されていなくて、セキュリティの問題とかあるんですけど、じゃあ家のセキュリティって本当に大丈夫なの?となると誰も答えられないっていう話ですねってなってくると、やっぱり働く場所に捉われて生産性が下がるのであれば、そこはもう変えましょうというのを去年の秋ごろに話をして、それじゃあそれでいこうと時間がOKなんだったら場所もOKでいこうっていうので、そこへ一気に舵を切ったっていう感じになります。
(豊田)
ちなみにそのフレックスプレイスっていう言葉があるんですか。
(大西さん)
一部では色々使われ出してるんじゃないかなと思っていて、ワークケーションというと、何か遊びに行くみたいなところがあって、ワークとバケーションみたいな。
(豊田)
そうですね、そうですね。
(大西さん)
上の人からすると、仕事をしに行くんじゃないの?バケーションなの?みたいなのがあって、なかなか刺さりづらいなと思ってたので、敢えてワーケーションは使わずにフレックスプレイスですと。
(豊田)
言葉って重要ですね。
(大西さん)
めちゃくちゃ大事ですね。
(豊田)
フレックスプレイスって言われると、たしかにフレックスタイムってあるのですごくそれっぽく聞こえるって言うか。
それっぽいって言うと何か悪く言ってるみたいだけど、すごくフィットしますね。
(大西さん)
当たり前になってる言葉ですからね。
(豊田)
でもそれを打ち出してもやるかやらないかっていうのは、また別の話じゃないですか。
実際に打ち出してから貴社の中で活用はされているんですか?
(大西さん)
今はかなり活用していて、ピンポイントなんですけど、明日から新入社員22人を連れて1泊2日でワーケーション施設で研修やってきます。
(豊田)
めちゃくちゃいいじゃないですか。
どこに行くんですか?
(大西さん)
千葉です。
僕は行かないんですけどね。
それ以外でも各部門単位で集まって、実は僕もファシリテーターで入らせてもらって、この事業部って何のためにあるんだとか、今後どうしていきたいんだみたいなところを秋から毎月一回やってる感じです。
もっと苦戦するかなと思ったんですけど、思いの外すんなり取り入れてもらってるっていう感じです。
(豊田)
実際に使ってる人たちって何割ぐらいに達してるんですか。
(大西さん)
当社のバックオフィスは東京にあるのですが、店舗は全国各地にあるのでそっちはちょっと難しいんですけれども。
(豊田)
そっか、お客さんが目の前にいるから。
(大西さん)
そうなんです。
やっぱりそこに行かないとフレックスプレイスはできないので。
バックオフィス系は結構使っていて、ましてや上の方がよく使ってるイメージなんですよ。
役員層とか部門長層、例えば戦略系だったり人事ももちろんだし、あとは企画系のマーケティングの部署の人たちは全員っていうとちょっと言い過ぎですけど、ほぼ1巡したかなっていうぐらい使ってはもらってます。
(豊田)
ええ、そこまで?
ワーケーションとかリモートワークって成果が見えにくいとか管理しにくいってとかよくあるじゃないですか。
実際に貴社ではそこら辺どうやってやってるんですか?
(大西さん)
一切管理してないですね。
(豊田)
もう管理しないと!
成果で評価する?
(大西さん)
仰る通りです。
(豊田)
でもそれ一番正しいですよね。
(大西さん)
まさに当社の役員会の中でも議論になったんですけど、行った先で本当に仕事してるかどうか分からないじゃないかみたいな意見もあったんですけど、家で仕事してるかどうかってどうやって判断しますっていう話と同じで、あと会社に来てるから仕事してるかって正直誰も分からなくて、目の前でパソコン開いてるのは分かるんですけど、仕事してるかどうかわかんないし、だったらどこでも良くないですか?みたいな話でそこは管理しないことにしました。
(豊田)
それすごく正しいですよね。
だからコロナってある意味、コロナ効果というか、仕方がないよね、家でやらなきゃいけないよねとか会社にみんな集まれないよね、移動できないよねっていうところから始まったけど、実際はそのフレックスプレイスとかワーケーションを後押ししましたね。
(大西さん)
そうだと思いますね。
僕たちが使ってるフレックスプレイスを個人が利用するのは思いの外少なくて、それだったら在宅でいいじゃんってなるんですけど、それがチームとか小集団、プロジェクト単位とかそんな感じで使ってるケースが今は多いなっていう感じですね。
週4日勤務について
(豊田)
そうなんですね。
もう一つの取り組みの週4日勤務ですが、これは個人に関することだと思うんですけど、なんで導入したんですか?
(大西さん)
週4勤務もそうだし社内複業も当社でやり出しているんですけど、僕自身の想いとして、自分の看板で生きていける人を増やしたいというのは、やっぱりずっと元々持っていて、バリュエンスがすごい、すごくないというとか、どこどこ社だから良いとか悪いとかっていう軸にしちゃうと転職した瞬間に誰も声を掛けてくれないとか。
(豊田)
ありますよね。
(大西さん)
何かそういうのも寂しすぎるなと思って、それよりいろんなことにチャレンジして好きで今の仕事やってるっていう状態を作っていきたいな、というのはずっと話をしていて、その一環で週4勤務にして当社は複業OKにしているので、残りの週3は休むもいいし、介護でもいいし、働くもいいし、そういうのもアリだよねってところで導入した経緯がありますね。
(豊田)
そうなると週休3日じゃないですか。
実際みんな週4日勤務で前と同じだけのパフォーマンスを上げてるという感じですか?
(大西さん)
そこまで実は細かくは見ていないんですけど、週4勤務になったからパフォーマンスが下がってるよねっていう上司からのフィードバックは今のところなくて、そこはあくまでも日数が少なくなった分の制約はもちろんあるんですけど、4日間のうちのパフォーマンスが下がったとかは全然ないですね。
(豊田)
実際みんな、どんな感じで活用してるんですか?
(大西さん)
当社の場合は週4勤務にすると、給与も8掛けにしてるんですよ。
(豊田)
ああ、なるほど。
(大西さん)
給与を100%にして勤務日数を減らしてるわけじゃないから、そういう意味では利用者っていうとまだまだ限られてるなっていう印象はあるんですけど。
(豊田)
そっか、選べるんですね。
社内複業(デュアルキャリア)について
(大西さん)
はい、戻すのもすぐ戻します。
当社の状況でいくと実は週4勤務よりも社内複業のことを当社では「デュアルキャリア」って呼んでいるんですけど、そっちの利用の方がすごい希望者は多いですね。
(豊田)
社内で複業?
(大西さん)
例えば、僕、人事部ですけど、週の20%とか30%はマーケティング部で働きますっていうのをOKにしているんですよ。
(豊田)
へぇー、それを面白い!
それは手挙げですか?
(大西さん)
そうです、公募制です。
普通の公募のように単純に異動してきてくださいねっていう公募もあるんですけど、社内デュアルの公募も設けていて、希望者はかなり多いですね。
(豊田)
いや何か話聞いててすごく面白いのは、よく主体性を育むとか、主体性を発揮しろって言うけど、仕組みそのものが主体性を発揮させない仕組みの組織が多いじゃないですか。
(大西さん)
多いです、多いです。
仰る通りです。
(豊田)
これは家庭もそうだし、例えば子育てみたいな。
あるいは学校とかもすごくそうだなって僕はずっと思ってたんですけど、貴社の取り組みは仕組みそのものが主体的にやった方が得とか、主体的にできる仕組みになってますね。
(大西さん)
そうですね。
どうしても正直、公募でもイチかバチか感があるじゃないですか。
例えば人事部にいて、マーケティング部に行きますって手を挙げるのは自由なんですけど、異動した後にはミスったとか、来なきゃよかったってなると戻れないから転職ってあるんですけど、例えば週20%やってみて、これならいけると思えば、その後公募で手を挙げればいいし、違ったなと思えば戻ればいいし、そこの自由さ加減がないケースがやっぱりまだまだ多いなと思って、そこの心理的ハードルをどんどん下げていくっていうのを、今いろんな角度からやっています。
社内インターンみたいなのを実はちょっとやろうとしてるんですけど。
(豊田)
社内インターン?
(大西さん)
「1週間だけ行って行ってらっしゃい!」っていうのも、色々やっていて、これしかやったことがないから、この仕事を嫌々やってますっていう状態を無くしていきたくて、何かそこに風穴開けられないかなというのを考えて、色々な仕組み導入を検討してますね。
(豊田)
新しい会社に転職してからすごくチャレンジしている感じを今もすごく伝わってきますけど、これって大きな会社でもできるんですかね?
(大西さん)
できると思います。
リーダーをどう巻き込むかによりけりかなと思っていて、バリュエンスって会社で働いていて、すごい働きやすいなと思っているのは、役員層とかなり認識が近いというか、一回やればっていう感じなんですよ。
それでダメだったら戻せばいいし、やってみないと良いか悪いか分からないじゃん、という発想の役員がほぼ全員を占めているので、そういう中でこういうことやりたい、ああいうことやりたいっていうのはめちゃくちゃ刺さりやすくて、そこが僕自身の働きがいにはなっています。
(豊田)
大きな会社でもあるいは部門長だったり、事業部長だったりその執行役員とかがそういうタイプの人間でぜひやろうよ!って彼らを巻き込めれば同じことできますよね。
(大西さん)
全く問題なくできると思います。
(豊田)
それはすごく面白い話だなと思いましたけど、バリュエンスに入って1年半?
(大西さん)
1年半ぐらいですね。
(豊田)
なのでまだすぐに次々とかっていうんじゃないかもしれないですけど、大西さんの次なるチャレンジって何かありますか?
個人でも組織人でも。
(大西さん)
あります。
今、僕はやっぱり人事の責任者という立場を任せていただいていて、従業員満足度はまだまだ僕の中では課題感があってですね、働きたいように働けてる人ももちろんいれば、そうじゃない方々っていうのもやっぱり一定数いて、ちょっとこれは理想論過ぎるかもしれないんですけど、全員が働きやすいとか働きがいを持って働いてるっていう状態をこの組織の中でどう作っていくかっていうのを僕にとってすごいチャレンジで、そこに繋がることは全部やっていきたいなと思ってるんですよ。
それが今の僕にとってのチャレンジですね。
(豊田)
何なんですかね、それはどうすればいいんだろう。
(大西さん)
当社のホームページも対外的に従業員満足度を5点満点のうちの4.2点目指しますって外に謳っちゃっていて、現状まだ3.2点とかなんですけど。
ここってやっぱり外に謳ってどんどん変えていくよっていうメッセージを出して、人事が勝手にやってるというか現場の人の声も入れながら、会社一体としてやって成果も上げてあげるみたいな、そこにどうチャレンジしていくかっていうのも施策ってこれが正しいって多分なくてやり続けて良ければ続けるし、ダメだったらやめて何か違う手を考えるし、その繰り返しを今まさにやり始めたっていう感じですね。
(豊田)
ちょっと楽しみですね。
大西さんにはまた出ていただこうかなって思っちゃいましたけど、これが半年後なのか、1年後なのか何年後かにこの変革の結果、あるいは過程がどうなってるかというのはまた今度伺いたいと思いますが、今日は貴重な話をどうもありがとうございました。
さて、HR-Xではこれからも「人事」と「トランスフォーメーション」というキーワードで、様々なゲストをお呼びしてお届けしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
大西さん、今日はありがとうございました!
(大西さん)
ありがとうございました!
豊田が2020年6月に出した著書『ニューノーマル時代の適者生存』
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