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協働をもって「日本」を熱くする!/村松知幸さん(株式会社協働日本 代表取締役社長)

村松知幸さん プロフィール

株式会社協働日本 代表取締役社長
大学卒業後、ハウス食品グループ本社(株)でグローバル人事セクションを立ち上げ、経営企画、M&Aマネージャーを経て、中堅製薬会社の海外事業開発Director、戦略コンサルティングファームの取締役を経験。
現在は現職のほか、
・(株)スカラパートナーズ 共創事業部長
・一般社団法人熱会 代表理事兼Cofounder
・(株)Funleash COO兼事業開発責任者
・至善館大学院 評議員
を務める等、複数の企業、大学院の経営、事業開発に携わるパラレルキャリアを実践。
至善館大学院MBA

(豊田)
こんにちは!スパイスアップ・ジャパン代表の豊田圭一です。

「人事」のHRと「トランスフォーメーション」のXを掛け合わせて「HR-X」と名付けた当チャンネルは、「トランスフォーメーション人材で組織を変革する」をスローガンに、「人事」と「トランスフォーメーション」、つまり「変革」というキーワードで様々な取り組みをしているゲストをお迎えしてお話を伺っていきたいと思います。

今回のゲスト、Mr. Xには、私にとってはいつも刺激を受ける仕事仲間でもある、株式会社協働日本、代表取締役社長の村松 知幸さんをお迎えしました。
村松さん、こんにちは!今日はよろしくお願いいたします。

(村松さん)
こんにちは!よろしくお願いいたします。

(豊田)
まずは自己紹介をお願いできますか?

(村松さん)
はい、ありがとうございます。
株式会社協働日本の代表の村松と申します。
今私は人生のミッション、自分自身のミッションを地域の活性化、それから働く人の活性化という形で置いていて、この協働日本の経営だったり、東証一部上場のIT企業の中で地域創生事業だったり、ワーケーション事業を創ったりしています。
あと日本橋に至善館という大学院があって、そこの評議員として大学の運営にも関わらせて頂いたり、パラレルキャリアを推進しています。

(豊田)
あれやこれや色々な活動をされていますが、村松さんとはつい先日も仕事で金沢に行ってきましたし、また来月も秩父にワーケーションに行くことになっていますよね。

(村松さん)
ワーケーション仲間ですよね!

(豊田)
ワーケーション仲間ですね!
もうあれやこれやいろんな活動をしていらっしゃいますけど、今回は協働日本の活動についてお聞かせいただきたいと思っています。
協働日本、これどんな会社ですか?

(村松さん)
はい、ありがとうございます。
名前の通り、協働を持って「日本」を熱くする!っていう会社です。

(豊田)
良い名前!

(村松さん)
ありがとうございます。
僕もともと四字熟語が好きなんですよ。
獅子奮迅、熟語じゃないけど明治維新とかも。
それで協働日本にしました。

(豊田)
これね、スパイスアップ・ジャパンとも似てるんですよ。

(村松さん)
似てますよね、理念が「働く人の活性化」ですよね。

(豊田)
日本を活性化しよう!と言ってやってます。

(村松さん)
なのですごく近いなとは思っていました。
協働日本がどんな会社か一言で言うと、協働したいっていう111名のプロがチームを組んで、日本中の地域の会社の経営者が成し遂げたい変革とか挑戦を一緒に実現していくプロジェクトを今50案件くらいやらせていただいています。
地域の会社がどんどんそうやって協働を元に活性化していくと日本自体も活性化していくという想いを持ってやっています。

(豊田)
いつ立ち上げたんですか?

(村松さん)
2020年の2月に立ち上げたので3期目が始まったところです。

(豊田)
ということはコロナが広がり始めたまさにその時期なんですね。

(村松さん)
まさにその時期です。
基本的には副業の人材とオンラインベースでのプロジェクト組成をしているので、コロナ禍で当然外部環境が変わって、色々な状況にある地域企業様がたくさんあるんですけど、実際にそこのサポートだったり協働自体は比較的スムーズに連携させていただいています。

(豊田)
元々考えていた事業なんですか?
コロナが広がり始めたうまいタイミングじゃないですか。
どれくらい構想していたんですか?

(村松さん)
それはですね、元々僕生まれてから祖父と暮らしていたんですよ。
僕が生まれたときに祖父が中小企業支援の仕事をやっていたので、色々な経営者に囲まれて育ったんです。
学校から帰ったら、「現場連れてったるわー」みたいな社長さんたちの想いとか商売への志に触れて育ったので、将来何らかの形で自分が強みとすることを生かして、地域の企業の経営者が成したいことを一緒に伴走することはやりたいと思っていたんですよね。

(豊田)
え、子供の頃から?
いつからそんな想いが芽生えたんだろう。

(村松さん)
学生の頃、自分で事業を立ち上げてやっていたんですけど、その時にもぼんやりと思っていて、社会を知らずに経営者の志だったり、広い視野は持てないから事業会社に入ったり、いわゆる古くからある老舗企業に幹部として入らせてもらったり、そういう経験を経てタイミングはたまたまなんですけど、2020年2月に起業しました。

(豊田)
まさかね、高校生の時から協働なんて考えていたわけではないと思うけど、どんな意味を込めて「協働」にしたんですか?

(村松さん)
複業人材のマッチングをやっているんですけど、複業日本やコンサル日本ではなく、「協働」にし、そこに込めている想いとしては50案件全てチームを作っているんですね、協働プロたちが。
例えば、事業開発のプロやマーケのプロ、デジタルのプロなど。
地域企業さんにも社長とともにプロジェクトチームメンバーを作ってもらっていて、ワンチームとなって1年間の目標達成していくんだと。
その中のプロセスで単に課題解決とか売上を作るとかだけではなくて、プロたちが持っているノウハウやスキルを徐々に徐々に地域企業のプロジェクトメンバーたちに移管していくんですね。
例えば、グーグルアナリティクスを使ってお客さんの分析をしたり。
そうしたら1年間のプロジェクトが終わる頃には自分たちでできるようになっている。
再現性が生まれているので、外部環境の変化が激しいので山ほど課題が生まれても都度外部人材に頼ってというよりは自分たちがそれを解決して自走できるような会社が増えていく。

(豊田)
なんとなくのイメージするコンサルファームとはちょっと違うんですね。

(村松さん)
そこは違うと思います。
何かの課題を解決して差し上げるというよりは、ワンチームで自分たちが解決する当事者なんだ!と思ってもらい、今の組織でできるなら良いんですけど、社長が新しい事業を立ち上げるぞ、事業を変革するぞ!って言っても現場は忙しいので、よし社長、やりましょう!とはなかなかならないこともあって、その時にそういった経営者との協働経験が豊富なプロが100名以上集まっているので、まさに映画づくりのようにこの映画に即した一番適した人をキャスティングしていくイメージでチームを作って、社長一緒にやりましょう!と。

(豊田)
映画づくりが終わったら解散ですからね。
で、もしかしたら新しい映画で集められるかもしれないし。

(村松さん)
大変ありがたいことにリピートが9割以上なんですよ。

(豊田)
すごいですね!

(村松さん)
KPIは達成するんですけど、幹部の方に変化が生まれると経営者としては嬉しいと思うんですね。
今まで例えば命令されていたことをやっていた方が、自分で分析できたり、自分で提案できたりすると楽しくなるから、社長にどんどんこんなのやりましょう!ってなってくると、協働日本とネクスト案件いこうかという感じになるんですよね。
それは活性化している状態だと思うんですよね。

(豊田)
協働プロの役割はすごく大きい気がするんですけど、今100人を超えるんですか?

(村松さん)
はい!

(豊田)
100人以上の協働プロってどうやって集めたんですか?

(村松さん)
ありがとうございます。
元々は3名でして、その中に私も事業開発のプロとして監督兼バッターみたいな感じでやっていました。
協働プロ自身が活性化していくんですよね。

(豊田)
協働プロ自身も!?

(村松さん)
はい。
協働プロの定義って何かと言うと、もちろん地域の企業を協働して元気にしたいっていうWILL、志があるというのは間違いないのですが、同時に経営者との協働経験がある方にまず優先的に入っていただいていて、例えば社長直轄でマーケティングのトップをされていた方だったり、大きな会社の中で新規事業部門を立ち上げて社長と一緒にやっていたとか。
何が違うかと言ったら、経営者って企業の大小に関わらず、アルファベットの”T”で言ったら横棒、横軸なんですよ。
営業だけとか人事、財務だけではなく、全体を見ていますよね。
基本的に働き手って縦軸の専門性なんですよね。
だけどこの横軸で経営観とか事業観、もっと言ったら人生観とか全部統合して表現しているのが経営者なので、この深いところが分かる人たち。
ただそういう方たちでも大きな会社で働いていて、すべての協働案件で「経営者との対峙」なんですよね。
そうしたらこのプロたちが活性化していくんですよね。
例えば、ライオンで新規事業のトップをやっている藤村さんは、同時に7社くらい掛け持ちして協働してくれていて、7社の経営者と働いているんだと。

(豊田)
そういうことですよね。

(村松さん)
それを色々な仲間に言ってくれるんですよ。
良い人材の周りには良い人材が集まっていて、なんかおもろそうなことやってるやん!というところから、実はプロがプロを呼んでくるということが非常に多いです。
もう1つは私が至善館という大学院の評議委員として関わらせてもらっているので、その中から特に卒業後の活躍の場で参画いただいています。

(豊田)
実際に協働プロやりたい!って手が挙がった人たちを、あなたはOK、あなたはダメみたいにジャッジをするんですか?

(村松さん)
面談は必ずします。
まず自分からハンズアップして入ってくる人にはダメってまずなくて、ただし私が居なくても経営者と対峙して案件をしっかりやっていける方は即「協働プロ」ですし、我々「協働サポーター」という制度を持っていて、それはマーケのプロや事業開発のプロにプロボノ的に関わって、そこで実戦経験を積んでいき、1年経ったら次はプロとしてやっていく。
そこは実際に他のプロからのフィードバックがあったり、本人が内省できるようなコーチングの仕組みを持っていたりして、協働日本の中でサポーターからプロへなっていくというインキュベーションが生まれていくという仕組みを作らさせていただいています。

(豊田)
なるほどねー!
先ほど地方の会社って言っていましたけど、都市部では何もやってないんですか?
会社ってどこにあってもそういう課題って色々あると思うんですけど、どちらかというと地方創生文脈が多いんですか?

(村松さん)
特にこの地域って限定しているわけではないんですけど、都内や首都圏の会社ももちろんあります。
元々のご縁が石川県金沢市から始まり、僕らの案件の3分の1くらいは石川県なんです。
私がドアノックして営業したわけではなく、現地の企業さんの口コミで広がり、次は静岡県や鹿児島県とご縁があるところで、1つの会社から広がっていくいうような形の展開をさせてもらっています。

(豊田)
今、石川県や鹿児島県って名前が出ましたけど、そのエリアの変化ってどんな変化だったんですか?

(村松さん)
非常に大きいと思っていて、1つだけ具体的な事例で言うと、こういうのをやるのって地域の中でも大きな会社じゃないと難しいんじゃない?って話はあったりするんです。
50案件の中で一番規模としてはコンパクトな事例なんかで言ったら、奄美大島の大島紬って伝統工芸があるんですけど、一時期250億円規模の市場があったのに今は2億円くらいなんですよね。

(豊田)
100分の1以下?

(村松さん)
そう、1%くらいになっているんです。
奄美大島に観光で行かれる方が主要な顧客なんですね。
その大島紬をこの市場環境の中でアップデートしようとしているクラフトマンがいて、その彼のサポートをやらせていただいているので、一番コンパクトな案件というのは1人なんですね。
ものすごいプロダクト力がある、レザー×大島紬というのを作っていて、特徴はオーダーメイドなんですけど、空港で売っている既製品と同じような値段なんですよね。

(豊田)
えぇー

(村松さん)
そこがマーケティングだったり、もっと言えばウェブマーケティングだったり、喉から手が出るほど欲しい人に届くようにできたら、どこまででも伸びていくというか達成していくんだけど、
それを全部作り手がやるのは難しいよね、ということでそこにプロのマーケターや事業開発のプロが関わる中で、やっぱり喉から手が出るほど欲しがっている人ってこういうところだと。
結論だけ言ったら、例えばカメラを撮っている人ってインスタとかで自分のカメラとか小物をすごい愛着を持って載せていたりするんですよ。
そこの中でストラップだったりケースだったりにピンポイントで奄美大島の大島紬レザーというところをインスタやネットショップのBASEさんを使わせてもらってアピールしていくと今までの平均購買単価よりも3倍4倍で売れていく。

(豊田)
なりそうですよね。

(村松さん)
そうなんですよ。
それぐらい欲しがっている人にどうそれを掘り起こしてお届けするかみたいなことが、日本中の他の案件でも起こっていて、大事なのはそのプロセス自体を統合する。
作り手だから作るところだけでなく、T字の横軸にいることで経営観、事業観がそのクラフトマンの方にも生まれ、再現性を持って自分でもやっていけるんだと、お客さんこうやって掘り起こしていけるんだと。
今はカメラで成功したから次はこういう形で掘り起こしていこうと自走してどんどんやっていくと、受注数を5倍にすることが今のソリューションじゃなくて、同じ物を売ったときに本当に欲しがっている人に価値をちゃんと届けて、適正な価値を得ていくところを掴んでいただければ、そういうことをやりたいという事業者が他にも広がっていくというようなことが起こっています。

(豊田)
今話聞きながら、少子高齢とか地方創生という文脈で言うと全てのところが商圏じゃないですか。

(村松さん)
仰る通りです。
釈迦に説法ですが、人口がこれからジェットコースターように減っていきますよね。
今みんな見ているコンテンツはそれぞれ違いますよね。
豊田さんと僕が見ているコンテンツは違うし、要は多様化なんですよね。
少数多様化と言うように、ある意味そこで本当にコアなファンだったりニッチなプレミアムをちゃんと刺せていくと戦っていけるというところが自分たちでできるんだ!という実感を持ってもらうってすごく大事だと思っています。

(豊田)
協働日本のこの先2年後、3年後、10年後はどんな風に見ていますか?

(村松さん)
ありがとうございます。
こういう形で地域の事業者さんと一緒に協働することで変化が生み出されて、それを都市の人材と地域とのある種新しい関係性という風にしていきたいと思うんですけど、今猛烈に感動していることがあってですね、この間行った金沢では企業さんが増えているんですけど彼らがコミュニティ的に副業人材活用のセミナーを主催されていたり、特に感動したことは言語化なんですよね。
何かって言ったら石川県って加賀藩じゃないですか?
以前加賀藩に前田利家さんが入ったとき、特に産業が大きくあったわけじゃないんだと。
前田さんがとてもビジョナリーだったのが、例えば近江商人を近江から連れてきて今の近江町市場があったり。

(豊田)
そうなんだ!

(村松さん)
他にも尾張から工芸職人さんとかを連れてきて、今の尾張町があったり。
要は400年前も外の人材をどこよりも上手く活用したことによって、400年続く加賀友禅や九谷焼という伝統工芸だったり、元々居る人と外から来た人のコラボで活性化させていったんですよね。

(豊田)
前田利家と同じことをやっていますよ!

(村松さん)
自分では全然気が付かなかったんですよ。
それを協働日本と一緒にやってくれている事業者の彼らが自分たちで言語化して、400年前もよそ者をどこよりも上手く使って、活性化させて400年続く産業を作ったんだと。
我々がこれからの400年作るのを、まさに外の人間とのコラボレーションであったり、切磋琢磨、協働して作っていこうということが生まれ出していて、ある種インフラのようになってきているんですよね。
それが一つのモデルかなと思っていて、それが他の地域にも上手く伝播していくようなことが起こってくると、「僕ら」対「企業様」だけではなく、地域全体に熱が広がっていくんですよね。

(豊田)
いやー、熱い話をどうもありがとうございました!
また各地に連れていっていただきたいなと思っていますが、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
さて、HR-Xではこれからも「人事」と「トランスフォーメーション」というキーワードで、様々なゲストをお呼びしてお届けしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
村松さん、今日はありがとうございました!

(村松さん)
ありがとうございました!

豊田圭一(株式会社スパイスアップ・ジャパン 代表取締役)
上智大学を卒業後、清水建設に入社。約3年の勤務後、海外留学コンサルティング事業で起業。以来、25年以上、グローバル教育事業に従事している。
現在、国内外で「グローバルマインドセット」や「変革マインドセット」を鍛える研修を実施する他、7ヶ国(インド、シンガポール、ベトナム、カンボジア、スリランカ、タイ、スペイン)にグループ会社があり、様々な事業を運営している。
2018年、スペインの大学院(IE)で世界最先端のリーダーシップ修士号を取得。
2020年に神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部の客員教授に就任。
著書は『とにかくすぐやる人の考え方・仕事のやり方』『ニューノーマル時代の適者生存』など全19冊。
早稲田大学トランスナショナルHRM研究所の招聘研究員、内閣府認証NPO留学協会の副理事長、レインボータウンFMのラジオ・パーソナリティも務めている。

豊田が2020年6月に出した著書『ニューノーマル時代の適者生存』

株式会社スパイスアップ・ジャパン
 公式ウェブサイト  https://spiceup.jp/
 公式フェイスブック https://www.facebook.com/SpiceUpJP/

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