妄人日記#03

目が覚めたのはチェックアウトぎりぎりの時間。
サウナに泊まっていた様々な獣達の異臭と毛が飛び散っているホールを抜け、カウンターでサービスチケットを貰って店を出る。
120%割引チケット。
これを使えば次着た時に20%儲かるのでわ?
何だかおかしい気もしたが寝起きの頭は働かず「またきまーす」と言ってエレベーターで4Fから降る。


外は快晴だ、冬らしく乾燥した空気に日差しを浴びて身体を伸ばす。
「シャルウィーダーンス!?」と叫びながら、儲かるって字は信者、信じる者って書くんだなって思い出す。
宗教的に捕らえる人も前向きに捕らえる人もいる。言葉の解釈は自由だ。
言葉の正解なんてありえない、無いもんに誰かしらの人間が分かりやすく付けたもんだ。
有りがちな、愛と恋との違いとかを論じてる意味がワタシには正直分からない。でも意味はなくとも言葉の遊びとして話すのは好きだ。

ま、何だっていーや、とりあえず駅に向かおうと歩きだしたところで、いかにもチンピラ風の二人組に首根っ子を捕まれて出てきたばかりのビルの壁に身体を押しつけられた。

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