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♡K リーダー、尊敬される父親

父親というとジブリ作品に登場するお父さん達が浮かぶ。小さい頃からビデオテープが切れるまで見返してた作品だから実質私のもう1人の父と言ってもいいかもしれない。
作品によって様々なタイプの「お父さん」が出てくるわけだが、どんな性格であれ、娘(あるいは息子)を1番に思う父親で最高にかっこいい。

私がジブリ生活の中で1番お世話になった父親は“となりのトトロ”に登場する草壁タツオである。大学の非常勤講師として考古学を教え、病気のため療養をしている妻と、幼い二人の娘を支える太陽のような人だ。

性格もそうだが声も好きな要素の1つである。毛布越しに聞いているかのようなくぐもった声に幼いながらにその声をずっと聞いていたいと思っていた。大学生になりその声の主が糸井重里と知って「ああ、なるほど」と腑に落ちた。
どんな人生を辿っても私はジブリと糸井重里という人間に出会っていたと思う。

数いる父親の中でトトロが一番に上がった理由はおませな年頃のサツキと好奇心の塊であるメイを“子供”でなく“個人”として受け入れ目線を合わせて対等に話しているその姿勢が魅力的だったからだ。
この時代の父親って亭主関白で口調がきつくて教育方針が厳しいイメージが強いものだが、新居(ボロだけど)を裸足で庭を走っても「裏手の扉を探しましょう」と楽しそうに対応するし、メイが気の向くままに森の奥へ行って行方不明になっても咎めず「ここのヌシと挨拶したんだねぇ」と羨ましがる無邪気さに、子供みたいな大人っているんだなぁと羨ましがってた。
だが最近見たトトロでは、子供が寝静まった夜ふけやふとした時のわずかに陰った表情を見ると、この人は父親や夫である以前に1人の人間だって気付かされる。愛する人が側にいない寂しさともどかしさが漂ってきて胸が締め付けられる。子供の前じゃ心から「悲しい」なんて言えないものね。尊敬される父親もたまには感傷に浸ってほろりと涙を流す。文豪は泣きすぎだけど。

私の父?人間として好きだし尊敬している(生き様とか哲学がクール)。でも友達や恋人には絶対なりたくないな。だって親戚一同認めるくらい性格まるまる同じなんだもん。


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