07/10 ベルガモット
ベルガモット やわらかな心
家を出て職場に付くまで30分と少し。なのになんでかな水筒が空っぽだ。ほとんど外通らないのに。曇りの日でも9時頃には1本目が終わってしまう。
この夏乗り越えられるのか。というか来年以降が怖い。怖いものが増えるのが、もっとこわい。
話題を変えよう、新生活を始めた。俺が先に新居に越して、恋人は翌週に来た。
今回は2人の生活……でなく1人の生活について。
2LDKの広い部屋に1人は広すぎる。積み上がっていた段ボールを一つ一つ開けたらまた広くなった。家具は大体届いたけど、この部屋に人間は1人しかいないから余っているものが多くて申し訳なくなる。
広い部屋に1人だと、どうしても入院生活を思い出してしまう。
私が当時入院してた部屋はざっくりとした年代で分けられてて、1部屋4人だった。一見合宿みたいな雰囲気で楽しそうとも思うけど、それは時期による。
手術や半日がかりの検査で帰ってきて疲れ果てて話せなかったり、ホームシックになる子もいた。
入院病棟も閑散期はあるもので、入院患者がいない時は本当にいない。
1人退院して私の1人部屋、なんてこともある。
楽しいと言えば楽しかったけど、看護師さんは常に忙しいし、保母さんもちびっ子メインに相手してる。そうなるとゲームしかない。
だけどゲームの時間まで30分もある……勉強はどうせすぐ忘れるから…と消去法で読んでた漫画や本たちが唯一の支えだった。
夕方にやってくる両親を待ちながら読んでた時間は寂しさもあったのだろうか、慣れすぎて開き直っていたのかも。
いろんな人を待ってた病室から、新たな部屋で大好きな人の帰りを待つ。