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第19話:出遅れたゲームの方(なぜか?)

「ウマ娘」のゲーム開発は大幅に出遅れた・・・笑

それは「アイドルマスター(アイマス)」シリーズとの関係や技術的な側面、世界観コンセプトの問題が深く絡んていたからだ。

周知のとおり、サイゲームスの初期は大手ゲーム会社の請負事業から出発した。

YouTuberとして有名なナカイドさん曰く、この配信の出遅れは絶賛された。

ゲームアプリは2018年冬リリースを予定としていたが、2018年12月に配信の延期が発表され、未定期間を経た後、2年以上の月日(笑)を経て2021年2月24日より配信が開始された。

ゲームの配信の前に、コミックやCD、テレビアニメなど多角的なメディア展開が行われていたが(地下活動)、前の回で述べた様に「ウマ娘」が世に知られたのはアニメの第1期であった。

各種漫画がCygames(サイゲームス)のWEBコミックサイト「サイコミ」で掲載された後、2018年4月から6月にかけてはテレビアニメが放送された(前述)。

その後、本作のスピンオフ作品や4コマ漫画『うまよん』も2020年7月より放送された。

発表当初はかつて株式会社バンダイナムコエンターテインメントにて「アイドルマスター」シリーズなどに携わった石原(章弘)がコンテンツプロデューサーとして制作指揮を務めていた。

その石原は2019年4月をもってCygames(サイゲームス)を退社、それに伴い同職も退任している。

石原はアイマスの親会社(バンダイナムコ)からサイゲームスに移って来たのであるが、開発の編成(進行)において上手くいかなかったらしい。

それもそのはず、2005年に稼働を開始した『THE IDOLM@STER』でディレクターを務めていた彼だが、親会社(出身)と(何も知らない、新しい意欲を持つ)内部の「生え抜き」で意見が分かれるのは当然であった。

アニメ第1期まで在籍した石原はアイマスの手法で競馬ゲームを作ろうとしていたに違いない。

しかし、2021年度版ではその要素は薄れ、グラフィックや育成システムの目に見える向上(分かり易さ)、「競馬の要素」も格段に増した。

コナミの「実況パワフルプロ野球」の育成モードを見るに、より簡素なスポ根ゲームとして新たに生まれ変わった形だ。

特に友情育成システム、グラフィックが大幅に変わった(ようだ)。

通常、アイドル育成ゲームはシナリオを進めながら(強力な)他サポに依存する。

それを用いてデッキの強化(編成)を図る。

現在の「ウマ娘」も同様なシステムを取るが、それがより簡略化された。

サポの押し付けや自らも強力なサポートを作り、他者にドヤ顔で可視化させるような要素は薄まった(「サポガチャ」課金競走、「ランク」競争)。

と、私は感じている・・・笑

サポートカード(サポカ)はカードが強ければいい。

ネット(ゲーム掲示板やツイッター上)でプレイヤーランクは問わずに完凸フレンドを募集すればことなきを済む。

必要以上にフレンドのランクや強力サポカを見せつけられるとやる気がなくなる(ドラクエ=DQMSL=サイゲの請負などの周回・対人ゲームは、この点のサポ要素が薄い)。

また、チーム(サークル)も上手に作り直されたようで、分相応なチームに入ればストレスがたまるようなことはない(笑)

グラフィックの向上は優秀なデザイナーさんの貢献が大きい。

昨今のゲーム事情を語れば、デザイナーさん不足が最も強く指摘される。

例えば、カプコンのモンハンは常に人材不足であった(筆者の経験による、笑)。

(私はバンダイナムコに2015年秋から2017年7月まで内部の人だったので、少しは知識があると思われる、笑)

また、「東京ゲームショウ」(東京で行われない。幕張メッセで行われる。ディズニーランドか!笑)はグラフィックの美しさを競争し合う場所となっている。

可愛いを作り、育てる「ウマ娘」は①競馬オタクの中年男性、②優秀なプログラマー(特にAI要素は重要)、③感性豊かな美術(芸術)家さん(女性が多い分野、女性視点)、④楽曲提供者(主に男性、「アイマス」や「ライライブ」と同じ手法)、⑤シナリオライター(読書の虫)等で構成されている。

(おそらく)こんな感じで徐々に変更が行われたのであろう。

私見になるが、もしこのグラフィックの質でまだ他のアイドル育成ゲームに力(元気)があった2018年に勝負を挑んでいたら現在のようなブームは巻き起こっていなかったと思われる。

例えば、ラブライブ初期もグラフィックにおいて大幅な変更が試みられており、もはや「グラフィックはゲームの生命線」となっていた。

他に、声優さんの認知度を高めるという点で第1期アニメの放送、スピンオフ作品、4コマ漫画などは「ゲームの空白期間において大きな貢献」を果たした。

スペちゃん(CV.和氣あず未)やスズカさん(CV.高野麻里香)ほか、約50人にも及ぶ声優さんを「ウマ娘」のスピンオフ作品やキャラクター(イメージ)ソングをとおして徐々に認知させていく。

私はこのような期間は必要だったと考えている。

「STARTING GATE(スタゲー)時代(シリーズ)」(2016年11月から2018年6月まで)に楽曲提供された「ぼくらのブルーバードデイズ」が今年のクリスマスイベントの主題曲(ゲーム内)になっていた。

(スタゲの漫画もあった。)

このゲーム空白期間の楽曲群は後に続く「WINNING LIVE(ライブ)時代(シリーズ)」(2021年3月から2022年12月まで現在進行中)、や実際のライブイベント(最近4thが所沢で終わったばかり、笑)で大きな務めを果たしている。

なお、「ウマ娘」のメインテーマ(楽曲「うまぴょい伝説」)は2016年3月26日に開催された「AnimeJapan2016」の「ウマ娘 プリティーダービー」(UMAMUSUME PROJECT)発表時のPVで早くも披露されている。

(とりあえず)今回はこんなところまで紹介しておく。

さて、この出遅れた2年以上の期間、ファンの心を繋ぎ止めたのがウマ娘ゴールドシップ(のユニークな「個性」と「広報活動」)=ゴルシちゃんであった!

次回はそのことについて楽しく語っていく予定である。


参考資料:

ウマ娘プリティダービー

石原章弘

株式会社Cygames(サイゲームス)公式サイト

ウマ娘 プリティーダービー 公式ポータルサイト(Cygames)

ファミ通公式サイト

「サイゲームスの新プロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』が発表された【AnimeJapan 2016】」(2016年3月26日付)




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