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ウマ娘と日本社会

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シリーズものになります。
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#ウマ娘

第8話:サイゲームスとウマ娘

株式会社Cygames(サイゲームス)は「最高のコンテンツを作る会社」をビジョンとし、「ゲームの企画・開発・運営事業」を行っている企業である。また、多国籍企業や請負会社としての側面を持つ。サイゲ(通称)と言えば、スマホゲー。ゲームファンの間では定着している。一般の人でもテレビCMの観点からそのようなイメージを抱く人も多いことだろう。 2011年の創業以降、本企業はまさに「うなぎのぼり」で成長してきた。初期の頃は主に大手ゲーム会社の請負会社として、2010年代半ばからは自社作

第9話:クロスメディア(メディアミックス)の新革命

「ウマ娘」はクロスメディア、あるいはメディアミックスと呼ばれるコンテンツである。それゆえ、アニメ、ゲーム、コミック、CD、ライブイベント等を縦横無尽に横断する。実際のところ、こうしたマルチタスクをこなすゲームタイトルは遥か昔の時代からあった。ドラゴンクエストはその典型例であろう。ドラクエの場合はライブイベントが演奏会にあたる。  しかし、従来までのクロスメディアと「UMAMUSUME PROJECT」が異なる点は(あらかじめ)「ウマ娘」という名のキャラクターによる「個性」が著

第10話「名馬」の擬人化(という発想の源)

馬の擬人化(美少女化)。はたしてそのような途方もないことを突然思い浮かぶ人はいるのだろうか? あ!そう言えば昔、言葉を話す埴輪と馬が居たぞ! 「おーい!はに丸」(1983年から1989年までNHK教育テレビで放送された幼児向けの言葉の教育番組に・・・)。 サイゲームスの中に居るアラフォー世代(おおよそ36歳から44歳まで、40歳前後)は間違いなくお馬のひんべえを知っている(笑)また、小学生の時に国語科目で「スーホの白い馬」を経験し、小学生から高校生までの期間で「みどりの

第11話:「推し」の構造(※九鬼周造の話ではありません)

生物学的な観点からみれば、男性と女性の恋愛感情は異なる。機能的には男性は複数の女性を愛し、女性はひとりの男性に尽くす(はずであると思いたい、笑)。近代社会においては「一夫多妻」(論争)はあっても「一婦多夫」は倫理的な側面からなかなか生じづらい。 日本の男性アイドルグループは決して大人数ではない。しかし、女性のアイドルグループは大人数を可能にさせる。それができるのは、男性は複数の女性に愛の眼差しを向けることが容易いからである。より厳密に言えば、そのような欲望にマッチしたものを

第12話:美少女アスリートの商品価値

想像してごらん!競馬を知らない人がウマ娘のテレビCMを観ている姿を 想像してごらん!女の子が芝の上で走っている姿を 想像してごらん!「ウマ娘」というタイトル抜きの世界観を 単なる陸上競技やないかーい!笑 それも競馬場で走ってる・・・ アニメーションで女子陸上部の熱血物語(姿)を日々見せつけられている私たち そこに馬のコスプレをしながら走っている人間との違いはあるのか。 少女A「兄ちゃん、これどんぎつねさんときつねダンスの馬バージョンや!」 その兄「節子、そない

第13話:アイドルの多様化①

女性アイドルについて真剣に書こうと思ったら、シャーペンの芯が折れた。 チーン!(心が折れた音) そう言えば、私はこの分野についてあまり詳しくなかった。 調べるのも面倒だから、私が調べなくとも知っている人たちを中心に書いていく(ことにする)。 逆に言えば、私でも知っているくらい有名だったということだ。 どうしよう。 美空ひばりの「東京キッド」、並木路子の「りんごの唄」、笠置シヅ子の「東京ブギウギ」は歌謡曲になるだろう。 吉永小百合は女優のイメージがあるからその領域

第17話:「スポーツ」としての競馬

競馬は「ギャンブル、スポーツ、ゲームである」と学問の世界では言われている(長島 1988)。 (noteでは「あそび」、「ギャンブル」、「スポーツ」、「ゲーム」の詳しい歴史については略。概念が出来た順番は「あそび」、「ギャンブル」、「ゲーム」、「スポーツ」の順です。ジェントルマンの娯楽=「スポーツ」の時代もありましたが、日本の競馬では「ギャンブル」、「ゲーム」のイメージが先行し、「スポーツ」のイメージは後付けとなった。) ゲーム「ウマ娘 プリティダービー」の特徴は「ギャン

第18話:新馬戦はアニメ第1期(中央入り)

ウマ娘ブームは2021年春に訪れた。 というと、古参の人はブチ切れるかもしれない(笑) なぜならアニメ第1期もヒットしたからだ。 2016年に発表された「UMAMUSUME PROJECT」は、2018年に事実上のメイクデビュー(第1期のオープニング曲は「Make debut!」、エンディング曲は「グロウアップ・シャイン!」、新鮮な感じがする)を迎えた。 無論、この2年の間にも様々な動きがあったのであるが・・・ 多くのアニメ・競馬ファンが「ウマ娘」を認知したのは、第

第19話:出遅れたゲームの方(なぜか?)

「ウマ娘」のゲーム開発は大幅に出遅れた・・・笑 それは「アイドルマスター(アイマス)」シリーズとの関係や技術的な側面、世界観コンセプトの問題が深く絡んていたからだ。 周知のとおり、サイゲームスの初期は大手ゲーム会社の請負事業から出発した。 YouTuberとして有名なナカイドさん曰く、この配信の出遅れは絶賛された。 ゲームアプリは2018年冬リリースを予定としていたが、2018年12月に配信の延期が発表され、未定期間を経た後、2年以上の月日(笑)を経て2021年2月2

第20話:ユーチューバーとなったゴールドシップ

ウマ娘芸人・ゴルシちゃんがユーチューバーになったとき、(また一つ)世界が変わった! ゴールドシップ「おい、スペ!その話しちゃうのか・・・愛してる、笑」 ゴルシ星から愛を込めて・・・ 「ぱかチューブっ!」(チャンネル登録者数95.8万人)・・・2022年12月20日現在 固定動画(トップ画面) ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』1st Anniversary Special Animation は328万回再生(9か月前)2022年2月22日 再生回数ページ内4位

第21話:アニメ第2期とゲーム配信

遂にこの時が来た! アニメ第2期の最中、2021年2月24日についにゲーム「ウマ娘 プリティダービー」が配信された。 まずはアニメ第2期から解説。 第2期のウマ娘は2021年1月5日から3月30日までの期間に放送され、全13話であった。 主人公にトウカイテイオー、準主人公にメジロマックイーンが設定された。 舞台の時期はトウカイテイオーの皐月賞、メジロマックイーンの天皇賞・春(1回目)が終わった1991年春から1993年秋までの物語であった。 アニメの中ではトウカイ

第22話:可愛いを競うゲーム

ウマ娘は一個の哲学である。 ゲーム『ウマ娘 プリティダービー』編に入る前に少しおさらい。 「ウマ娘 プリティーダービー」は、かつて日本競馬に実在した「名馬」(競走馬)をモデルとする「ウマ娘」をメインキャラクターにしたゲーム制作会社Cygames(サイゲームス)によるメディアミックスプロジェクト(「UMAMUSUME PROJECT」)である。 (クロスメディアあるいはメディアミックス自体は決して珍しい出来事ではない。しかし、ウマ娘の場合はこれが世界レベルで展開されており

第23話:やっとみんな会えたね

「UMAMUSUME PROJECT」構想から5年(6年以上) ゲームの開発の遅れから2年以上。 プロジェクトのテーマ曲である「うまぴょい伝説」(2016年発表)と ゲームのメインテーマ曲である「GIRLS’LEGEND U」(2021年発表)は、 全く同じ意味であるという(ポストメディア編集部 2021: 77)。 「U」は蹄鉄を意味し、フタが閉じている方を下側にして(家の扉などに)飾ることは古代から運気(財)をためることを意味する。 「うまぴょい=馬が飛び跳ね

第24話:ゲーム社会の変革と私たちの馬、競馬観念の変容(2.24革命以後の世界)

「ウマ娘」の登場は現代社会における馬・競馬概念と私たちの馬・競馬の観念を変えてしまった。 今や競馬場の中を人が走っても何も違和感はない・・・笑 (2000年代にそれをやったらお笑い芸人のコント、罰ゲームなり!) またゲームの登場によって、ダメージを食らってしまった分野もある。 既存のアイドル育成ゲームや競馬ゲームなどだ。 (これについては以前も触れた。) 特に競馬ゲームは多大な被害を受けることになった。 アイドル育成ゲームと「ウマ娘」の両立は比較的容易い。 し