「パーカーおじさん」炎上で記憶がよみがえった7年前の衝撃インタビュー
Webメディア『新R25』の公式YouTubチャネルで、40歳近くなってTPOをわきまえずにパーカーを着ている「おじさん」を「おかしい」と形容して、コラムニストの妹尾ユウカが燃えている。
これを機に彼女は複数の媒体のインタビューを受け、さらに知名度をあげている。
私は彼女の名前を見つけて
「全然キャラブレしてねえ!」
とむしろ感慨さえ覚えてしまった。
そんな彼女を初めて知ったのは、7年前の衝撃的なネットのインタビュー記事だった。
「20歳のインフルエンサー妹尾ユウカインタビュー 私たちはこれからも彼女の毒とズルさに踊らされ続ける」という記事だ。
これほどインタビュアーと語り手のバチバチした火花が飛んでくる記事は、なかなかないので、鮮烈な印象を残した。
記事からは、妹尾ユウカがインタビュアーにかみつき、息を吐くように毒を吐きまくる取材が繰り広げられたことがうかがえる。
一般的にインタビュー記事は「質問に対して解答する形式」「対談形式」「1人語り形式」「背景説明とカギ括弧形式」のいずれかで構成される。
しかし、この記事のインタビュアーは自分の主観も考えも全てぶち込んで、若さゆえに許されがちな彼女の毒舌について、別の毒で制しようと果敢に筆で挑んでいた。
取材中の妹尾ユウカは「元々私は人をバカにするのが得意ですから」「媚びようと思わない」といった発言をしているが、毒を吐くキャラを求められ、それを体現している時点で、それは「媚びていない」とは言えないのではか……とインタビュアーは、逡巡する。
当時まだ20歳という若さを踏まえて「どうか、“もっと毒を!”と求められることに答える人生で、終わってほしくないと思った」とまで書ききっている。
さらに、インタビューの後半、こんなくだりがある。
7年たって、インタビュアーの予想通り、彼女は言動をとがらせているし、著名度を増している。炎上を重ね、容姿を劇的に変え、自信を蓄えた今も、彼女の発言に踊らされて、怒る人がいる。
日本では、定期的に彼女のような毒舌女性キャラの登場を待ち望む人がいる。
自分の経験をあけすけに語り、誰かをぶった切ったり、恋愛や性について語ってくれる誰かを。
そんなキャラを体現する女性はたいてい、女性らしい容姿を全面に出しながら、簡単に男には媚びない、恋愛経験豊富で強そうな女性のキャラを演じる。
誰かがメディアから姿を消せば、また別の誰かが表れる。
そんな彼女たちに何かを言わせ、誰かをぶった切って欲しい人がいる限り、従順な彼女たちはそのリクエストに応え続けるのかもしれない。