ぐっすり眠りたいあなたへ!入浴がもたらす睡眠革命の真
人間にとって、疲労回復のための休息で最も重要なのは、やはり「眠り」です。質の高い睡眠を得るためには、入浴が大きな役割を果たします。入浴自体にも疲労回復効果がありますが、ここでは入浴を「良質な眠りをサポートするツール」として考えてみましょう。
40年以上の不眠症を克服した70代女性の実体験
私が温浴施設を運営する中で出会った、ある70代の女性のお客様がいます。彼女は40年以上にわたり不眠症に苦しんでいましたが、私たちの施設の「高濃度人工炭酸泉」を利用することで、人生で初めてぐっすり眠れるようになりました。
彼女は、当施設にほぼ毎日通い、炭酸泉に20分から30分浸かり、その後少し休憩を挟み、これを3回から4回繰り返すという日課を続けました。その結果、夜中に一度も目が覚めず、朝までぐっすり眠れるようになったのです。
睡眠中にトイレに行きたくなる原因とその改善
年齢を重ねると、夜間にトイレに行きたくなる人が増えると言われていますが、彼女の場合は若い頃からこの症状に悩まされていました。しかし、70代に入ってからこの症状が改善されたのはなぜでしょうか。
人間の身体は、昼間と夜間では尿意を感じるメカニズムが異なります。昼間は交感神経が優位で、尿意を感じやすくなっていますが、夜間は副交感神経が優位となり、抗利尿ホルモンが分泌され、尿量が減少します。このため、夜間の睡眠中にトイレに行かずに済むのです【注1】。
彼女の場合、若い頃から交感神経が常に優位で、睡眠時も副交感神経が正常に機能していなかった可能性がります。しかし、毎日の入浴を通じて、副交感神経が優位になるよう体質が変わり、深い睡眠が得られるようになったのです。
毎日の入浴で体質改善を
このお客様は、毎日の入浴習慣を通じて体質を改善することができました。これは、家庭のお風呂でも実践可能な方法です。
10分から15分の入浴を、のぼせない温度で行い、しっかりと体を温めましょう。一度湯船から出て休憩を挟むことも重要です。この際、シャワーで足に30度程度のお湯をかけると、温冷交代浴の効果が得られます。
再度、湯船に浸かる際には、急に立ち上がらず、中腰で半身をお湯から出すようにしましょう。これにより、立ちくらみを防ぐことができます。
まとめ
毎日の入浴は、体質改善だけでなく、質の高い睡眠をサポートする効果もあります。入浴を生活に取り入れることで、より健やかな毎日を手に入れましょう。
【注1】尿意に関する生理的メカニズムについては、「自律神経の重砲な役割とは?」を参照しました。