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「白内障手術」その前に!知っておくべき視力喪失の危機

白杖の白状(こくはく)—明るい失明の物語

ドクターの冷静な声が耳に響いた。診察室で告げられたのは、水疱性角膜症という名前の、なんとも厄介な目の病気だった。

角膜の細胞が減少し、視力が次第に失われるこの病気、簡単に言えば「明るい失明」へと至るものだ。今、目の前が白くぼやけているが、その白さはこれからますます濃くなる。明るくて白い世界で何も見えなくなる。心は真っ暗になる思いだ。

白内障手術の影響とその後の苦悩

なぜこんなことになったのか?振り返ると、数年前に行った白内障手術が疑わしい。

医師の見立てでは、白内障手術によるダメージで角膜の内皮細胞が減り、それが原因でこの水疱性角膜症が引き起こされたのではないか、というのだ。

白内障手術は今や多くの人が受けるもので、術後は眼内レンズのおかげで視界が劇的に改善する。私も術後、しばらく調子が悪かったものの、数年間は普通に生活できていた。

その間に角膜細胞は徐々に減少し、気づかぬ間にこの状態に至ったのだ。

これから白内障手術を考えている方がいるなら、角膜内皮細胞の数値を事前に確認しておくことを強くお勧めしたい。角膜の健康は、手術の成功に直結する重要な要素だからだ。

角膜移植をめぐる葛藤と不安

今の視力は、右目0.04、左目は測定不能という状態。晴れの日でも、まるで摩周湖の霧の中にいるかのような視界である。

唯一の解決策は角膜移植だと告げられた。しかし、移植という言葉に不安が募る。ドナーがすぐに見つかるのか、成功の確率はどのくらいなのか、あれこれ考えてしまう。自費治療なら海外から輸入可能で、4ヶ月も待てば角膜を取り寄せ、手術ができるらしい。それでも不安は尽きない。

左目は移植をしても効果が見込めず、右目だけが頼みの綱。しかし、手術が成功する保証はどこにもない。拒絶反応が起きる確率は30%、また手術がうまくいっても視力が長続きしないかもしれないという、シビアな選択を迫られている。

白杖とともに歩む日々—慎重な選択のすすめ

今では、身障者手帳を持ち、白杖を頼りに日々を過ごす身となった。失明という現実に直面し、悩みも尽きない。

角膜移植は最後の切り札にすると決めた、自力の視力がなくなった時に考える。覚悟が決まれば結構気楽になるもんで、日々を前向きに捉え、見えづらい世界を生きている。

白内障手術を受ける方へ—

今では美容室に行くくらいの感覚で捉えられる白内障手術。街中の眼科でも手術は行なっている。

だけど、決して軽々しく考えず慎重に判断してほしい。視力を取り戻すための手術が、逆に大きなリスクを伴うこともあるのだから。医師とは十分に相談してくださいね!


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