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あなたを10年若く、健康へ導く「沸かし湯」を侮ってはならない!
年間120万人のお客様をおふろで癒してきました。
その経験から感じることなのですが、銭湯のお湯をさして、“沸かし湯”と表現する場合、しばしば温泉ではなく、水道水を意味する言葉で使われることがあります。
そして、なんとなく温泉と比べて見下したような、さげすんだようなニュアンスを含んでいるような気がするのです。
これは多分に日本人の温泉至上主義によるものではないでしょうか。
みんな大好き天然温泉、もちろんぼくも温泉は大好きです。だけど、温泉もいろいろなものがあって、決して水道水や、井戸水が温泉に劣るものではないということも力説しておきたい!
今回は、温浴施設でつかわれているお湯についてお話ししたいと思います。
温泉とは何か
最初に申し上げておきますが、おふろの力というか、人の心身に対してもたらす効能に影響するのは、そこに含まれる成分だけで決まるものではない。
お湯の持つ温度に、大きな意味があります。人は温かいお湯につかり身体をあたためることによって得られる効能には、はかり知れないものがあるのです。
ですから、一般的に天然温泉であっても、温度の低いものはあたためて提供されます。当然ですよね。そう、温度の低い温泉は加温をする、つまり沸かして利用されるのです。つまり、それは沸かし湯ということになりますね。
もちろん、冷泉として、加温せず利用する場合もあるのですが、それは例外としましょう。
ここで、どのようなお湯が温泉として認められるのかを検証しておきましょう。日本の温泉は、温泉法に基づきは以下の特徴のいずれかを満たす地下水とされています。
1、泉温が25度以上のもの。
2、18種の規定された物質成分が、規定された量以上の溶存した温水、鉱水、水蒸気。具体的には、リチウムイオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫化水素、ラドン、メタボリン酸などがある。
(環境省温泉の定義より)
水温が25度以上の地下水は温泉とされる
まず、最初に水温が25度以上であれば温泉と定義されるというのが、割と多くの人に理解されにくいのではないでしょうか。
25度といえば、少しぬるい水で、お湯とはいえません。ですが、溶存物資が含有されていなくても、特定の治療効果が期待できると立証されていなくても、加温をしない状態で水温が25度以上であれば温泉なのです。
実際には、なんの成分も含まれていない地下水というものは考えにくいので、なんらかの含有成分が含まれており、健康に作用するとは思いますが。
温泉といえば、火山や、地熱の影響で、熱いお湯が地表に湧き出す!といったイメージがありますよね。しかし、これは火山活動が活発な地域、あるいは地熱活動のあるような一部の温泉地帯に限られます。こういった地域の温泉は、熱や、ガスの力で自噴をすることから、温泉が湧くといったイメージとして捉えられています。
これに対して、温泉地帯以外にある健康ランドや、スーパー銭湯の温泉の温度は、沸かして使わなければならない温度であることがほとんどです。地中深く、温泉の水脈にポンプを埋め込み、動力の力で汲み上げています。自ら地表に湧き出しているわけではありません。
それでも、泉源から汲み上げた温泉を、湧いたと表現することが多く、「湧く」と「沸く」の語感が同じため、温泉イコールあたたかいモノとしてイメージされがちなのですね。
温泉の成分の規定
温泉は規定された成分が含まれていれば、源泉温度が25度未満でも温泉として認定されます。
規定された成分は全部で18種類あり、成分によって認定に必要な含有量は違います。これらのなかのひとつでも規定量が含まれているか、それぞれの含有量は規定以下でも、複数の成分の総和が1K g中1000mg以上含まれていることが条件となりるのです。
これらの成分による効能は、その種類によって様々。含有される成分によって期待され、得られる効能は違います。その成分が含まれることによって、通常の温水とは違った効用が期待されるとされているのです。
温浴施設で利用される水
さて、それでは温泉を使っていない銭湯やスーパー銭湯はどんな水を、お湯として使っているのでしょうか?それが、この記事の主題でもあるのです。
答えは、水道水だけではありません。
水道水を使う施設もあれば、地下水を使う施設もありますが、施設の環境によっても違ってきます。
水道水を舐めてはならない
一般的に、水道水は、なんといっても人間さまが、そのまま飲んでも大丈夫な水ですから、安全で安心で、清潔である!
人間が飲んでも大丈夫な水というのは、飲料適合基準という高い基準をクリアしなければならないのです。
温泉にも飲料適合基準があり、飲んでも良い温泉とそうでない温泉がある。飲料適合基準を満たした温泉は非常に少なく、希少性のあるものなのですよ。
温浴事業で使うおふろやシャワーの水は、もちろん高い安全基準が設けられており、それをクリアしなければなりません。しかし、飲料適合基準までは求められていないのです。
飲料適合基準とは、その基準よりはるかに高い基準にあるわけです。
数年前、豊洲市場の地下水汚染問題が大騒ぎになったことをおぼえておられるでしょうか?
この地域の地下水に、ベンゼンという汚染物質が含まれていたとされ、そんな土地に魚市場を建ててよいのかという問題でした。
市場内で、地下水を使う訳ではないし、施設内の地下水はベンゼンはおろか、環境基準の10倍以上の基準で浄化していたのですが、敷地内の建屋の地下に、飲み水には適さない湧水が存在するという理由で、連日マスコミが大騒ぎをしていました。
豊洲市場の地下水と単純比較はできませんが、日本中の多くの温泉や、銭湯は、飲んでも良い水やお湯は使っていません。毎日何万人もの人が、そこに裸になって入っているのに、さすがにこのレトリックはおかしなはなしだと思っていました。
逆にいえば、それほど水道水というのは安全で安心なのです。
温浴施設は水が命
では、水道水も温泉でもなく、地下水を利用している施設の現状はどうなのでしょうか。
先にも述べましたように、温浴施設で使う水は高い基準での安全をクリアしなければなりません。
汲み上げた地下水がそのままおふろで使える地域は、よほど綺麗な清流や、地下水脈を持つ自然環境の良い場所に限定されます。
大量の水が必要な大型施設では、自前で浄水所さながらの設備投資をして、汲み上げた地下水が基準にあう水質に適合するようなシステムを組んでいます。そこまでするのは、それだけ、水道水は高価なものだからなのです。
もちろん、温浴事業者にとって、水は命です、日夜保健所の厳しい基準検査の適合をはるかに超えた基準での水質管理をしております。
たっぷりのお湯でゆぶねにつかろう
どんなに優れた成分を含有した温泉でも、温度が低ければ沸かさなければあたたかくはなりません。温泉の効果は、たっぷり貯めたおふろにつかってこそ、その効果を発揮します。
温泉の成分や、匂い、色、肌感は、天然のスパイスだと思っています。たっぷりと、あたたかいお湯があってこそ、その効果は発揮されるのです。
沸かし湯、上等じゃないですか!
温泉でも、水道水でも、地下水でも、しっかりと基準を満たした水を沸かしたお湯に、肩までつかってやりましょう。極上の幸せを手にすることができますよ。
まとめ
①温浴施設で使用されるお湯には
温泉、水道水、地下水がある
②それぞれのお湯は、高い基準で衛生管理がされている
③天然温泉でも、沸かしたお湯は沸かし湯である
④たっぷりのお湯の量と、温度がお風呂の最大の決め手である。だから自宅でもOKだね!
⑤沸かし湯上等なのである!
最後に、お願いがあります。
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