男の一人旅 高雄・台南・屏東🇹🇼編①
4693文字
ひょんな思いつきから、11月5日〜9日の4泊5日で台湾南部の都市、高雄・台南・屏東へ一人旅してきた。
旅先を台湾にした理由は、比較的安く、そして短時間で行けるからである。
ただし、冒頭で「ひょんな」とは綴ったが、どうも日々の生活の行き詰まり感を脱却したかったという気もしている。
久々に何か書こうとしているからか、台湾に行ったことによる目に見えない心の変化のせいなのか、全然上手く書ける気配がしないのだが、ここは目を瞑ってダラダラと書いてみることにする。
飛行機での出会い
そういえば、どうして台湾なのに台北ではないのか書くのを忘れていた。
僕は、ここまでの旅の経験であまり大都市には興味が湧かず、ほどほどの人口とほどほどの観光名所と美味い飯があればそれで十分だった。
また、台北は高校生の時に修学旅行で訪れたことがあったので、今回は別の都市に絞ってみたのだった。
航空券を Skyscanner で調べると、関西国際空港からは高雄国際空港へ直行便が出ているらしかった。そういうわけで、今回の旅は高雄を拠点とすることにした。
航空代金は Peach × 閑散期ということもあってか、往復42,620円とかなり安く抑えることができた。
早速話を旅行当日に移し、早々に手荷物検査を済ませ飛行機に乗り込むと、隣の席には色付きサングラスに総柄のシャツと半パンを着た、いかにも柄の悪そうな兄ちゃんが座っていた。
そんな兄ちゃんであるが、トイレが近いようで3回も席を立ったので、「すみませんねー、何回もー」と律儀に詫びてくるなど見た目とは真逆の良い人そうだった。
そうこうしているうちに約三時間のフライトもあっという間に過ぎ、飛行機が着陸体制に入った頃、兄ちゃんがソワソワし始める。
そして突然、僕に声をかけてきた。
「台湾には旅行に行くんですか?」
どうやら、座席の前ポケットに挿していた「地球の歩き方」を見て、僕が日本人であると分かったらしい。
あまりに日本語が上手なので、すっかり日本人だと思い込んでいたのだが、兄ちゃんが一言。
「僕、台湾人なんですよー」
しばらく話をしてみると、奥さんが日本人で一緒に大阪に住んでいるようで、今回は年に1、2度の実家への帰省のタイミングとのことだった。
僕より10歳年上の42歳にも関わらず、話すうちにすっかり仲良くなってしまい、現地の美味しい店や観光名所を教えてもらい、LINE の連絡先も交換して、台湾滞在中も色々とアドバイスをもらった。
彼は、空港到着後も最適な両替場所や交通系 IC カードの購入場所など色々教えてくれて、別れる最後まで親切な人だった。
こんな些細な出会いではあるが、僕にとっては最高の旅の始まりとなったのだった。
高雄国際空港にて
高雄国際空港は、僕の所感では国際空港のわりにはそこまで大きな空港でもなく、到着ロビーに必要最低限の施設が整っているので分かりやすかった。
早速、台湾銀行で US200ドル を両替し、6290NTD となった。ちなみに、1 NTD = 約4.7円なので5倍するとおよその日本価格で計算できる。
続いて、交通系 IC カードを購入するためにファミリーマートに入った。店内をぐるりと2周したが、ラックには掛かっていなかったので、店員さんに聞いてみるとレジ奥からカードが出てきた。
店員さんにカードの購入代 100NTD とチャージしたい金額を伝えて、合計金額を支払うと無事手に入れることができた。
高雄国際機場〜美麗島まで
台湾は交通の便が非常に良い。
台湾全土を結ぶ在来線である台鉄(台湾鉄路、TRA)、台湾の地下鉄・都市鉄道である捷運(MRT)などが整っており、日本と比べても遜色ない感じだった。
今回のホテルは美麗島という駅が最寄りだったので、そこまでの道のりをまとめてみる。
駅のホームで電車を待っていると、早速おばちゃんに声をかけられた。
「ウェイ!ゲンジョンザイガンマ?ジュンベーハオラー?シンティーシューフクァイバ?」
会話は適当に作成したが、イメージとしてはこんな感じで全く何を言っているか分からなかった。
僕は中国語が話せないことを伝えると、英語に切り替えてくれて、写真を撮ってくれとのお願いだった。
そもそも、駅のホームで写真を撮るという行動が謎だったが、写真を撮ってあげると「Perfect!」と言って満足気に去って行った。
光之穹頂(Dome of Light)
美麗島駅には、観光名所となっている 光之穹頂(Dome of Light)というステンドグラスのドームがある。
イタリアのアーティストが1252枚のガラスを使って人間の一生を「水・生命の子宮」「地球・繁栄と成長」「光・創造の精神」「火・破壊と再生」という四つのテーマに沿って描いているらしい。
写真映えはするのだろうが、個人的にはプラスチックのような質感に見えて、あまりいいなとは思わなかったのが正直な感想である。
ホテルまでの道のり
最寄りの美麗島駅からホテルまではバスでも行けるが、歩いた方が早そうだったので、歩くことにした。
道を歩いていると、まず気づいたのがマスクをしている人が多いということである。空を眺めていても霞んでいるのが分かり、明らかに空気が汚い。高雄は車やバイクの交通量が多く、その排ガスで大気汚染が進んでいるらしかった。
また、道路沿いに飲食店が立ち並んでいるので、車やバイクを店の前に停車させて、飲食物を買いに来る人が目立った。そういう理由もあり、バイクが普通に歩道に乗り込んでくることが多かった。
事故も多いみたいなので、要注意。
Royal Fine Hotel
ホテルは Trip.com で適当に安かった Royal Fine Hotel というところに宿泊した。時期的なせいか不明だが、綺麗なわりに4泊で17,007円と素泊まりではあるが安かった。
トイレは台湾でさえ、トイレットペーパーを便器に流せない仕様だった。これはつくづく思うが、日本は本当に恵まれているのである。
散歩(ホテル→愛河→港園牛肉麵)
この時点でまだお昼ご飯を食べていなかったので、遅めの昼食にすることにした。昼食は飛行機の隣席の兄ちゃんに教えてもらった港園牛肉麵を目指すことにした。
ホテルから港園牛肉麵まではバスが最適だが、土地勘を掴むために歩くことにした。
再び、道中をまとめてみる。
愛河の川沿いは、歩道が整備されているので歩くにはオススメである。ランナーもいるが、どちらかと言えば休憩中のお年寄りが多いイメージで時間の流れが緩やかである。
そして、景色が美しい。水面に映る街並みも綺麗である。
浮島で本を広げて読書をする青年もいるくらいなので、地元の人の憩いの場なんだろうなと感じた。
港園牛肉麵(Gang Yuan Beef Noodle Restaurant)
港園牛肉麵に到着すると、夕食にはまだ早い時間にも関わらず、かなり賑わっていた。店に入ると、丸々太ったおばちゃんが出迎えてくれて「ジャパニーズ?」と聞かれ、こっちへ来いと手招きされた。
僕は、牛肉半麺とおばちゃんオススメのきゅうりの漬物を注文した。タイミングが良かったのか注文から10分ほどで運ばれてきた。合計 170NTD。
画像からも分かるように、明らかに美味いやつである。牛肉半麺は汁が少なめで、その分旨みが凝縮されたような味付けとなっている。なので、汁ありメニューも存在する。
まずはスープであるが、牛肉ベースなので日本の豚骨ラーメンとは違い、比較的あっさりしていて飲みやすい。あっさりはしているのだが、牛肉の旨みが異様に浸み出していて、これがめちゃくちゃ美味い。
麺は日本のうどんに近い食感でモチっとコシがあるタイプ。かといって、うどんのような緩さはなく、麺自体がしっかりしているのでちゃんと食べた感じがある。
また、牛肉が肉厚である。肉厚である場合、硬いことが想像されるが、この肉はホロホロまでとはいかないが柔らかい。そして、スープの出汁をしっかり吸っているので、肉本来の味と相まってめちゃくちゃ美味い。
きゅうりの漬物は、日本で食べるようなものと少し違い、酸っぱさがある感じがした。お酢が入っているのかもしれない。この若干の酸っぱさと清涼感が牛肉半麺を中和して、あいだあいだで食べるのが美味しい。
牛肉半麺は麺の量もある程度入っているので、少し味変したければ、きざんだニンニクやラー油が用意されているので、それを追加するのも美味しかった。
グルメハンターとしては、大満足の味だった。
高雄流行音樂中心(Kaohsiung Music Center)
港園牛肉麵を後にし、周辺の観光名所を再び歩いてまわることにした。
高雄流行音樂中心は、音楽業界発展のために作られた施設でコンサートホールがあるそうである。パブリックアートとしても有名で、夜はライトアップされていた。
すぐ近くには高雄港があるため、夜景も綺麗な場所だった。
大港橋(Great Harbor Bridge)
大港橋は2022年に完成した全長110mの橋であり、船を通せるよう水平に旋回する可動橋で、台湾初かつアジアで最長の旋回式可動橋なんだとか。
実際の旋回タイミングには出会えなかったが、綺麗な場所だった。
散歩(大港橋→愛河→ホテル)
大港橋から再び歩いてホテルまで戻ることにした。歩いてばかりだが、文句を言われることもないので、一人旅はこれが良い。
六合觀光夜市(Liouhe Tourist Night Market)
さすがに歩き疲れ、ホテルで少し休んだ後、近くの六合觀光夜市に行ってみた。
台湾のナイトマーケットは、その開催場所によって雰囲気が結構違っていて面白かった。商品の中心は飲食物がほとんどだった。そして、全くいやしい感じがしなかった。日本のお祭りの縁日に近いかもしれない。
何か特別食べたいなと思うものはなかったが、目の前で調理している洪家炒飯の炒飯が美味しそうだったので席に座った。
下記画像のように手書きで注文するので、言葉の壁は問題ないのだが、いかんせん内容が分からない。なので google 翻訳で読み取って上から2段目の肉細切れ炒飯を注文した。
ちなみに、台湾人はほとんど英語が通じなかったので、ジェスチャーが上手になった。
台湾のナイトマーケットではジュース屋さんが多かったので、試しに別の店でパイナップルグァバジュースを購入した。もう味は思い出せないが、美味しかったことだけは覚えている。
つづく