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晩酌のてばさ記

「手羽先ってこんなに塩っぱかったっけ?」

ユウジがテイクアウトしてきた手羽先を食べてマサミは言った。

「名古屋名物ってさ、ぜんぶ茶色いしぜんぶ味濃いんだよね」

「あー、たしかに。ひつまぶし、味噌カツ、、」

「味噌煮込みうどん、えびふりゃー、台湾ラーメン!」

「毎週は食べたくないけど、3ヶ月に1回くらい食べたくなる塩っぱさ」

「休日にビール飲みながら食べたいものばっかりだがね、やっとかめ」

「じゃあ、打順を決めよう。春はひつまぶしとビール、夏は味噌カツとビール」

「秋は味仙で台湾ラーメン青菜炒めイカ団子とビール、冬は味噌煮込みうどんとビール」

「あきー。よくばりー」

「これさ、もしかしてビールメーカーが名古屋を支配してるんじゃない?」

「あるな」

「あの金メダル噛んじゃうおじさんのことを操ってんのはビールメーカーだよ絶対」

「しかも1社じゃなくて4社ね。ひつまぶし担当と台湾ラーメン担当は別の会社ね」

「気づいちゃったな。名古屋の真実に」

「この手羽先はどこのビール会社が担当してんのかねぇ」

と言いながら冷蔵庫へ向かうマサミ。手羽先2本で350ml缶が1本あいた模様。

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