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「曲作りにもそのセンスが光る、女性ならではの視点に感服~『ねじねじ録』~」

『ねじねじ録』 藤崎彩織 著 (水鈴社)       2021.8読了
 
私の大好きなバンド「SEKAI NO OWARI」の唯一の女性メンバー、Saoriちゃんのエッセイ集です。
デビューして音楽活動を続けそして結婚・出産した後も、常にふとしたある瞬間に頭にひらめくいろいろな思考を、彼女ならではの視点で表現されています。
 
子どもの頃の忘れられない思い出や事件、事故。
今現在において、女性ならではの悩み、そして社会に対する理不尽にも感じること。
特に性教育が日本で置かれている位置に関してはかなり踏み込んでいて、かなり苦言や提言もされており、似たようなことを感じていた女性が改めて納得することになります。
この件については、TVなどでも取り上げられました。

また、バンドを始めてからの、メンバー間で起きたまさかの解散寸前になるまでの衝突のこと。
(もしこの時こじれてしまい収束できないままだったら、きっと解散までいっていたはずで、そうなると私たちファンはこれまで楽しんできたいろんなタイプの楽曲や大掛かりなセットで観客を楽しませてくれるライブなどがなかったかもしれないと思うととても寂しいし、「仲直りしてくれてありがとう!」と感謝したいくらいです)

そして妻となり母となったときにはじめて知った夫の事や子供に対する接し方や、さらに普段から感じていた世界の中の違和感。
 
それらを様々に考察する彼女のセンスが感じられました。
中でも言葉選びがとてもおもしろくて、
 ・銭湯で見かけた美しい女性を見てドキドキしたというシーンで、
  「ときときと鳴る胸を・・・」
 ・民家からの風鈴の音に反応したとき、
  「心がころころと呼応した」
などのようなちょっと不思議でかわいい表現があって、新しいオノマトペみたいですね。
 
そもそものタイトルである「ねじねじ」という言葉も、メンバーのFukaseくんから言われた言葉からきているそうですよ。
 
普段から歌唱する自分たちの曲の歌詞も、自分たちですべて創作しているので、メンバーの誰もが感性が豊かなのかなと感心します。
元々なのか、曲作りをしていくうちに育ったのかはわからないけど…。
いずれにしても、これからも曲の中で素敵な言葉紡ぎを期待しています。
 


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