「物語で知る幸福への道~『Good Luck グッド・ラック』~」
『Good Luck グッド・ラック』
アレックス・ロビラ&フェルナンド・トリアス・デ・ベス 作
田内 志文 訳 (ポプラ社) 2006.7読了
54年ぶりに公園のベンチに隣り合わせたマックスとジム。
久しぶりの再会に喜ぶ二人は、お互いのこれまでの人生を語って聞かせます。
貧乏な家柄のマックスは次第に成功をおさめ、金持ちのジムはだんだんと落ちぶれていきました。
マックスはなぜ幸運を掴むことができたのでしょうか?
それはマックスの祖父が話してくれた物語にヒントがあったからでした。
魔法のクローバーを魅惑の森に探しに出かけた二人の騎士の、それぞれがとった行動で、幸運を手にすることができるか否かを教えてくれる物語でした。
この話を聞いたジムは涙をこぼしていましたが、落ち着いてもいました。
なぜなら彼はこの話のように今現在、自ら幸運をつかむ下ごしらえをずっとしてきたのだということを確信したからでした。
ジムは、落ちぶれてしまった後にいつも思い出すのは、マックスとともにいた一番楽しかった頃の思い出ばかりでした。そしてマックスに会いたくなったジムは、あちこち彼を探していたのです。
この本の著者の二人は、多くの世界的に有名な、成功をおさめている企業のコンサルタントの仕事をして高い評価を得ているそうです。
二人の騎士の物語は、アーサー王に仕えた魔法使いマーリンが出した難問に挑戦したものです。二人のおこした行動の違いと途中に出てくる格言にも似た幸運を掴むための言葉は、現在の私たちにも本当の幸せを得るにはどうしたらいいかを教えてくれています。
2004年発売当時も大変話題になった本書。
今も自己啓発本や経営戦略本などたくさん出版されていますが、この本では物語という比較的読みやすく理解しやすい形態で人気でした。
誰でも幸福を手に入れたいのは当たり前ですが、簡単に棚ぼたのようには降ってきてはくれません。
“幸福”というゴール地点までの道のりが大事だということを教えてくれます。