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死を想い、今日という日の花を摘む │ Les Archives du Cœur

Oct.2022

14th  July.   尊敬するアーティストである、クリスチャン・ボルタンスキー氏の ご冥福をお祈りいたします


 ボルタンスキーに はじめて出会ったのは、2019年。
 国立新美術館で 開催された、展覧会でのことだった。

Lifetime(2019)


響き渡る咳の苦しそうな声、遺骨入れを思わせるブリキ缶、ホロコーストを彷彿とさせる、積み上げられた衣類の山… その会場には、" 死の気配 " が充満していた。

 人間の不在。かつては " そこにいた " という 気配。


そんな 異様な雰囲気でありながらも、ひとつひとつのそれらの集積には、不思議と息苦しさはなかった。

  消えゆく星々のような その欠片たちは、
 " 生の煌めき " を、確かに感じさせたのだ。

そうした要素が、まるで 厳かな祝祭のように思えて、「こんな風に、生命というものを 表現するアーティストがいるのか」と、驚いたのを覚えている。

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