農業アイドル自殺事件について 客観報道とは何か?
私は判決の適否について語れるような情報は持っていないので、それについての発言は控える。
ただ、この事件が起こった時のマスコミの騒ぎ方ははっきりと記憶している。
確かに、報道は難しく、何が事実、真実かと判断するのは難しい。かといって、慎重でありすぎれば報道自体が成立しないだろう。
ただ、この報道には、当初から「アイドル側=真実」「事務所側=見苦しい言い訳・嘘」という強いバイアスがかかってることは感じた。そして、私がいつも指摘する情動的な報道スタイル、扇情的姿勢も感じた。
そういえば、つい先日に私がFacebookで指摘した「都から高額の住居費を請求されているかわいそうな震災被害者」の報道も、一方的で、「都側の言い分」はほとんど書かれていなかった。
そして、思い出すのは、子宮頸癌ワクチンのキャンペーン。
客観報道というのは確かに難しいが、何度も言うように、事実で報道してほしい。「お涙頂戴」式のストーリー化は危険だ。
確かに「ストーリー化」「物語化」した方がわかりやすいし、イメージしやすい。視聴率を取るのには有効な方法だと思う。
詳しく説明されてもピンとこない人が多いだろうし、まして「断定は避けて、慎重に考えましょう」なんて言われたら、チャンネルを変えるだろう。残念ながら、視聴者が求めるのは「何が真実か?」ではなく、「どっちが悪玉で、どっちが善玉か?」の勧善懲悪のストーリーなのだ。
ここでもやはり「わかりやすさ」の問題が、問題なのだった。