神田財務官の檄文（？）

文春に神田財務官の記事。

「『衆愚を煽るマスコミ』神田財務官秘密結社での檄文」とある。

批判してるっぽい記事だが、特に批判内容はない。

１０年以上前に勉強会の代表幹事として書いた文章らしい。中身を見ると、なかなか良いことが書いてあるように私には見える。

大宇宙は余りに雄大であり、我等の大地、地球は余りに小さい。その宇宙の起源も自らの生命の本質も不可知であり、人類の知は無に等しい。

何よりも深刻なのは、物質主義、刹那主義、利己主義に堕し時代精神が劣化していることである。衆愚を煽るマスコミと沈黙していく知識人の光景は戦前の我が国やワイマールと酷似している。

我々は天才ではない以上、謙虚に歴史や哲学から学ばなくてはならない。

知的空間を形成する主体になるためには、勉強を続けなくてはならない。各自が毎年、最低百冊は読むことが望ましい。

自分の人生を振り返っても、心身を鍛えてくれたのはサッカー部、水泳部であり、組織の基本を教えてくれたのは少林寺拳法部である。社会を知ったのは草野球かもしれない。しかし、空地が駐車場や住居に化け、時間が塾と電子ゲームに取られる今の青少年は、どこで、厳しい国際社会で生き抜く訓練を受けるのだろう。

結局、遠回りだし、教育の再生産性を考えると途方もなく辛い作業だが、「ひと」をあらゆる場面で育てるより他ないのではないか。

職場で、家庭で、地域社会で、あらゆる場で積極的に、自ら謙虚に学びつつ、啓蒙活動を実践して欲しい。

まあ、かなり生硬で、名文とは言えないけど、とても正しいことが書いてあると私は思いますよ。こういう真面目な人が官僚の幹部にいてくれるのなら非常に心強い。

何なら教科書に載せても良いくらいだ。少なくとも教育勅語よりはよっぽど良い。

で、この記事は何が言いたかったの？「衆愚」という言葉で煽ろうとかしてるの？

だったら、この記者の方がよっぽど品性下劣でダメだな。

称賛記事にしたら良かったのに。「まともな官僚もいますよ！」ってね。

少なくとも、顔で偏見を持ってたけど、私はこの人が好きになりました。