【読書日記#01】『金曜日のアンナ : 不思議なことばの世界へ』Anna på fredag : en ungdomsroman om språk og språkvitenskap
1.概要
ヘレーネ・ウーリ著 ; 福井信子訳 (1999) 『金曜日のアンナ : 不思議なことばの世界へ』大修館書店.
原題は、Anna på fredag : en ungdomsroman om språk og språkvitenskap
2.感想
ノルウェーの文学が読みたいと思い、図書館へ。数冊手に取ったところで、この本と「目があった」。
本書は、上記・内容にも引用した通り、「児童書風の言語学入門書」である。
学生時代、言語学をちょっとだけ齧り、また苦い思いもした私だが、本作にもっと早く出逢いたかった。
内容自体は、言語学の入門書なので、言語学を学んだ人には正直物足りないだろう。だが、本書の面白い点は、「ノルウェー人のビョルン」からの視点で、言語学に触れていくところだ。
ノルウェー語を学びたいと思っていたときにこの本を読んだため、ノルウェー語の特徴であるとか、ノルウェー語話者の観点であるとか、自分がノルウェー人の少年になった気分だった。
本書の一番読み応えがあるところは、本編もそうではあるのだが、何よりもpp.206-227の、「金曜日のアンナ――注」が面白い!
各章の注がまとめてられており、読み物として非常に楽しめた。
ノルウェー人から見た言語学であったが、これが私の視点で展開する物語ならどうなるのだろうか。
間違いなく、日本語の歴史の中での分断であるとか、文字の移り変わりは入るよな。余白があれば宜蘭クレオールとかも入れたいよな。
なんて想像するのも楽しい。
ブークモール以上に、ニューノシュク(本文には、ニーノシュクではなく、ニューノシュクと記載)への興味が更に湧いた。
手元において置きたい本。
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