ストレス発散にささくれを剥く娘。
夏休みに入る前ぐらいから、ぴぃにはちょっとした気になるクセがあった。
指のささくれが気になって剥いてしまうこと。
ささくれが気になる人はたくさんいると思うだんけど、ぴぃはそのささくれを血が出るまで剥き続けてしまう。
痛いけど、気持ちがいい。痛いけど、気にしないよりマシ。
最初はそんな感じだったけど、最近はストレス発散に剥いているという。
ぴぃの手は、爪の形が綺麗で、指も長くて細くて、私とは真逆の綺麗な手。
大人になったら、手タレになれるよと、いつも羨ましげに眺めていた。
最近のぴぃの手は、赤く染まっているか、赤いカサブタが所々にあって、見るに耐えない。
前とは打って変わって、少し悲しい顔をしてしまう私。
先日お友達がお泊まりに来てくれた日、寝る前に「イライラした時にどうやって発散するか。」という話をしたらしい。
ぴぃはささくれを血が出るまで剝くことだと言ったらしい。
お友達のママが心配してくれて、私に話してくれた。
「やっちゃいけないとは思うし、ママに怒られちゃうんだけど、やっちゃうんだよね。」
とぴぃは言ったんだとか。
怒ったつもりはないけど、私の悲しそうな顔をそう捉えたんだろうな。
先日学校へ行った日、いつも優しくお世話してくれるCちゃんに、ささくれの話をしたぴぃ。
するとCちゃんは、「それ、やってることリスカと一緒だよ、すぐやめな!」と言って、以来、ぴぃが無意識に夢中になって剥いてるところを見るとすぐに止めてくるとぴぃが教えてくれた。
正直、この話を聞いてドキッとした。私も同じように感じていたから。
ぴぃはこの時、初めて「リスカ」というものを知ったらしい。
「自分の体を痛めつけることで、ストレスを発散する。」という意味で。
でも、それを知ったことで、自分のしてることを正当化してるようにも見えた。
自分だけのクセじゃないんだねと。
そして、剥いてるのを私に見られると、何も言ってないのに、パッと隠すようにもなってきた。
やめられないのはわかる。
やめようとしていないのも伝わる。
本当はやめてほしいし、止めたい私。
でも、私に言われたからといってやめられるとも思わない。
そして、これがストレスの吐口になっているのは奪うわけにもいかない。
どうしたもんか。