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自作本ができるまで③ 表紙の和紙を作る

「紙を視る」トークイベントで、ヤレ紙を使ったニュー・カラー和紙を創り出した和紙職人・千田崇統さんが立ち上げている和紙にまみれる里山テーマパーク「ワラビーランド​​」を知った。行ってみたいなぁ〜

その後、「The Strange Plant Stories」蟻植物トークイベントを参加した翌日、「ワラビーランド」がオープンした投稿を見たとたん、表紙の和紙は自分で作れるかも、その思いが強くなってきて、行動に繋がった。

退職日と送別会の翌朝、岐阜県美濃市に向かった。

スケジュール共有
7/11〜12 表紙の和紙作り
7/13 紙の受け取り + 面つけ
7/13〜15 レーザー印刷
7/15 日本語原稿確定
7/16 面つけ
7/17 ニュー・カラーで印刷
7/22 製本

炭の和紙を触った時、裏表紙に使おうと決めた。表紙もグレイだと暗すぎるかもしれない。表紙を迷い続けたら、日が暮れはじめ、川に行かないと!

千田さん、奥さん、よしさんと5人の子どもとの晩ご飯

「本を作ったプロセス記録した方がいいじゃない?」と千田さんが言った。

「はい。そうするつもりです!」

「どうやって本を作れるのか分からない。全てがはじめてだから、どうやって本を作れたのかを読みたいね」

「全てが終わったら、やります」

「いや、今書いた方がいいよ。終わったら、距離と気持ちが離れるから」

(左)和紙で作られた隣の部屋。
(右)1階にあるバー。床と椅子も和紙?!

翌日

清らかな水に恵まれて、古くから和紙づくりが盛んだった。
舟(水槽)に水を入れる。
和紙の原料となる楮(こうぞ)。
楮を蒸して、白皮になって、煮た後の白皮(灰から取れるアルカリ液)。
アルカリ液に溶出した非繊維を取る「ちり取り」。
原料を水槽に入れる。
のりになるとろろの液体を水槽に加える。
それを円を描くように、よく混ぜる。よしゃ!
簀桁(すけた)という紙すきの道具で浅く汲み込んで、水槽に水を捨てる。もう一回深く汲み込んで前後左右揺り動かし、望ましい厚さまで繰り返す。水の入った簀桁が少し重くて、うまくバランスできなかった…

スゲタを水に沈める角度によって、よれてしまう。
だめをありにすることは個人の本しかできないんだ。
flow・cycle・chaos
流れ・円(縁)・カオス
桁から簀を持ち上げて、後ろにある白い布を敷いた紙床板(しといた)にゆっくり伏せてから、
向こう側から内側に簀を剥がす。そして、もう一枚の白い布を濡れている紙に敷いておく。
色つけの後に、6枚の紙をさらに水滴で模様を付けた。
例:鈴木さんの表紙
表紙が終わり、裏表紙を作る。残った原料を絞ってから、炭と混ぜる。
しばらく置かせて、繊維が溜まり、丈夫な和紙になる。
最初にできた3枚を乾燥して、紙の表情を見る。
残りの和紙は後日に送ってもらった。

何時間も和紙作りと色つけに夢中になって、出発する5分前まだ作っていた…

出発する直前、「色は乾かすと濃くなります。合っていますか?」

「いや。今より薄くなるよ」と千田さんが答えた。

「へえええ???」「とろろ以外に、家で何ができるんですか?」

「おくら」はとろろのいとこみたい。

出る直前、土砂降り。よっしさんが駅まで送ってくれた。ありがとうございました!!

一日中、頭に見えた色が消えた。名古屋から東京までのバスで原稿を直すつもりだったが、「この色でよかったのに…」「これやったらよかったのに…」パンク状態になってしまった。

「ディープなところで製本しているね」と千田さんが言いた。

中川さんが面つけを教えてくれた話をしたら、「中川さんも?超ディープ」

次のチャプター: レイアウト、面付け、紙の注文




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