sound chronicle

音の記録

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音の記録

マガジン

  • よいん

    ジャズ喫茶を契機に音の世界へ。仕事をやめて改めて学生になり、「よいん」は探求の道に巡り合ったことを書き留めるシリーズ。

  • 音の物語

    「音」に生涯をささげている人たちの姿をそのまま記録する。ガラクタ集めからアンプ作りを始めたジャズ喫茶マスター。50カ国以上の自然な音とエコーに耳を傾けているサウンドアーティスト。ラーガというインドの古典音楽を50年間歌い続けているミュージシャンなど、音のあらゆる形を探求し続けるシリーズ。

  • 自作本ができるまで

    『音の物語』を形にする。

  • YOYIN

    Jazz kissa was the beginning of my journey in sound. By quitting my job and becoming a student again, YOYIN captures the encounters and experiences of my pursuit.

  • sound chronicle

    “Sound Chronicle” is an intimate documentation of individuals who dedicate their lives to sound in Japan. From a cafe owner who collected junk to building amplifiers; the pioneer of minimal music, Terry Riley, who practiced Indian classical music raga for half a century; sound artist Akio Suzuki that listened to echo in fifty countries, to the 93-year-old legendary jazz pianist Toshiko Akiyoshi.

最近の記事

Repetition

In the process of re-making the book, I realised repetition expands to something new, and opens up to more opportunities. When I was producing additional copies in the Netherlands, I began to question the meaning behind the printing metho

    • 繰り返すこと

      本を改めて作るプロセスの中で、反復することは新たなことに広げ、機会を与えてくれる。 オランダで追加コピーを制作したとき、採用した印刷方法に対して疑問を抱いた。日本では特定の場所で印刷することが意義深かった。違う国では、境遇が異なる。以前は収入があり、時間の縛りがあったが、今は学生としてお財布にやさしい行動を取らないといけない。印刷しながら反省したとき、穏やかな版画家が私の本を手にとってめくり、「一冊欲しい!」と粘り強く言ってくれて、「ここのリソーインクジェットプリンターで第

      • Professional & Amateur

        In the process of writing by myself, I was often grappled with the feeling of inadequacy and questioning myself for not being professional. The editorial part-time job I had in university was a great opportunity to start writing, but I di

        • プロとアマチュア

          今まで、一人で書いてきた中で、プロではないということに苛立ちを感じていた。しかし、プロであるのはどういう意味なのだろう? 大学時代の編集アルバイトで文章を書き始めるという優れた機会だったが、「日本語と英語が母語ではない」という思いにとらわれ、それが選択肢の一つと思ったことさえなかった。20歳のとき、フォーブスジャパンのライターに「書く」ということについてアドバイスを伺ったところ、「どれほどうまく書けるかではなく、何を伝えたいのかが最も大切であり、スキルは後からついてくる」と

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        • よいん
          6本
        • 音の物語
          9本
        • 自作本ができるまで
          9本
        • YOYIN
          6本
        • sound chronicle
          9本
        • How I Made My Book?
          9本

        記事

          About Money...

          Moving to a new country with double the living cost of Tokyo, amid a plummeting Japanese yen, and six months without income, has reshaped my views on money and influenced my behaviours. Looking back, I saved up diligently for an adventure

          お金について...

          円安の中、物価が東京の2倍の国に移住し、半年収入がなかったことは、私のお金に対する見方を変え、行動に影響を与えた。 今、振り返ると、初めての仕事では、中南米への一年間の冒険のために懸命に貯金した。100円ですら貴重。お酒を一滴も飲まずに一晩中踊る訓練をした。東京のこぢんまりとしたレストランの暖かい光を眺めて立ち去り、冷めて硬くなったおにぎりを齧った。23歳になったとき、給料は僅かながらも、年上の同僚より貯金量は多かった。需要におじて、私は貯金講座を開き、彼らの支出をGoog

          お金について...

          About Learning

          The process of writing Sound Chronicle has brought me back to being a student as an adult, leading me to reflect on “learning.” A decade ago, I progressed to university aimlessly. In my senior year, I questioned the meaning of graduating bu

          学びというのは

          『音の物語』を契機に、大人として学生に戻り、「学び」を考え巡りはじめた。10年前、当てもなく大学に進学した。4年生のとき、卒業する意味を問い続けたが、他国でビザを得るため、学士が重要であるのでそうした。 数え切れないほどのアルバイトと2つの正社員を経て、日本での生活は安定していた。何事も優れてはおらず、悪いとも言えない。とにかく普通だった。変化を欲しがっていた。仕事の前後、昼休みに独学しても、知識の習得の進捗にも不満を持っていた。この膨大な領域で、構成、機材、そして熱情に溢

          学びというのは

          About Home......

          Most recently, I moved to a new country to strengthen my foundations in sound and music. The severe housing crisis has made me ponder “home.” I have always enjoyed traveling and drifting and was never fixated on “home.” Moving to a new cou

          家について...

          ジャズ喫茶を契機に音の世界へ。さらに進む前に、音と音楽の基礎を築こうと決めた。日本を離れて、これから音を探求する道に巡り合ったことを書き留める。新しい拠点では深刻なハウジング・クライシスがある故に、「家」について考え込み始めた。 旅行と移動を好んできた自分は、今まで「家」に執着しなかった。新たな生活を始めるにあたって、安定した環境が欠けるとストレスが募る。住所を登録できる物件がめったにない。そうなると、口座、保険、収入もなし。200人以上が一つの部屋に応募する。朝に同じ授業

          家について...

          Bookmaking Afterword

          A book for personal memory. The writings began in my early twenties and printed in my late twenties. I was thrilled to compile years of research into my first book. Selecting paper, designing layout, printing, washi-making, bookbinding we

          Bookmaking Afterword

          本を作って学んだこと

          個人的な思い出が詰まった本。20代前半から書き始め、20代後半に印刷できた。数年間にわたる記録を初めての本にすることに私はわくわくした。 紙選びをはじめ、レイアウト、印刷、和紙漉き、製本まで全ては新たな試みでありつつ、何より自らの手で作ろうという意欲が盛んだ。印刷は残酷だった。写真の色が想像した通りに再現できなかったときは涙を押さえきれず、数えきれないほどのミスが印刷されたときは終わりだと感じた。自分のクセが生々しく本に反映されてしまった。いくら一貫性を持つようにして、人々

          本を作って学んだこと

          Delivering Personalised Books (Part II)

          Last Day in Japan 11:00 Call the paper shop 14:00 Hiroshi Yoshimura's Soundscape Exhibition at Kamakura 17:55 Fetch 283 sheets of A3 paper 18:20 Buy a pair of socks for baby (For 4th copy) 19:30 Mini Farewell Dinner 22:00 Deliver 4th boo

          Delivering Personalised Books (Part II)

          本を渡しに行った!(下)

          日本を離れる前日 11:00 紙屋さんに電話 14:00 「吉村弘 風景の音 音の風景」展(鎌倉) 17:55 283枚のA3紙を取りに行く 18:20 4冊目、赤ちゃんの靴下を買いに行く 19:00 ミニ送別ディナー 22:00 4冊目を届けに行く 最終日に、改めて282枚のA3紙を予約した。通常は翌日の受け取り、紙屋さんに今日中できるのかを相談してみた。プランBは、明日空港へ向かう前に取りに行けば。以前、私の注文が漏れていたから、「今回は飛んじゃうので、私の紙を忘れ

          本を渡しに行った!(下)

          Delivering Personalised Books (Part I)

          With the limited time before leaving Japan, there were not enough copies for everyone I wrote in the book. In the end, I delivered to the people I documented in the book that influenced me deeply, and our close relationship continues until

          Delivering Personalised Books (Part I)

          本を渡しに行った!(上)

          限られている時間の中、全員に渡す数を作れなかった。誰に渡すか、最後まで躊躇していた。本に登場した私に深く影響を与え、今も親しい関係が続く人々。そして、ずっと守ってくれた大家さん、お腹が空いている時にご飯を作ってくれたなど身近にいる人に。 1冊目 月に一回のテリーさんによるラーガレッスンに一年以上通っていた。最後のラーガレッスンに本を渡しに行った。宮本さんは「彼女ならOK」と、裏にある休み所に連れていってくれた。 2冊目 鎌倉で開催される吉村弘さんの展覧会で鈴木さんの

          本を渡しに行った!(上)