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自作本ができるまで② 紙とラフレイアウト

2回目の打ち合わせ前、日本を離れることになった。年内に終わらせる予定だった本が、7月末までに急速に進んでいた。


まずは、「紙を探す」と「ラフレイアウトを作る」こと。

東京の和紙屋

紙を探すポイント。70kg〜90kgの紙。厚すぎると製本が難しい。薄すぎると印刷が透けてしまう。印刷機を通せる和紙っぽい紙、もしくは機械で作られた和紙。

小津和紙(日本橋)

印刷できそうな紙は意外に少ない。見本として4種類を手に入れた。小津和紙の1階で手漉き和紙体験が行われる。同じビルにあるギャラリーと小津史料館には、紙にまつわる歴史や紙で作られたドレスなどが展示されている。

TAKEO(神田)

2種類の印刷機を通せる和紙を購入。何に使うのか分からないけど、鮮やかな紙を数枚手に入れた。最終的に、表紙に載せるタイトルのために使った。

Paper NAO(白山)

ここの和紙は厚くて、カリッとする。店員さんは花や植物から抽出した色で紙を染めていた。気になったのは、柔らかい布のような感触がある薄い紙。表紙をめくる際、薄い紙が透けて英語のタイトルが見えると想像していた。店員さんに、本を作るのは大変だけど、一つのことを決めてから、次のことを決めるようにアドバイスされた。

京都の紙屋、はじめての結婚式と救急車

初めて親友の結婚式に参加するまで何ヶ月間もどきどきした。京都で開催するから、ついでに和紙屋と古本屋を回ろうと思っていたが、結婚式の朝、気を失って頭をぶつけて、かなり出血してしまった。意識が戻ったら救急車で運ばれ、病院で予告なく生々しくホチキスされた。大声で叫んだして涙もぼろぼろ。

お医者さんが「結婚式を忘れた方がいいよ。大人しくして。1〜2日は静かにする」と言った。

ぼーっと。病院のベッドで何もできない退屈感。結婚式と紙屋に行けない悔しさ。思いがけず、昼過ぎに病院に出された。宿にしろ結婚式にしろどうせ座っているのだから、結婚式に向かい、そこで水を飲んでいた。

結婚式
ある友達に「今日はまともだね」と言われた。

私は微笑んでいた。(ははは... 頭からたくさんの血を失ったから...)

土砂降りの中、皆はアフターパーティーに行ったが、一人で宿に帰った。寝る前、どーん。おでこが天井にぶつけて、大きなこぶをできた。頭、おでこ、腕の痛みに苦しみながら寝ていた。

翌日
病院でもらった紙を握り締め、もう一回読んだ。

「頭を強く打った時には、脳にいろいろ変化を起こすことがありますが、特に頭蓋骨の内側に出血が起こる場合は、生命に危険を及ぼすことが多いので、必要が注意です。外傷を受けてからすぐに起こることも、ずっと遅れて、数ヶ月も経ってから起こってくることもあります」

全てが脳に繋がり、脳の変化と傷が見えないからこそ怖い。今は大丈夫にしても、いつどこで何が起こるかもしれない。これからは、勉強しながら仕事して、限界まで脳を働かせるつもりだった。必要なお金はどうする?体の脆弱さに不安が襲ってきた。自分の愚かな行動で(再び)家族を心配させたくない。じっと座るか、紙を探すか。不確実の中、頭に「紙、紙、紙」しかなかった。休憩しながら、紙屋さんまで一歩一歩向かった。いつの間にか、5軒行ってしまった……  

ちょうどKyotographieの最終日。様々な写真集を捲って、文字と文字の間の余白(行送り)を確認した。広かったので、それを真似しようとしていた。

(それから2ヶ月異常がなければ、大丈夫とのこと。幸いに今は無事です!)

京都の古本屋

2回目の打ち合わせ

  • ラフレイアウトを提出。
    200前後のページ数になった。

  • 手に入れた紙のテスト印刷。
    買ってきた紙は中川さんと触ってみて、刷れそうな5種類を片面で印刷してみた。出力と色が一番良かった「やまびこ奉書」のでこぼこ面も印刷。紙の見本を購入した直ぐに、付箋でメモした方がいい。レシートがあっても、どれがどれだか分からなくなるので… 

加藤さんから「読みたいっす」、中川さんも「読みたい!」

?????(ニュー・カラーで印刷する時にスルーで見られるだけと思って、読まれることは思わなかった。子供っぽい文章が見られるなんて……)

そして、無表情で加藤さんは画面を見ながら「写真いいっすね」と言った。

(?)

私は中川さんと話している間、その夜、3回目の「写真いいっすね」の呟きが聞こえた。

(表は冷静になろうとしていたが、EY%#$”&%$’8%$&#%!!!)

「The Strange Plant Stories」蟻植物トークイベント後

どういう経緯か加藤さんが日本語の文章を直してくださることに至った。

「大変貴重な時間、、」

「いいっすよ。寝る前に読むから」

「ありがとうございます…」(それが一番貴重な時間ですけど…)

(はぁ?????加藤さんが展示会の忙しい中、一冊分の本を直してくれる???)

自宅

川田さん、川田さん、私はどうすればいいですか???」

「それは相手からの好意。『ありがとうございます』と受け取るしかない」

面つけのときに、シェアハウスに来てくれた時、中川さんは「それは加藤さんの善意」と言った。

恩はどうやって返すのか。

文章直し

一つ一つの体験を本にすることは言葉と成長が表してくるだろう。が、文章はどこまで直すか。自分が書いた文章を読み返した時、意味不明な箇所もあったので、加藤さんに直してもらう前に、もう一回全文を見直す。6月中に。よ〜し。

今まで、自分が初めての読者として書いてきた。ふざけてくだらない冗談。ダメすぎる失敗談。しかし、ふたり目の読者は加藤さんという事態に、画面に向かう度に、肩が恐ろしいプレッシャーに襲われていた。提出まで、頭を枕に埋めたり、しゃがんで頭を抱えて 「どうしよう!」と無音で叫んだ。自分が自分の道を切るなんて、あほか。びびりすぎて入れないと決めた。同じ週に、穐吉さんとのディナーで、彼女は再びこう語った。

「わたくしは初めての聴衆だから、自分が感じられるものを弾く」という言葉に、葛藤を乗り越えた。そういうわけで、完全に自分のため、初めての本ができた!!!

新しく入ってきたハウスメイト:「あなたはADHDと診断された友達よりADHDだ。まだ病院に行っていないだけ」

……

次のチャプター: 表紙の和紙を作る


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