【夢喫茶*Dream Cafe*(10)夢を通して内なる宇宙を探索する】
アウター・スペースとインナー・スペース
ここロンドンでは肌寒く雨がちな6月に皆うんざりしていましたが、ようやく初夏らしい爽やかな快晴を楽しめる季節となりました。ずっと涼しかったせいか、庭のりんごの実はもう赤くなり始めました。
さて、ここのところ「国際宇宙ステーションが〜」「月探査機が月の裏側に〜」といったようなニュースを目にすることが多くなりました。最近個人的に地球と天体との関係などへの興味がアップしているので、アンテナに引っかかってくるのかもしれません。世の中は広い宇宙に向けて外へ外へ・・・。
でも本当は私たち一人一人の中に果てしない宇宙(スペース)があって、特に人類の過渡期の今のような時代は、そちらを探索していくことの方が大事なのでは、と個人的には思っています。
「自分の内なる宇宙/インナースペースにはどんな存在が住んでいるのだろう?」
「特に自分では見えにくい場所はどんな様子になっているのだろう?」
このシリーズを通して夢解きについてお伝えしているのも、夢には上記のような問いへの答えを見つけるためのヒントが隠されているからなのです。
夢に出てくる気になる人物とインナースペース
さて、夢解きの時に覚えておくと便利なのが
「夢に登場してくる人や物は、自分の中にあるさまざまな側面を象徴的に表している」
という考え方です。(詳しくは『夢喫茶シリーズ(3)夢の中で出会うキャラクターたち』もご覧ください。)つまり、自分のインナースペースの様子や仕組みに関するヒントを得るには、夢に登場する人や物などの要素や、その要素どうしの関係などを探索していくとよい、ということになります。
夢人物に質問してみる
そこで前回イギリスで開催した夢解きの会、Dream Cafeでは、上記をテーマに、特に夢の中に出てくる気になる人物についてみていく、ということをしてみました。
まずそれぞれ順番に夢について語っていただき、「この夢はこんなことを言おうとしているのでは」と軽く理解したあと、特に気になる夢人物(夢の中の自分も含め夢に登場する人物)をピックアップしていただきました。その後、全員一緒にイメージ・エクササイズの中で、その夢人物に以下のように問いかけていく、ということをしていきました。
「あなたは私に何を気づかせるために夢の中に登場してくれたのですか?」
「あなたは私の中のどの側面を照らし返してくれているのでしょうか?」
例えば、
「タクシー運転手さんが酔っ払っていて心配だったけど、いつもとは違うルートでちゃんと目的地に連れて行ってくれた」
という夢を見たしっかり者で学者タイプのAさんは、この夢人物を通して、
「決まったやり方だけでなく、もっと自由で柔軟な発想で道を切り開いていける自分」
を発見することができました。
自分の中の未知の可能性とは逆に、自分が陥りやすいパターンについて夢の人物が強調した形で見せてくれることもあります。例えば、
「とても綺麗な色の絵にあえて黒っぽい色を塗ろうとしている男性の夢」
を見たBさんは、この夢人物が、
「起きていることを必要以上に暗い色眼鏡で見てしまう自分」
について教えてくれている、という気づきを得ました。そして、
「もっとあるがままの世界を信頼して楽しんでいきたい」
と語っていました。
日常の中で出会う人々から学ぶ
さて、夢喫茶シリーズ(8)の『昼間にみる夢のメッセージ』では、
「覚醒時に通常の自分の状態が揺さぶられるような体験をしたときにも、夢解釈と同じような考え方を使って自分の中の未知の自分について学ぶことができる」
というようなことをお伝えしました。
これは日常の中で、「あの人、何か気になる」「すごく好き・すごく嫌」など、誰かの存在に心が揺らされたり、ある人に関して印象に残る体験をしたときにも、もちろん当てはまります。それは、
「自分の中であまり意識が届いていない部分などあると、代わりにそれを相手に映し出して見るから」
と捉えても良いし、
「同じようなテーマ/周波数を持った人に共振するから」
と考えてもよいかと思います。
いずれにしても、誰かにビビッと来たときには、通常のやりとりや反応に加えて、その人があたかも夢人物であるかのように、以下のように心の中でその人のイメージに向かってたずねてみてください;
「あなたは私に何を学ばせるために、私の前に出現してくれたのですか?」
「あなたは私の中のどんな側面を照らし返してくれているのでしょうか?」
夢であっても、覚醒時であっても、こんな風にたまに一歩立ち止まって探索することで、内なる宇宙/インナースペースへの理解がどんどん深まっていきます。
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今回は「夢や日常に出てくる気になる人物を入り口に、自分の中にある宇宙を探索する」ということについて書いてみました。
今度夢の中や日常の中で気になる人に出会うようなことがあったら、ぜひ心の中で上記のような問いを投げかけてみてください。そしてパッと心に浮かぶ答えを拾い上げて、大事なメッセージだと思ったらメモしておきましょう。
ここまでお読みくださりありがとうございました。