映画の話3　地獄の黙示録

　フランシス・コッポラの傑作です。ベトナム戦争もの、という単純なカテゴリーに収まらない、何が普通で、何が狂気なのかを問いかけてきます。
　「ワルキューレの騎行」を鳴らしながらヘリボーン部隊がベトコンの村を襲撃する有名なシーンがあり、確かに圧巻ですが、朝焼けを背に、ヘリボーン部隊がシルエットで飛行するシーンが、なんとも言えない恍惚感を感じます。
　CGなどの技術がない時代ですから、全て実写で、迫力は半端ないです。中学の時ロードショーされて映画館で観て、数年前にまたまた映画観で上映された際は3回観に行きました。真っ暗な映画館の中で浮かび上がる数々の美しい映像。でもそれは人間の狂気を描いていて、そこが魅力です。