映画の話385 天城越え
松本清張原作の映画です。異世界のような天城峠で思春期の家出少年と妖艶な女郎とが出会い、共に峠を越える、という、まるで泉鏡花の小説であるかのような世界観が何とも言えず素晴らしいです。
そこに殺人事件という現代ならではの出来事が起きることで、現実と異世界との境界越えのようなものが、この天城峠が象徴しているようだと思いました。
少年の、淡い恋心や恋慕と、憎しみとが、天城峠の、あの何とも言えない幻想的な雰囲気と文学的な情緒の中で、美しく描かれていると思いました。
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