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映画の話344 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド その2
この映画の深いところは、会話とか全体のノリはポップで軽く、コミカルなのに、チャールズ・マンソンファミリーを描いている点です。ベトナム戦争やヒッピームーブメントなど、ポップカルチャーの隆盛の一方で、病み始めたアメリカの姿が浮き彫りになっているようでした。
そして架空の主人公のクリフがシャロン・テートの隣人だったことで、近い過去の出来事が大きく変わるのも面白いと思いました。クライマックスからラストにかけては過激なシーンが続きますが、マンソンたちが実際にやったことをフィクションの中でマンソンファミリー自身に再現しているのだろうと思いました。
前半は映画たちへのユーモラスな愛に溢れ、後半はマンソンファミリーに対する憎しみに溢れている感じがしました。この辺は「イングロリアス・バスターズ」と似ていると思いました。そしてフィクションの世界でシャロン・テートがお腹の子どもと共に救われている姿に、観ているこちらも救われる思いがしました。あるいはシャロン・テートへのレクイエムなのかもしれません。
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