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ポジティブシンキングな人が急に折れるわけ〜それは当然の結果である
生きづらさを卒業し強みで働く
HSPのための自律神経ケア×強みプログラム
「そういう個と。」主宰の皆川公美子です。
今日は立春ですね。
旧暦では新年の始まり、見直したり新たに始めたいことはありますか?
そういう個と。では
日頃noteを読んでくださっている皆様に感謝を込めて
「HSPさんが境界を築くためのガイド」というプレゼントをご用意しました。
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詳細はこのnoteの最後に書いていますので
どうぞチェックしてくださいね。
さて、今日のnoteは
ポジティブシンキングな人が急に折れるわけ
というテーマでお伝えしてみようと思います。
四六時中ポジティブでいるべき?
「ポジティブにいれば、人生はうまくいく」
よく聞く言葉ですよね。
実際願望に対して明るい気持ちを持っていた方が叶いやすいと思いますし、自己啓発本やSNSでも
「ポジティブシンキング」の素晴らしさが強調されています。
でも、いつも明るく前向きに見える人が
ある日突然「心が折れてしまった」ように見えることがあります。
「あんなに元気だったのに、どうして?」
と驚いた経験はありませんか?
とてもポジティブで前向きな言葉でやり取りをされる
あるご夫婦と対面してお話ししていたときのこと。
奥さまが「でもあの人、ちょっとね」的な感じで
話の端にそんな言葉を言ったことがあったんです。
その瞬間、ダンナ様がすかさず
「そんなこと言うの?!」と厳しく眉をしかめられた。
ぴしゃり。と制したという感じでした。
それはほんの2〜3秒のできごとでした。
でもとても違和感のある、印象に残る出来事でした。
わたしは
「え?そのくらいの憂さ晴らし、夫婦なんだし別によくない?」
とほんのちょっと思いましたが
もちろん口には出しませんでした。
のちに奥さまが元気がなくて外出ができなくなってることを聞いて
あの【ウルトラポジティブしか許されない感じ】が
四六時中続くのじゃ、しんどいなあ〜
もちろんそれが原因かはわからないけど。。
と思っていたことがありました。
日常において
ちょっとした感情の発散はとても大事なことです。
実は、これには神経生理学的な理由があるんです。
感情のメカニズムを知ると、
「ああ、だからなんだ」と納得できるかもしれません。
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ポジティブでい続けることの見えないプレッシャー
もちろんポジティブでいることは、とても素晴らしい姿勢です。
日々を明るく気持ちよく過ごすことで
また湧いてくる活力もありますよね。
でも、一方でそれが
「ネガティブな感情を感じてはいけない」
「常に明るく振る舞わなければならない」
という形で、自分自身にプレッシャーをかけてしまうことに
つながっていることはありませんか?
わたしたちの感情は
自律神経系を通じて体と心に深く関わっています。
特に、ポリヴェーガル理論という考え方では、
交感神経(戦う・逃げるモード)
と
副交感神経(リラックス・回復モード)
のバランスが重要だと説明されます。
感情を無理に抑え込むとこのバランスが崩れてしまい
体にも心にも負荷がかかるのです。
感情からの解離とは?
感情を抑え続けると、わたしたちは
「感情からの解離」と呼ばれる状態になることがあります。
これは、辛い感情に触れることを避けるために働く心の防御機能です。
災害などのニュースで被害に遭われた方が
テレビでインタビューされていることがありますが、
家を失い、これからの生活がまるで想像できないような方が
自分の生活のことを他人事のように
「まあ、これからたいへんでしょうね」などと
なんだったら少し微笑みながら
説明しているのを見たことがありませんか?
「その状況で、どうして微笑んでいられるの?」という姿。
人はあまりにツライことや直視できないようなことに出会うと
感情を解離して生き延びようとするのです。
自分の辛い悲しさには
触れないように、感じないようにするというわけです。
いじめに遭っている子が笑顔でいたり
暴行事件に遭った人が平気な顔をしていたり
ふられたときに平気そうな顔で
なんでもなかったことのように振る舞ってしまうのも同じこと。
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それを続けていると
表面的には「平気そう」に見えますが、
日常的に、実際には感情を感じる力そのものが鈍っていきます。
・悲しさを感じる場面で
「大丈夫、頑張れば乗り越えられる」と自分に言い聞かせる
・怒りを覚えたときに、「でも、私は感謝しなきゃ」と
無理やりポジティブに振る舞う
などもその例です。
一時的にはこれでストレスを和らげられるかもしれませんが、
長い目で見ると、抑え込まれた感情は心の奥深くに溜まり続けます。
そして、この「解離」が続くと
次に起こりがちなのが「シャットダウン」です。
シャットダウンのメカニズム
シャットダウンとは、
心が負担に耐えきれなくなり、機能を「一時停止」するような状態です。
ブレイカーが落ちたような状態、と説明することもあります。
ポリヴェーガル理論では、この状態は
副交感神経系のうち、古い迷走神経系(背側迷走神経複合体)が
優位になった結果だと考えられています。
シャットダウンがおこると
エネルギーが湧かない: 何をするにも気力が出ず、体が重たく感じる
感情の麻痺: 嬉しさも悲しさも感じられず、心が空っぽに思える
人との関わりを避けたくなる: 他人と会話すること自体が億劫になる
といった状態が起こります。
ポジティブシンキングを続けていた人が突然折れてしまう背景には
この「シャットダウン」が隠れていることが多いのです。
無理に押し込めていた感情が神経系の限界を超えた結果、
心と身体がエネルギー切れを起こしてしまうのです。
ポジティブもネガティブも「感じる」ことが大切
では、シャットダウン、
ひいてはその前の「感情の解離」を起こさないためには
どうすればよいのでしょう?
その鍵は、ポジティブとネガティブ、
両方の感情を「感じること」を自分に許すことです。
感情には良いも悪いもなく、
どれも自分の一部としてジャッジせずに受け止めることが
とてもとても大切です。
具体的には:
悲しいときには、「私は今、悲しいんだわ」とその感情を口に出してみる。
誰か信頼できる人に、ネガティブな気持ちをそのまま話してみる。
ジャッジなしでただ、聞いてもらう。
などです。
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こうした行動は、自律神経のバランスを整え
感情を健康的に処理する助けになります。
おわりに
繰り返しになりますが
ポジティブシンキングそのものが悪いわけではありません。
ただ、それが「ネガティブな感情を否定する手段」になってしまうと
結果的に自分を追い込んでしまう。
アファメーションなども
使い方によってはかえって感情を抑圧する仕組みになってしまうことも
クライアントさんからはよく聞きます。
感情は押し込めるものではなく、
湧き上がったものを素直に感じて流してあげるもの。
感情はエネルギーですので
形はかわるのです。
ポジティブもネガティブも、どちらも自分を形作る大切な一部。
その両方を受け入れることで、心も体ももっと軽やかになれます。
「折れない心」とは、
常に一本調子でポジティブでいることではなく
自分の中にあるすべての感情と向き合い
バランスをとることから生まれるものなのかもしれませんね。
今日も最後までお読みくださりありがとうございます。
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