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生活相談員の仕事で辛いこと

デイサービス生活相談員をしている、社会福祉士の田中こころです。

私は、月の延べ利用者数が1,400名超、登録者数160名以上の大規模事業所で働いています。

この規模では、生活相談員がすべての利用者様と日々密接に関わることは難しく、日常的な関わりは介護職員がメインになります。

しかし、生活相談員が積極的に関与しなければならない場面もあります。

それは、介護職員だけでは対応が難しいケースです。


生活相談員が密に対応するケース


デイサービスを利用する高齢者の方々は、身体機能や認知機能の変化が大きく、早急に通所介護計画の見直しが必要なケースも発生します。

たとえば、

  • 認知症のBPSD(二次障害)により他害行為が見られる方への対応

  • 著しく状態が悪化しているが、介護者が不在または介護力が低い方への対応

  • デイサービスの日程を把握できず、準備が間に合わない方への対応

こうしたケースでは、状況把握や他機関との連携をスムーズにする観点から、生活相談員が介入することが多くなります。 


お迎え時の失禁対応


デイサービスでは、1台の送迎車に複数の方が乗り合って通所します。

そのため、スムーズな運行が求められますが、時には予期せぬトラブルが発生することも。

中でも私がよく対応するのが、お迎え時の失禁です。

特に独居の方の場合、お迎えにうかがった際に衣類や寝具まで濡れてしまっていることがあります。

利用者様ご本人も「どうしよう…」と困惑していることが多く、見過ごすことはできません。

しかし、送迎の介護職員には次のスケジュールがあり、

「このまま送迎車に乗せるのは難しいが、長く対応する余裕はない」

という状況になることもしばしば。

そんなときは、生活相談員が交代して対応することになります。

本来、居宅内での介護はデイサービスの業務の範囲外ですが、私は「緊急時には、人としての感覚を大切に、柔軟に対応するべき」と考えています。

そのうえで、同じ状況が繰り返されないように、ご家族やケアマネージャーと連携し、支援の見直しを図ることが重要だと思うのです。


悲しいのは「関わりが深まった利用者様の利用終了」


緊急対応や困難な状況への対応を通じて、私は利用者様やご家族とより深く関わることになります。

その結果、信頼関係が深まり、「相談員さんが来てくれて助かった」と感謝のお言葉をいただくこともあります。

しかし、そうした利用者様ほど、

  • 在宅生活が難しいと判断され、入院や施設入所となってしまう

  • せっかく築いた関係も、デイサービスの利用終了とともに途切れてしまう

といった現実に直面することが少なくありません。

そのときは最善を尽くしたつもりでも、「これからも自宅で過ごせるように、もっと他にできることがあったのではないか」と、後になって考えさせられることも多いものです。


生活相談員としてできること


この仕事をしていると、在宅生活を続けることの難しさを痛感することが多々あります。

私たちは、「そのとき、その方にとって最善の支援を考え、実行できたか」を常に自問しながら、日々の業務に向き合うしかありません。

デイサービス生活相談員としてできることは限られていますが、

「最後まで関わってもらえてよかった」
「デイサービスがあったから、ここまで家で過ごせた」

と感じていただけるよう、力を尽くしたいと思います。


まとめ


デイサービス生活相談員の仕事には、大変なことや辛いこともたくさんあります。

利用者様とご家族の生活を支えるために、私たちにできることを精一杯考え、行動することが求められる仕事です。

これからも、リアルな現場の声を発信していきます。

この文章を読んでくださった介護・福祉の現場で働く皆さんと共感し合えたらうれしいです。



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