メンタルセラピストに必要な心構え。 続ける上で大切な4つのこと
僕の周りには「セラピストのお仕事に興味がある」「自分もいつかやってみたい」という方がたくさんいます。また、すでにセラピストやカウンセラーとして活動している方も含めて、弟子入りを志望される方もいらっしゃいます。
でも、結果的にクライアントさんを募りプロとして継続する方はほとんどいません。僕から見ても、とても良い感性や実力をお持ちの方でも…です。
お弟子さんを志望される方に関しても面談し、動機をお伺いした上でお断りさせていただくこともあります。
10年間に渡り専業でやってきたセラピストが思う、この仕事を志す上で大切なこと。長く続けられる人が持っているものについてまとめました。メンタル系セラピストの仕事に興味がある方、目指している方にとって参考になれば嬉しいです。
歴10年のセラピストが思う、メンタル系セラピストに必要な4つのこと
① 人の「心」を探究し続けることやクライアントさんが楽になっていく過程に夢中になれる、努力や苦労と感じないほどの「エネルギー」
② 逃げ道を作らない、人の人生を背負う仕事を引き受ける「覚悟」
③ 机上の勉強やスキルの研鑽の積み重ねに加え、常に「現場」を通じて学び続ける「姿勢」
④ 暗い話や辛い話を毎日聴いても平静を保てる「マインドセット」
まとめると以上の4つになります。ひとつひとつ解説していきますね。
セラピストの仕事を続けられる人とそうでない人とでは何が違うのか
「まだ自分は技術や知識が充分ではないから…」
「もっと自分のことを見てから始めたい…」
「まだあの人のようになれていないから…」
このようにお話をされる方が多いです。
ある方に聞かれました。「どうしたらプロとしてやっていけるの?」と。
ストレートな質問だなと思いましたが伝えました。多分、皆さんと違うのは「覚悟」かなと。
次のドアを開けるには、もう戻らない。逃げ道を作らない。そんな覚悟がその人に力強さを与えてくれたりします。次のドアを開けるには、後ろのドアを閉めないと開かないんです。
いつでも普通の仕事に戻れる、
いつでも普通の主婦に戻れる
それで本当になにかが吸収できるのでしょうか。
僕はセラピストを志して以来、ずっとこの道一本で続けてきました。
役者時代の経験を活かしたコミュニケーションのアドバイザーに始まり、心理学の勉強をしたのちカウンセラーの道へ。そこから様々なクライアントさんとの出会いをきっかけに、エネルギー心理学系統のボディワークを主体にしたメンタル系セラピストへと転向。
そこから目標達成したい方やアスリートをサポートするメンタルトレーナー、後輩の育成へと活動の枝葉を広げていき、今に至ります。
当初はなかなか思うように頼っていただけず、苦しい生活が続きました。何度か普通のお給料をもらうお仕事をしようかと考えたこともあります。
でもそれは結局しませんでした。それは今思うと正解だったと思います。
その時間は今の僕にとって、最大の学びの時間になりましたから。もっと良い方法、人の苦しみの根源はなにか、自分に向き合う時間になりました。
きっと覚悟ができたからこそ掴めたのだと思います。
あとお仕事をする覚悟もありますね。
人の一生に関わる仕事ですから、怖いことも最初はありました。それでも信じてくれるクライアントさんがいたから、覚悟できた自分がいました。
お仕事を引き受けたなら、その引き受けたことへの覚悟が自分の力を発揮させてくれることもありました。
覚悟とは一見、逃げ道をなくす自分を縛り付けるように見られやすいですが、目覚め、悟ると書きます。そこには自立の自覚が芽生えるのです。
覚悟とはパワーです。覚悟をしたなら、後ろのドアは締めるのです。覚悟が自分の中を気づかせ、外も広げてくれます。
お金のためだけだったら他の道に行ったほうがいい
「人の役に立ちながらお金を稼げるから」
「創間のように旅しながら働きたいから」
これまで僕のもとに弟子入りを志願してきた方の中には、このようにおっしゃる方もいました。
ですが、あくまで日本全国に行くことや経済的なことは二次的なものなのです。
今でこそ出張対面セッションで日本中を駆け巡る「旅するセラピスト」の僕も、この仕事を始めた時はもちろん全国に行くことはできませんでした。
先述の通り、本当に苦しいところからスタートしました。
ただひとつだけ、僕の中にあったのはとにかく楽しくて仕方なかったことです。
色んな文献を読み、色んな人にも会い色々考えていました。そして、それを X(Twitter)で発信しているうちに、やがて色んな方々が頼ってくださるようになりました。
多分「お金を稼ぎたい」「出張で旅に行きたい」という理由が主なら、大変だし続けられないかも。それだけ難解なこともありますし、このお仕事一本で食べていけてる人はひと握りですから。
心の学びに終わりはない。 机上で学ぶ心理学だけでは、現場で歯が立たない
これは現場に立っている優秀なカウンセラーさん、セラピストさん達が口を揃えて言います。
僕も最初にカウンセリングの勉強や心理学を勉強してから現場に行きましたが、何度も挫折を味わいました。
一般的な心理学を否定するわけではありません。マーケティングや心理効果の意味ではとても効果を発揮しています。しかし、人の心を癒していくにあたっては、それだけでは通用しません。
複雑なトラウマを抱えている人が来ても「そうなんですね…」と聞いて、励ましたり、焼け石に水のアドバイスをしたりして終わり。クライアントさんも大変な思いをしてトラウマを話してもらって終わり。
これではクライアントさんにとってみれば話し損。かなりエネルギー消耗するんですよ、追体験させちゃうこともあるので。
ではどうして現場で使えないのか?
それは、人の心は一人ひとり違うからです。体系だった机上の学問では、ひとりひとりをパターンで処理することになってしまうのです。
考え方の土台や信念は、ひとりひとり見事に違います。まるで雪の結晶のように。
一般的な心理学は、歴代の心理学者さんたちが主観で体系立てたもの。もちろん素晴らしいものもありますが、あくまでも主観。万人に当てはまるものなどないのです。
近年アドラー心理学が流行っていますが、あれもアドラーさんの主観なんです。今この記事をお読みくださっている方の中で好きな人がいたらごめんなさいね。
セッションの現場に必要なのは、その人の心に何が起こり、何があるのか、客観的に見ていく方法です。その上で、はじめていいセッションができるのです。
心の学びは無限。「これで学ぶものはない」ということはありません。
いつでも自分の技術や知識を活き活きとさせて、どんどん役立てていきたいもの。だから今も仕事の合間を縫って、様々な勉強会に参加し続けています。
仕事で心の悩み相談に乗るということは、苦しい話を人一倍聴くということでもある
「よく人の辛い話、暗い話をたくさん聞いていて
辛くないですね」と言われることもあります。
実際にそれで辞めてしまったり、負担の少ない活動に方向転換してしまったりする同業者の方も少なくありません。いわゆるバーンアウト、人の心をケアする側のケアラーが潰れてしまうのです。
僕も最初の頃はそれで苦しくなってしまったことがありました。でも今は、この状況になることはあまりないです。
そのような状況に陥らないようにするために普段から心がけ、身についていることがあるからです。
毎日辛い話を聞いても潰れることなく、数千件を超える皆様の悩み相談に乗り続けられる秘密とは……
……これについてはまた次回以降の記事で! 楽しみにいらしてくださいね。
お読みくださってありがとうございました!
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