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歳の差起業
Twitterを始めて3ヶ月。
タイムラインを見ていると中学生で〇十万円稼いだとか、高校生起業家なんて言葉が飛び出してきて、今の若い人たちは凄いなと思います。
僕が中学生や高校生の時は起業するなんて考えたこともなかったし、高校がバイトを禁止していたので大学でバイトをするまで働いてお金を稼いだ経験すらありませんでした。
大学生になってからは、「いつか起業して稼ぎまくるぞ」とは思っていたものの、何をどうしたら起業できるのかわからず、結局30代後半までダラダラとサラリーマンをやってしまいました。
今は一応会社の社長ということになっていますが、僕が起業したわけではありません。
前の会社の元上司が、起業したばかりの会社に呼んでくれたのです。
僕が参加した時は、社員3名。
他の2人は60代前半のオジサンです。
僕は30代後半です。
歳の差婚ならぬ、歳の差起業です。
ところが社長を決める段になって、創業者のオジサンに社長をやってくれないかと頼まれました。
もちろん、一度断りました。
創業者は、過去に2千人の社員を抱える企業のCFOだった人です。
一方の僕は、監査法人でマネジャーをやった経験しかありません。
創業者を差し置いて自分が社長をできるとはとても思えませんでした。
社長は創業者のオジサンがやるべきだと説得しましたが、最後は逆に説得されてしまいました。
僕は今でも、自分は社長にしてもらったと思っています。
さて引退間近のオジサン二人と30代の僕の凸凹トリオで始まった会社ですが、2年近くやってきてお互いの欠点をお互いの長所で補い合う良いチームができました。
僕が持っていない経営のノウハウと人脈の広さは、オジサン達が提供してくれます。
僕は仕事量とフットワークの軽さ、テクノロジーの導入、マーケティング等で貢献しています。
よく起業は早いほうがいいという話を聞きますが、実際はその逆です。
ビジネスの成功率は、年配の人の方が高いという研究結果があります。
起業家育成に特化した米国のバブソン大学の調査結果では、起業後に事業を成立させている確率が一番高かった年齢層は、55~64歳だったそうです。
さらに同大学の収益15万ドル以上の米中小企業経営者を対象にした年齢調査でも、回答者の51%は50歳以上という結果が報告されています。
わが社のオジサン2人は、まさにド直球のストライクゾーンです。
50代後半から60代の前半の起業家が成功する理由は、それまで培ってきた経験と人脈がもっとも生かされる年代だからかもしれません。
僕は自分の会社が創業から2年経っても生き残っているのは、オジサン達のおかげだと思っています。
僕の会社が提供しているのは高額のBtoBサービスです。
対象となる企業は年商100億円以上の企業で、導入決定は取締役会の議案です。
つまり客層はほとんどの場合、50代から60代なんです。
客層にサービス提供者の年齢を合わせるというのは、一つの戦略です。
顧客のニーズを理解したり、それに合わせてサービスを提供するのに有利になります。
僕の会社の場合、30代と60代の混成チームがうまく機能していると感じています。
僕の会社はハイテクなサービスを提供している会社ではありませんが、社内システムの構築や業務ツールには、最新のトレンドを導入しています。
これは僕が中心になって進めています。
やはり60代には見えていない新しいトレンドは、30代の僕が捉えてどんどん導入しています。
情報収集力やトレンドへの感度、テクノロジーへの理解の速さでは僕の方が優位性があります。
とはいえ、僕が一人で導入してもオジサン達にも使ってもらわないと、うまく機能しません。
しっかり時間をとって趣旨と仕組みを説明し、使いこなしてもらっています。
オジサン達も新しいテクノロジーには興味津々で、僕が次々と着手する新しいプロジェクトにもちゃんと理解を示してくれます。
もちろん年齢差起業は良い面ばかりではなく、課題もあります。
一番深刻な問題は、世代交代です。
60代のオジサン達が現役でいられるのは5年から10年です。
会社として存続していくためには、これから5年以内に後継者を育てなければいけません。
僕が起業当初から社長に就任した理由の一つは、10年後の世代交代の負担を軽減する意味もあります。
経験豊富なオジサンたちが現役のうちに、社長としての経験をさせてもらえるのは非常にありがたいです。
10年後には僕の世代が意思決定者になっているはずです。
会社が大きく飛躍するのは5年後、10年後だと思っています。
もし今あなたが起業を考えているのなら、歳の差起業はおススメです。
あなたが20~30代なら、無理して一人で起業するよりも、一回り年配の人と起業することを考えてみてください。
あなたにはない経験と人脈で、事業が早く軌道に乗るかもしれません。
逆にあなたが50~60代なら、起業するのに遅いということはありません。
見どころのある元気な20-30代と起業することで、継続性のある元気な会社を作ることができるはずです。
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