ブラジリアン柔術トレーニングバイブル(実践トレーニングメニュー編)
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みなさま、『ブラジリアン柔術トレーニングバイブル』ご購入誠にありがとうございました。
予想を超える反響をいただき、スキがついている以上の方々にご購入いただいています。今回はその補足としていくつかリクエストとして頂いたトレーニングメニューの組み方について書いてみようと思います。
PANDA GYMのTシャツどこで売ってるの?ともよく聞かれたので↑こちらで売ってます!この機会に是非!着ると持ち上がる重量が上がると言われています。
柔術の土台をつくる
柔術って楽しいです。だから続く。
続くから技術も向上したり体型も変化したりしていきます。でも柔術でカラダを痛める人は多いです。スポーツは本来楽しいもの。でもシリアスに行うとスポーツは健康を損なう。お分かりでしょう。スポーツのパフォーマンスには健康が土台として必要です。
トレーニングは楽しさを感じて行う人より結果のための手段として選択する人が多いでしょう。だから結果が出ずにつまらなく感じたり続かない人が多いのも事実です。
トレーニングにどハマりする人はトレーニングでの成功体験を糧にモチベーションを高めている人が多いのではないでしょうか。
その楽しいスポーツ(柔術)を続けるためにも、パフォーマンスを高めるためにもやるべき事(トレーニング)を行いましょう。この内容で行えば結果に繋がることと思います。トレーニングの楽しさ(成果)も感じてトレーニングにもハマってより柔術を楽しめるようになってください。
トレーニングの頻度はどれくらい?
やれればやれるだけがベスト。
ただし、「柔術のため」なので実技練習をサボってはいけません。実技練習をこなしつつトレーニングの質を保つ必要があります。
今回は週1〜3回の頻度でのメニュー例を紹介します。
練習にもトレーニングにも時間を割ける専業の柔術家なら週5トレーニングするのもアリでしょう。
持久力を課題として感じるならランも取り入れましょう。走る事は全身運動としても有用です。練習量の下地に必要な体力を養えます。
やはり基礎が重要
何をやるかも大事ですが何をやらないかも大事です。限られた時間とエネルギーを優先順位の高いもの(基礎的なものが一番重要)から注ぎましょう。
ジムへ行く必要はあるのか?
自重のみで行うのか、椅子くらいはあるか、鉄棒はあるか、ダンベルはあるか、バーベルもあるか、マシンはあるか?パートナーはいるか?
様々おかれた状況によって選択肢は変わってきます。これらの条件を考えて工夫してトレーニングを行うのも楽しいことです。
実際私もホームトレーニー歴10年程のキャリアがあるので理解しているつもりです。私は実家にいわゆる一般的なパーソナルジムを遥かに超えた設備を整え、現在ではジム経営に移行しました。
結論、ジムは通うものです。
自重だけでやるとか、謎の縛りプレイ。非効率なのでジムに行くかパワーラックを買いましょう。
制限がある中で選択するのはありですが、環境を整える努力も必要かと思います。
トレーニング種目の選択
ブラジリアン柔術の競技の中で優位に使われる関節動作があります。でもそれだけ鍛えればいいわけではありません。
まずは大枠を抑えることから始めましょう。コンパウンド種目(複数の関節が関わるトレーニング)を行う事で小さな筋肉も鍛えられます。
まずは幹となる部分を養いましょう。その上で足りない部分や強化したいパートを足していくのです。枝葉からじゃダメです。
体組成の改善という意味でも全身を鍛える事が効果的です。そして柔術における実動作では複数の関節が同時に働きます。決して単独の筋肉だけで動作が行われるわけではありません。
例えばヒップエスケープ。
膝の伸展と股関節の伸展、体幹部の屈曲、側屈、肩関節の伸展、肘の伸展が行われます。
膝伸展と股関節の伸展はスクワットで鍛えられます。
柔術で重要となる内転筋。こちらも通常のスタンスのスクワットやワイドスクワットでも鍛えられます。
このようにまずはスクワットを行うことで総合的に鍛え、次のステップとしてスクワットで刺激し切れない部分を補足していきます。これが基本的な考え方。
ディップスも脇の締め、ヒップエスケープにおける相手との間にフレームを作る動作や胸ベースでフレームを作る際など、複数の動作やそれに関わる筋肉を刺激できます。
なのでスクワットやディップス、デッドリフト、ロウイングといったコンパウンド種目をメインに行って基礎を養います。
トレーニングはまずどこから取り掛かればいいのか?
一般の人の場合だとトレーニングを行う以前の段階の方も存在します。ですが、柔術を行っているという事で、機能不全はあるにせよ、一定レベルの体力はあるという前提で話をします。(体が全く動かない人もいるのでそんな場合はまず病院で診断受けてもらってリハビリから)
種目でも強度や優劣が存在します。(あくまでその目的に対して、という評価ですが)
効率的、効果的な方法があります。例えば適切な負荷で行うスクワットであれば、筋力も柔軟性もボディコントロールもバランス、ベースの強さ、機動性、体の連動性、などなど色々な能力を獲得、強化することができます。
トレーニング種目を選択する上で全身の筋肉や機能から考えるとオススメの種目は
スクワット
ディップス(加重)orベンチプレス
Tバーロウ or チンニング
シットアップ or ハンギングレッグレイズ
シングルレッグデッドリフト or ランジ or ブルガリアンスクワット
あたりが良いでしょう。極限まで絞るならスクワット一択。
メニュー作成の考え方
集中力も体力も時間にも限りがあります。優先順位を明確にしましょう。大事なもの、キツイものから先に行います。
やらなきゃいけないもの、やった方がいいもの、オプションの3つに分けます。
①優先順位の高いもの(マスト)
②余力や時間があるならやった方がいいもの(had better)
③オプション
やった方がいいけどエネルギーレベルが高くなくてもできるもの。トレーニングの尺が長くならないように別で配置したり宿題として家で行うのもアリです。
代替種目について
器具の有無やその他様々な事態でトレーニングでは問題が生じがち。器具の待ちなどで時間を無駄にせず代替種目を選ぶのも一つの手です
例 バーベルスクワットを行いたいがスクワットラックが空いていない。
そんなときは代替種目。
Good ゴブレットスクワット
Better スミスマシンスクワット
Best ヘックスバーデッドリフト
バーベルベンチプレスが空いてなければダンベルベンチプレスでも替わりになります。(効果は全く同じではないですが)ルーティンを消化する事にこだわりすぎず、バラエティがある事はいい事です。
一回一回の積み重ねが結果に繋がります。一喜一憂せず年単位での向上を見据えてトレーニングと向き合いましょう。
トレーニングにおける重量設定
柔術家の場合、実技練習での疲労がトレーニングに影響する事もあるでしょう。仕事もあり、家庭もありで理想的なスケジュールで動けない人が大半かと思います。
毎回ベストコンディションではないでしょうが、その中でもやれる事をやっていきます。
したがって今回提案するのは重量設定も含めたメニューではありません。アップ等で重さを触って体調を把握しながらメインセットの重量設定をしていきます。
「前回フレッシュな状態で100×5×3セットできたけど、出張帰りで柔術行ってその帰りにトレーニング、みたいな時だと85×5×3ぐらいが適切」
というケースもあるわけです。大丈夫。
毎回重量が伸びるなんて事はトレーニングを続けていればあり得ないものです。伸び代が大きかったり追い込んでなかった人はあるかもしれません。
100キロ扱える人間が毎回挙上重量が1キロ増していく、なんて事はありえません。週1,2回のトレーニング頻度であっても年間で50〜100キロ増。4〜5年後にはパワーリフティングの世界王者が誕生してしまいます。
メニューの回数やセット数はそのままで重量で調整しましょう。(慣れてきたらテーマを変えて行うのもありです。重量を半分程度にして回数を倍にするなんて方法を私自身も取る事もあります)
トレーニングでの目的は傷害予防
その中で取り組むトレーニングの目的は具体的に、最大筋力の向上、パワーの向上、筋肥大、筋持久力の向上、結合組織の強化、身体操作性の向上、筋力の立ち上がり速度の向上となります。
これらはすべて同時に達成する事はできません。相互関係にあるもの、すぐには取り組んでも効果が薄いものなどなど様々です。
今回はトレーニング初級者向けのメニューです。(トレーニング経験者であっても漠然と行っていた人はこちらに含まれます)
前述の通りまずは土台を作ります。
オールアウト、そんな言葉を耳にした事もあるのではないでしょうか?
今回はレペティションマックス、という考えをベースに進めます。1回だけ運動できる量は1RM、なんとか10回反復してできる量は10RMと表します。自分自身のRMを知ることが適切な負荷量を決める判断材料になります。トレーニングを行う上で注意したいことは、10RMとは全力で10回するのがやっとの負荷です。今回のトレーニングメニューの例に記載している10×3セット、といったものは10回がギリギリ、という意味の表記です。15回できる重量で10回だけ行うことではありません。
パワー向上の強度設定ではレペティションマックスより少ない回数で行います。挙上時のスピードを指標としたトレーニングもあります。
まずはここから。筋力と筋肥大を狙います。結後組織を強化する。土台をしっかり作ります。紹介したメニューを参照頂くのが良いかと思います。
ちなみに筋力向上と筋肥大を同時に狙うのは非効率と言われています。じゃあダメじゃん!と安易に答えを出さないでください。
一回のトレーニングで同時達成が難しくても8週後に筋力と筋肥大、どちらも向上させる事は可能です。
こちらのトレーニングにおける反復限界の指標として、「正しいフォームが崩れるまで」とします。1ミリも動かなくなるまで追い込むとかではありません。怪我のリスクもあるし、最初の1回と最後のフォームが崩れた1回は同じ一回ではないでしょう。比較しずらい。
トレーニングが根性だけでなんとかなるのであればみんな強くなっています。ジムで追い込んでる風であっても何年もずっと変わらない人も沢山いますよね。
根性は必要ですが、根性だけでなんとかなるものではありません。努力は簡単に裏切ります。正しい努力を積み重ねましょう。
トレーニング継続のために
トレーニングフォームとケア、継続するために大切です。どんなに効果的なトレーニング法であれ素晴らしいテクニックであれ継続する事で成果に繋がります。
トレーニングの目的も傷害予防。これも柔術を継続するためです。足し算で解決できない事もあります。トレーニングにおける重要なポイントはフォーム。どんなトレーニングメニューであれ正しいフォームが前提にあります。あなたのフォームは大丈夫ですか?
正しいトレーニングフォームについては過去noteご紹介しておきます。無料記事です。
さて告知。スクワットのフォーム獲得につながるセミナー、7月29日13時〜13時半、スポルテックのサンクトバンドさんのブースで開催します。
無料です。是非いらしてください!来れない方はPANDA GYMのパーソナルでどうぞ。
そしてケア。トレーニングは体力が向上しますが疲労が蓄積します。
質の高い柔術の練習やトレーニングを行うために回復へのアプローチは重要です。大事なものは3つ。
栄養
睡眠
セルフケア
オススメのケア法はサウナとコンプレフロス。
サウナは血流を改善しターンオーバーを早くする事に加え睡眠を改善します。もうひとつのコンプレフロスは圧迫する事で関節可動域の増加や、動作時の違和感を緩和する効果が期待できるコンディショニングツールのコンプレフロス。
柔術、関節の違和感や突き指等日常茶飯事ですよね。この辺にもしっかりアプローチできます。
コンプレフロスについて詳しく書いています。
私もスクワットの前や練習前には必ず取り入れています。
コンプレフロスの使い方や仕組みについて詳しく知りたい方は
サンクトジャパンのホームページから開催されているセミナーへのご参加をお勧めします。
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重量アップのタイミング
設定された重量で指定回数×3セット正しいフォームでクリアできたらバーベル種目では2.5キロ増加させましょう。
ポイントなのが3セットクリアしたら重量を伸ばすというところ。
1セットだけではまだ早いのです。トレーニングでの怪我のリスクも減らしておきましょう。
実践トレーニングメニュー例
週1回トレーニングできる場合
第1種目 スクワット 5rep × 3set
第2種目 ベンチプレス 5rep × 3set
第3種目 プルアップ 限界まで × 3set
第4種目 シットアップorハンギングレッグレイズ 10rep × 3set
やれるなら
第5種目 (ダンベルやバーベルを持って) ランジ or ブルガリアンスクワット
週2回トレーニングできる場合
以下のA,B2つを1回ずつ行います。
Aメニュー
第1種目 スクワット8rep × 3set
第2種目(aとbを連続で行って1setとカウントします) セット間は45秒休憩で3set
aショルダープレス 8rep
bプルアップ 8rep
ここまではマスト、以下は余裕があれば
第3種目 片足デッドリフト 8rep × 2set
第4種目 ハンギングレッグレイズ 10rep × 2set
Bメニュー
第1種目 スクワット 5rep × 3set
第2種目 ベンチプレス 5rep × 3set
第3種目 ベントオーバーロウ 10rep × 3set
ここまではマスト、以下は余裕があれば
第4種目 ブルガリアンスクワット 8rep × 2set
週3回トレーニングできる場合
以下A,B,Cを各1回ずつ1週間で行います。
Aメニュー
第1種目 スクワット5×3セット
第2種目 ベンチプレス5×3セット
第3種目 ランジ10×3セット
第4種目 プルアップ 限界まで×3セット
第5種目 ハンギングレッグレイズ10×2セット
Bメニュー
第1種目 ブルガリアンスクワット8×3セット
第2種目 ディップス8×3セット
第3種目 プルアップ8×3セット
ここまではマスト。以下は余裕があれば
第4種目 シングルレッグシットアップ10×3セット
Cメニュー
第1種目 デッドリフト5×3セット
第2種目 ベントオーバーロウ10×3セット
第3種目 ショルダープレス8×3セット
第4種目 ゴブレットスクワット10×2セット
オプション(家トレメニュー)
オプションとして5分でできる、トレーニングの締めに追加してもいいし、トレーニング日と分けて道場でも家でもできるものも加えておきます。
オプションA
ミニサーキット的な内容で全部やります。
プランク
コペンハーゲン
ハーフターキッシュゲットアップ
リバースクランチ
サイドブリッジ(左)
クランチ
サイドブリッジ(右)
ヒップリフト
オプションB
こちらもミニサーキット的な内容で全部やります。
プッシュアップ
スクワット(ボトムで静止)
片足デッドリフト(片側ずつ)
バックエクステンション
ヒップスラスト(自重)
インバーテッドロウ
コペンハーゲン
サイドブリッジ
エルボーブリッジ
部位を分割でやるといいって聞いたけど?
分割法であれボディメイクのトレーニングは比重が上半身に偏っているものが多いです。競技特性を考えるともちろんそれが正しいといえるのかもしれません。
胸、肩、背中、腕、脚の5分割やプッシュ、プル、脚など。一見全身のトレーニングでバランスが良く思えます。
ですが全身の筋肉量や分布で考えると下肢の比重は高い。柔術のパフォーマンスへの関与を考えても下肢は大切です。(やたらめったらサイズアップしましょう、という話ではありません)
ボディビル志向ならボディビルのメニューが正解。
柔術が強くなりたいのであれば強くなる方法論を選択しましょう。トレーニングを取り入れてみなさまの柔術ライフがより充実したものとなることを願います。
スケジュール例 一般Ver.
仕事やその他で柔術に取れる時間が限られることもあるでしょう。無理なく継続できるスケジュール設計をすることも重要です。
スケジュール例 ガチ勢Ver.
生活における柔術の比重が高く、とにかく強くなりたいという場合このようなスケジュールもありでしょう。
おまけ
腰痛の人向けメニュー
プランクやサイドブリッジ等のオプションからトレーニングスタート。
第1種目 オプションA
第2種目 ベルトスクワットor ランジ 10rep × 3set
第3種目 シールロウ or ワンハンドロウ or プルアップ 10rep × 3set
第4種目 シーテッドダンベルショルダープレスorディップス 10rep × 3set
目的やライフスタイルによってメニューの組み方や強度は変わってきます。ご相談いただければある程度のアドバイスは可能ですので是非ジムで相談いただければと思います。
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