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股関節を『極める』
「股関節を『極める』」というこのタイトル。読むだけで柔術、トレーニングのパフォーマンスが向上しそうです。
膝が痛い、腰が痛い
noteでもたびたび説明しているモビリティとスタビリティ(≒可動性と安定性)。身体の役割として可動は股関節や胸、安定は膝や腰です。※例外的に変化するケースもあります。
姿勢不良を作り出す原因のひとつが股関節の機能不全
股関節の可動が十分でないと、代償動作として本来安定させるべき膝や腰を動かすことにつながり、必然的に負担も高まります。つまり、「膝が痛い」、「腰が痛い」につながる可能性が増すということです。
正しい姿勢
姿勢不良が様々なトラブルを引き起こすことは知られています。ヒップスパインシンドローム※など。
※股関節と腰が互いに影響して痛みの原因を作るもの。腰が痛いけど実は腰はなんともなくて股関節に問題があったり、はたまたその逆だったり両方に問題があったりすること。
股関節のトラブルは骨盤のポジションに大きな影響を与えます。骨盤と姿勢は連動しているので猫背や反り腰の原因となることも。
問題解決には骨盤矯正?いいえ、股関節の機能を獲得しましょう。
骨盤の傾きから腰椎周辺の筋群に負担がかかり腰痛を引き起こすこともあります。股関節を機能させることで腰痛が軽減するケースは多くあります。(腰痛を引き起こす原因は様々ですので、これを行えば解決すると約束できるものは私が知る限りありません。腰痛は難しいです。。)
股関節は頑丈
正しく使えば構造的にも丈夫で可動性も高い股関節。実は360度回せるんです。股関節は以下6つの動き方が可能です。
屈曲
![](https://assets.st-note.com/img/1693026709072-1kdp48UOEG.jpg?width=1200)
伸展
![](https://assets.st-note.com/img/1693026734853-VGFVJ85QRd.jpg?width=1200)
外転
![](https://assets.st-note.com/img/1693026760618-hROaz6d40M.jpg?width=1200)
内転
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外旋
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内旋
![](https://assets.st-note.com/img/1693026832991-cV1BIEZV6y.jpg?width=1200)
と自由自在に動く関節です。逆に膝関節などは捻ったらアウトですからね。ヒールフック我慢しちゃダメ。
股関節の動きと柔術
股関節の動きは6つですが、柔術における動きと絡めて説明すると、以下になります。
屈曲
ヒップエスケープの際の膝の引き上げ。ガードリテンションで脚を戻す時など。
股関節屈曲はシットアップ、ヒッププレクション、スプリットスクワット
伸展
ブリッジなど仰向けでお尻を上げる動作 ダブルレッグで前に出る際
股関節伸展にはスクワット、デッドリフト、シングルレッグデッドリフトが有効です。
外転
横向きでお尻を上げる 払い腰など
股関節外転はブルガリアンスクワットが有効。
内転
ハーフガードやガードワークで膝を閉じる動作
股関節内転を鍛えるためのトレーニングとしてはワイドスクワット、コペンハーゲンが有効。
外旋
オモプラッタで膝を外側に捻る動き
股関節外旋はクラムシェルで鍛えましょう。
内旋
三角絞めで絞める際の膝の絞り。
股関節内旋はアダクター、コペンハーゲンを内旋しながら行うことで鍛えます。
腰ではなく、股関節で動きを作る
柔術における腹筋、丸まる動作、腹筋を使うとされる崩し、引きつけなどは股関節の貢献度が高いケースが多いです。
シットアップは腹筋のトレーニング?
シットアップというと腹直筋やら外腹斜筋も関与しますし、効く感覚もあると思いますが、実は股関節の屈曲筋の関与も大きいのです。柔術における上半身を丸める動作では股関節の屈曲も伴う事がほとんどでしょう。
いわゆる腹筋運動は相当な回数を行えます。股関節の屈曲筋は強いのです。
腹直筋をアイソレートするならクランチが適切。ちゃんと腹直筋に効かせたら30回もできないでしょう。できる人は負荷を分散させているのではないでしょうか。腹直筋を発達させたいならアイソレートさせることが大切。
ちなみに股関節屈曲筋は大事だけど鍛え過ぎ注意。オーバーユースになると面倒です。これはどの部位にも言えることですけどね。
スクワットで腰が痛くなる
「スクワットで腰が痛くなる」というケース、体幹部の安定性や、股関節の機能に問題がある場合が非常に多いです。
スクワットのフォームをどれだけ改善しても、腰への負担がゼロになることはありません。ただし、連動性を高めて適切に身体を機能させることで他の部位に分散させたり腰に集中した負担を避けることができます。
その際、腰の負担を減らして自然な前傾を保つためには腹圧と股関節の伸展筋がポイントとなります。
そもそも体幹部の姿勢を制御しつつしゃがめるのか?可動域はあるか?というところからチェックしていきましょう。
肩が上がらないのにショルダープレスを行う人はいないでしょう。でも適切な関節可動域がなくてもスクワットはやれちゃうんですよね。もちろん適切なフォームではないでしょうから、代償動作が発生します。結果「腰が痛い」というような事態も発生してきます。
スクワット動作でどこが問題となるか?
というチェックなどは専門のトレーナーにチェックしてもらうのもいいでしょう。パンダジムでもパーソナル、クラスでフォーム指導をしていますので是非ご活用ください。
股関節の可動域チェックテスト
なぜ股関節に可動域が必要なのかというとパフォーマンスを発揮するためです。そして代償動作によってカラダを痛める問題などを起こさないようにするため。代償動作は痛みが現時点でなくても後々発生したりするのでできれば丁寧にテストを行いましょう。
柔術実技テスト
同体格の相手に三角絞め
これができない場合、外旋、内旋、屈曲に問題がある可能性(なくても過体重でお腹が出ていたり、脚が短い場合などは脚が組めない可能性はあります)
オモプラッタ
オモプラッタがスムーズにできない、やると膝が痛い場合は外旋、外転に課題がある可能性があります。
腕十字(下からの)
腕十字を下から仕掛ける際に腰が上手く切れないのは股関節の内転、屈曲に問題があると考えられます。
トレーニング実技テスト
可動域以外にも伸展筋が弱いなどの問題があっても行えない可能性もあります。ピュアな関節可動域評価はライイングなど寝た姿勢で行うものが多いですが、こちらのnoteをご覧の方々は実技面での問題が気になるでしょう。なのでこちらでOK。
スクワット
スクワットにおいて、しゃがめない、膝が内に入るというエラーが生じる場合、外転、外旋、屈曲に問題がありそうです。
ケトルベルスイング
ケトルベルスイングにおいて腰を突き出せない(真っ直ぐ立ちきれない)のは股関節の伸展をチェックしましょう。
シングルレッグデッドリフト
シングルレッグデッドリフトはなかなかバランスを保つのが難しいですが、バランスが保てないのは股関節の内旋、屈曲、内転あたりに課題がある場合が多いです。
骨盤大腿リズム
股関節は股関節だけで動くものではなく骨盤とも密接に関わっています。骨盤の前傾や後傾のように腰椎と骨盤の運動の関係性のことを骨盤リズムと言います。
股関節の屈曲は骨盤の後傾と連動して動きます。クローズガードでの前崩しなどイメージしやすいかと思います。
なのでできない人はあまり柔術だといない感。トレーニングガッチリやって固定観念が染み込んで凝り固まってる人だとあったりします。
前崩しが苦手なら骨盤の後傾も意識してみるとよいでしょう。尾骨を丸めるようなイメージです。
股関節の詰まり
股関節動かす時になんか骨や組織がぶつかる感じがする。。違和感がある。ひっかかりを感じるし嫌な感じです。
この原因としては、
ケツが硬い
尻よりハムが優位に働いてる
骨盤の可動性が低い
というようなことが挙げられます。骨盤後傾の可動性、これは柔術の人だとほとんど問題ありません。おそらく基本丸まってナンボの競技だからでしょう。
むしろ前傾苦手な人が多い感。股関節屈曲の可動が気になるなら多裂筋のストレッチでも行っておきましょう。
股関節のモビリティ
いくつか股関節のモビリティについても動画で解説しようと思います。こちらの動きをやっていただくだけでかなり改善する部分はあると思います。上で述べた骨盤の詰まりについてもかなりの部分が改善される可能性があります。
股関節を鍛えるトレーニング
代表的なトレーニング種目について股関節にフォーカスした解説を下記ではしておきます。
スクワット
スクワットは動作としては大きく膝と股関節が関与します。
シシースクワットの様に膝がメインで動かすスクワットだと股関節に関わる筋群は効果的に鍛えられません。
ヒンジを意識してスクワットを行いましょう。お尻を後ろに突き出すようにします。前傾が強くなるので腰を痛めないためにローバーで担ぐと良いでしょう。
シングルレッグデッドリフト
体幹部を安定させることで股関節から動かすことができます。
体幹部の屈曲伸展は抑えましょう。そのためには腹筋群などがしっかり機能することがポイント。
ヒップリフト
シングルレッグのデッドリフトと同じように体幹部を安定させた上で股関節を伸展させましょう。
下部胸郭を閉じる&骨盤を後傾させるよう意識することがポイントです。
ニーアップランジ
注意点は前述の種目同様ですが、片側の膝を上げて股関節を屈曲、軸足側をしっかり伸展させましょう。
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